第6話:俺、装備が手に入るようです!
俺はログインすると噴水前に向かっていた。
姉貴との約束で、一緒にプレイするんだ。
姉貴のプレイヤーネームは[Yurisu]というらしい。刀を使っているようで、結構有名だそうだ。
「あ、優月」
「ん?姉貴か」
「遅かったな?」
「ごめん、洗い物あったからそれ終わらせてきたんだ」
「あー、なんだ、その、済まないな」
「別にいいって。それよりも今日は何するんだ?」
今日は何をするかは特に決めてない。
だから出来れば俺のスキル上げを手伝って欲しかったんだけど………
「私はルナさえ良ければ、お前の装備を作りたい。私は鍛冶スキルを持っているからな。ルナは装備が手に入って、私はスキルLvが上がる、どうだ?」
装備か………
「素材とか、費用はどうするんだ?俺、持ってないぞ姉貴」
「ああ、素材に関してはかなり持ってるからな、大丈夫だ。費用にしても、今回は取らん。その代わりと言ってはなんだが、ルナの装備は私に任せてほしい。いいか?」
「え?そんなのでいいのか?何だか悪い気が………」
「いいんだ!な、頼む!」
「ちょ!?姉貴!?頭上げてくれ!いきなり何を!?」
「お前がいいと言うまで上げん!」
「わ、分かったから!分かったから頭上げてくれ!」
「そうか!ありがとうルナ」
そう言うと姉貴は悪戯っぽく笑った。
▼△▼△▼△
「ここが姉貴の店………」
「ああ、それじゃあお前のスキルを見せてくれ」
「え?あ、えーと………見せなきゃだめ、か?」
「ん、まあ使う武器と戦闘スタイルを教えてくれれば別にいいが………」
う、結局弓はバレるよな………うぅ~
「あ、姉貴。その、笑ったりしないよな?」
「! も、勿論だ!」
「だ、誰にも言わないよな?」
「あ、ああ!誰にも言わないぞ!
う、うぅ~。姉貴なら大丈夫だよな、うん。
「その、俺のスキルはこうなってるんだ………」
▼△▼△▼△sideユーリス
私は今日、昨日SLOを始めたばかりだという弟の装備を整えようと(勿論私好みに)思い、午後に一緒にプレイする約束を取り付けた。
どうやら弟は、諒貴君によってSLOをプレイする事になったようだ。
てっきり、何も言わないし、ゲームが好きではないのかとも思ったが、違うようだ。
………それにしても諒貴君はいい事をしてくれた!これで私好みに優月を着せ替えてスクショを………あ、いかん、鼻血が出そうだ。うむ、後でそのスクショは送ってもらわねばな。
「………」
「あ、優月」
「ん?姉貴か」
………うむ、我が弟ながら半端ない美少女っぷりだ。笑顔が眩しい………
「――つにいいって、それよりも今日は何をするんだ?」
む、そうだった。私は弟に装備を作らせてくれと頼み込む。
遠慮しているようだ。だが!弟をコーディネートするのは私だ………!
「ちょ、姉貴!?」
ハッ、必死すぎて無意識に頭を下げていたようだ。ああ、テンパってる弟も可愛いなぁ。
「わ、分かったから!」
よし、勝った!………何にだろう?まあ、いいか!ハッハッハ!弟を着せ替え人ぎょ………もとい、モデルに私好みにコーディネートしてやるぞ!
そうして私の店に来たのだが、スキルの事を聞くとどうも弟の様子がおかしい。どうやらスキル構成を知られたくないようだが………
「あ、姉貴、笑ったりしないよな?」
ッ!? う、上目遣い(私の方が背が高いのだ。弟は155ぐらいで、私は170ぐらい。密かに気にしているが、これをして貰えるなら別にいいか!)、だと!?ヤバい、これは………ヤバい!。
優月、無意識にやっているんだろうなぁ………
「も、勿論だ!」
「だ、誰にも言わないよな?」
「あ、ああ!誰にも言わないぞ!」
そう言うと、弟はスキル構成を教えてくれた………
▼△▼△▼△sideout
「………弟よ、辛い事があったのなら相談に乗るぞ?」
「し、死にスキルだって、知らなかったんだ!」
どうやら優月君のお姉さんは相当ブラコンのようですw
次回、ルナ君着せ替え!
ユーリス「リオ、よくやった!」
リオ「いやいや、こっちもアイツで遊ぶのは楽しいんで!」
ルナ「!?」ゾクッ