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6話 犠牲となった村

街外れの森にある小さな村。

 そこは結界が薄く、すぐに魔獣がよりついてくる。

 そこで村長が聖騎士団に魔獣の退治と結界の再展開を依頼した。

 団長は対魔獣戦闘を得意とする団員五人と魔導士二人を派遣した。

 その中の魔導士の一人がたまたまヴィーシェの知り合いで、私も補助で行くことになってしまった。

 村までは馬車で二時間、荒い道を通らなければ着かない。

「お姉ちゃん……は、吐きそう……」

「あと少しだから頑張って」

「遠くを見ていると良いみたいです」

 リエルの言った通り遠くを眺めてみた。が――

「うっ、み、道が悪すぎる……」

 どれだけ遠くを見ようが道が悪くて揺れるせいで全く効果がない。

「……」

 もう、限界……



「し、死ぬかと思った……」

「ヴィーシェがいなかったら本当に危なかったですね」

「まさか吐き気を止める魔法を使わないといけないところまで来てたとはね」

「い、いや……予想以上に、うぅっ……」

 何とか村までは付いたのだが、今は魔獣退治や結界の再展開どころではなかった。

 馬車に乗ったまま横になってお姉ちゃんに膝枕をしてもらって休んでいるところだ。

 魔獣退治は聖騎士たちがやっている。

 私はまだ動けそうにない。

 

 数時間立って動けるようになった。

 相当な時間がたった気がしたが、魔獣はまだまだいた。

「魔獣がこんなに……」

 その魔獣の量は軽く五百を超えているだろう。

 村への進行は止まっているが、聖騎士たちへ向かったいる。

 当然魔獣約五百体相手に聖騎士数人では太刀打ちできるはずもなく、負ける寸前というところだった。

「お姉ちゃん」

「あいよ」

「斬るのに集中したいからリエルは魔力制御をお願い」

「了解しました」

 お姉ちゃんからは風の加護。これで速度を上昇させる。さらに身体能力を魔術で強化させる。

 恐らくこの数の魔獣相手だとこれでもきついのだろう。

「秘剣・大地を照らす神々の(ディバインズアマテラス)

 光の刃でリーチを伸ばし、数十体を一掃する。

 さらに極限まで強化し、敵を一気に斬る。

 それは刹那の間に何十連撃も繰り出し、魔獣を圧倒した。

「あの少女がここまでやるなんて……」

 聖騎士ですら数に圧倒され苦戦を強いられていたのを、私が数秒で一気に数を減らした。

 数が少なくなると魔法や魔術を撃ち込んだり、連撃を繰り出したりしてすぐに終わらせた。

「これで魔獣は片付いたのかな?」

「うん。それにしてもノエルちゃん強くなったね~」

「ええ。前とは比べ物になりません」

「えへへ、そんなに?」

「前のマスターと今のマスターが戦ったら今のマスターが圧勝でしょうね」

「そんなに強くなってたんだ……」

 正直全く自覚がなかった。


※ ※ ※


「魔獣が倒されましたか……ここまでくると結界を再展開されるのももはや時間の問題ですね。いやでもいいものが見られました」

「あれがノエルかぁ。そしてその二対の剣は風聖剣・ヴィーシャルシェルヴィスとリエル様。面白そうな相手ねぇ」

「こいつを殺せば時期魔王は俺だ」

「さぁ? そううまくいくかしら?」


※ ※ ※


 結界の再展開は人間の姿に戻ったお姉ちゃんが術式を展開し、私はリエルにサポートしてもらいながらそれを発動した。

 結界はすぐに再展開され、村に近づいていた魔獣は森へ帰っていった。

 聖騎士たちは討伐、結界の再展開の代わりに村の修復作業をした。

「ふぅ、やっと終わったね」

「ノエルさん、ヴィーシェさん、リエルさん、ありがとうございました」

「いえいえ。それでは私たちは先に」

 お姉ちゃんもリエルも人間の姿になり、村を歩いて立ち去った。もちろん私も歩きで。


さて、何のフラグが立ったのやら

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