恐怖の味噌汁
「ママ、今日の晩ごはんなーに?」
「今日はあなたの好きなハンバーグと、スープはクラムチャウダーよ」
「やったー!‥‥‥クラムチャウダーって?」
「貝のスープのことよ」
「えー、あたし貝きらーい」
「好き嫌い言わないの。大丈夫、絶対美味しいから」
「はーい」
翌日
「ママー、今日の晩ごはんなにー?」
「今日はご飯とお味噌汁と漬物かなー」
「えー。なんか少なくなーい?お味噌汁はなんのお味噌汁ー?」
「お麩のお味噌汁よ」
「えー、それだけー?パパ会社クビになっちゃったのー?」
「怖いこと言わないで?まだギリギリ大丈夫なはずよ」
翌日
「ママー、おなかすいたー」
「我慢してね。ママもお腹すいたわ」
さらに翌日
グギャルグルグルギュワルグルル グオオングオオンギュルー
「お腹が凶悪な音を奏でているわね。もうじき炊き出しをやってるはずの教会に着くから、我慢してね」
「‥‥‥うん」
「きっと今日は、クラムチャウダーが食べられるわよ」
「ママー、なんにも入ってないスープだけだよー?」
「仕方ないわよ。突然ミサイルが降ってきて、まだ何にも復旧してないんだもの。スープをいただけるだけでもありがたいわ」
「うん。おいしいけど、でもクラムチャウダーはー?」
「きょう、かいのスープ。なんちゃって」
「さむいねー。ママの作ったクラムチャウダーやお麩のお味噌汁が恋しいねー」
終