3話 親友の一言
次の日の朝、いつも通りに起きた。昨日の出来事が嘘のように…。
学校に行く準備をして
「いってきまーす。」
といつも通り声をかけ、玄関を出た。
家の前でいつも通り待っている來叶。
「おはようございまーす。どうですか今の心境は?」
とにやにやしながら、からかってくる。
多分聞いてきているのは、昨日の転校生、櫻田 祭のことだ。
來叶は、僕の中学1年生の春の出来事を知っている。なぜなら、あの時、6クラスを一緒に探し回ってくれたのが、來叶だった。
「心境って言われても、まだ、びっくりしているよ。」
と心境というか、思っている事を言った。
「でもさ、昨日楽しそうに話してたよな。」
と來叶が言ってきた。
「見てたのかよ。」
「ちょっと、面白そうだなって思ってさ。で、何の話ししてたんだよ。」
「別に」
と突き放すかのように來叶に言った。
「教えてくれたっていいだろう?」
とまだ聞いてくる。
「ああ、もうわかったよ。」
と僕は言った。
すると、早く教えろよ。と目で言ってくる。
「よろしくって言われたから、名前言って、よろしくって言っただけだよ。」
と僕が言うと來叶が、
「名前の事、言われた?」
「女の子みたいだねって」
その瞬間、來叶が声を出して笑いだした。
「やっぱり、女子みたいな名前だもんな、しょうがないね。(笑)」
「來叶、僕は君に今すごく、殺意が芽生えてる。」
と來叶を睨む。
「やばい、やばい、からかい過ぎた。」
と來叶が言う
はぁーと僕は、ため息をつく
「でも、その後、もう一回話してたよね?」
急に、來叶が言ってきた。
僕は、びくんと思わず体が反応してしまった。
「なんだその反応。何かあったんだろう?」
「別に」
「そんなわけないよね。話し終わった後、机に突っ伏してたよね愛。」
と來叶が言った。
「まさか、ずっと見てたのか?」
「おう」
「はぁー、中学1年生の時のこと、聞いたんだよ。」
「どうだって?」
「覚えてないとさ。」
「それは、残念だったな。」
と來叶が言う。
「まぁ、でも一度しか会ってなかったしさ。」
僕が言う。そう仕方ないのだと僕は、思う本当に一度しか会ってないのだから…。
そう僕が思っていると、來叶がこんなことを言い出した。
「でもよ、愛が机に突っ伏してる時に櫻田さん、なんか笑顔だったぞ。」
「えっ?」
と言ってしまう
僕は、そんなに面白いことをした覚えも、言った覚えもない。
ならなぜ笑っていたのか。そのまま僕は、考えて込んだ。來叶が何か話しているが、頭の中には入ってこなかった。
結局、考えている内に教室に着いた。
僕は、席に向かった。もう僕の後ろの席が埋まっていた。
櫻田さんが座っている。
「おはよう!渡良瀬くん!」
と声をかけてきた。
「お、おはよう櫻田さん」
何気ない会話だった。
時間が過ぎ、HRが始まった。
連絡事項を言って、いつもならこれで次の授業に入るはず、だったのだが
「渡良瀬、お前、部活入ってないよな。」
と先生が言ってきた。
「はい、そうですけど」
と僕は言う。
「よし、それじゃあ今日の放課後、櫻田に校内を案内してくれ。」
と頼まれたのだ。なんで、僕なんだ?と思ったと同時に
「渡良瀬は、部活やってないし櫻田と席が前後だからな。」
となんかすごい妥当なことを言われ納得するしかなかった。
「よろしくね。渡良瀬くん。」
と後ろから、櫻田さんが声をかけてくる。
「僕でよければ、よろしく」
と僕は言った。
僕はここで、思ったことがある。來叶が朝、言っていたことを…。
そうして、僕、渡良瀬 愛は、櫻田 祭を放課後に校内を案内することとなった。
彼女の笑顔の理由を知るために…。
3話目を読んで頂きありがとうございます。
今回は、会話が多く申し訳ないです。
まだ、読みずらいところもあると思いますが、これからも読んで頂けると嬉しいです。
果たして、次回、彼女の笑顔の理由がわかるのか!?