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アイドルバスター 印税の偶像  作者: おでん信用金庫
2/12

すべては印税のために[金木 真織②]

前回までのあらすじ


アイドルになりませんか?



翌日

緑一色(りゅーいーそー)女学院 1年2組教室



みのり(真織の友人)「えぇっ、アイドルにスカウトされたの!?」


真織(まおり)「あぁ。昨日弾き語りしてたらな」


みのり「すごいじゃん!で、OKしたの!?」


真織「まさか。即キャンだよ」


みのり「え~なんでよ勿体ない!なんでよ勿体ない!!」


真織「なんで2回言うたん」


みのり「大事なことだからだよ!!せっかくアイドルになれるチャンスなのにぃ~!」


真織「コスパ悪いだろうが」


みのり「・・・コスパ?」


真織「私は別に注目を浴びてチヤホヤされたいわけじゃねぇ。金が欲しいだけだ。弾き語りをしているのも、楽に稼ぐためだ。あんなもん、適当に歌作って歌詞書いて、ギター弾きながら路上で歌うだけだからな」


みのり(え、それって普通にすごい才能じゃない・・・?)


真織「まぁそれでもまだコスパは悪い。それなのにアイドルなんて論外だ。踊りながら歌わなきゃいけねぇし、ファンと握手したりしないといけねぇしダルい。コスパ悪すぎなんだよ」


みのり「そ、そうね。でも、真織けっこうスタイルもいいし、かわいいし・・・アイドル向きなプロポーションだから案外お似合いかもよ?」


真織「プロポーションなんてどうでもいい。大事なのは楽して稼ぐことだ」


みのり「あ~・・・」


みのり(これはなかなかの、金の亡者ね・・・)




放課後

緑一色女学院 校門前



みのり「え~それ本当~?」


真織「マジよマジマジ~!それでさ~」


P「すみません」


真織「っ!!?」


みのり「え、誰この人?」


真織「・・・さっき言ってた、私をアイドルに勧誘してきた奴だ」


みのり「えぇぇっっ!?わざわざ下校時間を狙って来たのこの人!?」


P「いえ、昼頃から待ち構えていました」


みのり「グェェェッ!?ちょ、ちょっと真織この人ヤバイ!!通報しないと通報!!!」


P「待って、私は決して怪しい者では・・・」


みのり「怪しい奴は皆そう言うんだよこのタコ!!くらえっ!(防犯ブザーを鳴らす)」


真織「なんだそのレトロな対処法」


P「ふんっ!(防犯ブザーを握りつぶす)」


真織「なんだその斬新な対処法」


みのり「なっ、防犯ブザーが通じない・・・!?」


真織「なんで防犯ブザーでなんとかなると思ったの」


P「落ち着いて話を聞いてください」


真織「防犯ブザー握りつぶした奴と落ち着いて話し合える気がしないんだけど」


みのり「もいっぱぁぁつ!!(防犯ブザーを鳴らす)」


真織「なんでもう1個持ってんの」


P「ふんっ!(防犯ブザーを握りつぶす)」


真織「まぁそうなるよね」


みのり「なっ・・・!?」


真織「1個目で学習しろよ」


P「・・・金木さん。アイドルになること、もう一度考えてくれませんか?」


真織「ハァ、何回も言わせるな。やらねぇっつってんの」


P「金木さんは、お金が欲しいんですよね?」


真織「あぁ。楽して稼ぐ、これが私のモットーだからな」


P「アイドルは楽して稼げます」


真織「は、そんなわけねぇだろうが。歌もダンスもやんなきゃいけねぇし、何かと拘束されるし・・・」


P「『印税』です」


真織「・・・っ!」


P「1度世に出したCDが売れれば売れるほど、あなたに収入が入ります」


真織「で、でも印税収入なんてレコード会社とか事務所とかにほとんど持ってかれて、私たちにはあんまり入らねぇんだろ?」


P「はい。印税収入は出版社と作詞・作曲家に入ります。分配率は50:50、作詞と作曲で更に半分に分けられます」


真織「ホラ見ろ。出版社に入って来る50%の印税収入の中から更に分けられた額しか入ってこねぇだろ。コスパ悪いじゃねぇか」


P「いいえ。そんなことはありません」


真織「あ、なんでだよ」


P「あなたが作詞作曲をすればいいんです」


真織「は?」


P「そうすれば、印税の半分以上があなたのものになります」


真織「そりゃあそうだろうけど、簡単に言うなよ。私はただの素人高校生だ。世を魅了するような曲も歌詞も作れる気がしねぇよ」


P「いいえ。あなたには、才能があります」


真織「さ、才能・・・?」


P「自覚していないのでしょうが、あなたには希有の才能があります。昨日の路上ライブで、身を以て実感しましたから」


真織「・・・」


真織(私に作詞作曲の才能がある・・・そんなこと考えもしなかったな。だが、だからなんだ?才能があってもCDが売れなきゃ印税もクソもないじゃねぇか。落ち着け金木 真織。美味しそうな話だからこそ、もっと慎重に考えないととんでもないことに・・・)


P「なんなら、即金で100万差し上げます」


真織「アイドルやります!!!!」



慎重に考えることを止め、真織は目の前の100万と引き替えにアイドルの世界に足を踏み入れることとなった。これから彼女の身にとんでもないことが起こるとも知らずに・・・



<『プロジェクト・リベリオン』、結成まで残り『2人』>


結局は金

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