3話 天使と悪魔の魔法の練習
文庫本で1冊分書き上げたら消すかもです
まぁ可能性は相当低いですが
「ねぇ、フィーリスって人間界でも天使の力って使えるの？」
天使と悪魔は正反対だが、人間界とは別の場所に住んでいるということは変わらない。
たぶん力をうまく扱えていないのは私だけじゃないと思って聞いてみた。
「飛ぶくらいなら展開と同じようにできるですが魔法とか奇跡とかはうまく扱えないです」
よかった。フィーリスも同じだった。
「魔界も人間界も天界も魔力の流れが全然違うからね。魔力を使う事は何回もやって慣れないと別の世界ではうまく使えないんだよ」
「へぇ、じゃあお姉ちゃんはなんで魔界でも人間界でも魔法を使えたの？」
「なんでって言われても説明するのは難しいかな？」
「聖剣は特殊と考えたらいいです」
「あぁー、わかった」
要するに聖剣はよくわからない補正が付いていてどこでも魔法が使えるということなのだろう。まったく、羨ましい限りだ。
「二人とも魔法の練習でもしてみたら？ 三人も魔法が使える人がいるんだから」
「正確には魔術ですが」
「わたしは支援系の魔法しか使えませんけど大丈夫ですか？」
「ならちょうどいいね。リエルちゃんは補助と攻撃。私は攻撃と特殊。フィリアちゃんは支援。世界によって勝手が違ったりするからこの世界での使い方が分かってる人に教えてもらったらたぶん使えるようになるよ」
「とにかく人間界で魔力制御が出来れば何とかなります」
「リエルちゃんの言う通り、魔力制御さえできれば基本どんな魔法も魔術も使いこなせる。まぁ魔力量にもよるけどね。だからとにかく魔法を使って魔力制御に慣れないと。魔術はそのあと」
「はい、師匠！」
この日はフィーリスのことも考えて練習せずに寝た。
魔法の訓練は翌日から開始した。
まずは基礎魔法、身体能力の強化からだ。
この程度なら私も出来る。
と、思ったのだが――
「え？」
魔力制御がうまくいかず、極端な強化しかできなかった。
「まぁ、そうなるよね。えっと、足を強化するならまずは足に集中してみて。足だけに魔力を集中させて。行けると思ったら思いっきり飛んでみて」
「足に魔力を集中させて――飛ぶっ！」
軽く跳躍したつもりが数十メートルほど跳躍することが出来た。着地は感覚で。
衝撃を吸収するように。
「うんうん。あとは魔力を注ぐ量を調節できるようになればいいね」
足一点に集中してこうなったのなら足をメインに他の場所も見る。という感じでやればいいだろう。
足をメインに腕にも少し意識を配って飛んでみると、さっきよりも跳躍した高さは低かったが制御できた感覚はあった。
この感じで出来れば基礎は完璧だろう。
練習を始めて約五時間。
「ノエルちゃんは攻撃系魔法も使えるようになってきたね。けどまだ制御がし切れてない。逆にフィーリスちゃんは攻撃魔法とか支援魔法の制御は完璧だけど強化が全然できてない。ま、あとちょっとってところだね」
私はなんとか魔法を使えるまでにはなった。だが、まだ制御が完璧には出来ない。
正直戦闘は近接ばかりなので魔法を使う必要はないが、いざという時に役に立つから覚えておきたい。
フィーリスは魔力制御はすぐできるようになったのになぜか強化だけは出来ていない。まあフィーリスは弓を使った後方支援なので身体能力の強化はあまり使う事はない。
「よし、二人ともこれだけできるようになったんだし今日はもう大丈夫かな？ あと少し練習すれば実戦で魔法を使っても大丈夫そうだね」
お姉ちゃん、リエル、フィリアの指導で私たちはすぐここまでこれた。
「みんなお疲れー。帰ったらすぐご飯にするから待っててねー」
今日の練習はこれで終わった。
MF文庫の新人賞に応募するために書いている作品です
