第3話:俺、ウサギ狩りします。
あの後俺はリオと別れ、最初のフィールド、アトラ草原に来ていた。
「………実質、戦闘で使えるのは短剣術に体術、隠密に索敵か………」
草原を進んで行くと、敵MOBが出てくる。ポピュラーに角が生えたウサギ、ホーンラビットだ。どうやらパッシブ状態のようだ。
「弓、使ってみるか………」
矢をつがえ、狙いを定め、放つ!
「………」
矢は大きく横にそれた。
仕方ない、今度は接近戦だ。走ってホーンラビットに近づくと、相手も気付いたようで、アクティブ状態になる。
「クィー!」
相手も角を前にして突進してくる。速いなウサギ!?
「うおっ」
咄嗟に横に避ける。すると真横をホーンラビットは通り抜け、少し先で止まる。そして今度は飛びかかって来る。これはしゃがめば簡単に躱せた。後はただそれをひたすら繰り返すだけのようで、だんだん余裕も出てきた。
「次飛びかかってきたらナイフで受けてみるか」
そして、ホーンラビットが飛びかかって来る。
「ハッ!」
「クィー!?」
すれ違いざまに攻撃を当てると、ホーンラビットのHPは3分の1ぐらい減っていた。
更に、どうやら今の攻撃で怯んでいるようだ。まあ、立ち直るのを待つ訳がない。ホーンラビットを蹴り飛ばす。
「クィー!?」
これで更にHPは4分の1程減り、簡単に倒せそうだ。………ウサギを蹴り飛ばすのは少し罪悪感があるが。
「クィー!」
また飛びかかって来るのを躱し、今度は横から殴りつけてみたり。蹴り上げてみたり。
「ク、クィー………」
程なくしてホーンラビットは倒れた。ガラスの様に砕け、光の花弁となって散る。
「いや、ホントにリアルだ。ヤバい、超楽しい!」
その後も俺はウサギ狩りを続けた。
▼△▼△▼△
「ふー、狩った狩った。ウサギ肉とか角とかいっぱい手に入ったー」
もうそろそろ日が暮れる。俺は一旦宿にいく事にした。
「すいません、1泊お願いしますー!」
「1泊10Gです」
今現在、初期金に加えウサギ狩りをしまくったので所持金は千G近くある。宿代を払い、部屋に行くとベッドにダイブした。
「疲れたー………スキル確認しとくか」
・長弓術Lv1・短剣術Lv3・体術Lv8隠密Lv1・索敵Lv4・疾走Lv5・超回復Lv1・闇魔法Lv1・錬金術Lv1・料理Lv1・歌唱Lv1
体術がかなり上がってるなー。てか、疾走Lv5なのに何も変わった気がしない………
ちなみに何個か短剣術と体術でスキルを覚えた。今度リオに見せてやろうかなー。
「ん、そうだ。錬金術試してみるか」
次回、ルナ君の容姿が明らかに!