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俺、VRMMO始めました。  作者: 黒狐
~~~第2の街・スフェル~~~
22/27

第21話:俺、山登りです!

「てぇぇぇやぁっ!!!【ナックルエッジ】!」


「ブモオオオ!!」


 牛と鹿を足した様なモンスター、ホルンバイソン。その横腹に俺はテクニックを叩き込んでいた。このモンスターは恐ろしい攻撃力と速さを合わせ持ったモンスターであり、何よりそのタフネスが面倒だ。中ボス一歩手前と言った所だろう。そしてそのモンスター相手に俺は一人で戦っていた。そう、1人で。


「リオ!そっちのはどうだっ!?」


「もうすぐだ!耐えろ!」


「ちっくしょー!!なんで3体同時に出てくるんだよ!?」


 そう、リオはなんと2体同時に相手にしていた。


「っしゃらぁ!【ハウル】!」


「「「ブモオオオ!!!」」」


「お、おい!?俺の分の奴もそっち行ったぞ!?」


「いい!見てろよ!【トライソード】!」


「「「ブモッ!!?」」」


 リオがテクニックを発動すると、3体のホルンバイソンの目を切り払った。そして―――


「終いだっ!【ブレードサークル】!」


 円を描くような刃に3体のホルンバイソンは首を切り落とされ、光の花弁になった。


「・・・」


「ふぃー、疲れたなぁ」


 ・・・すっかり忘れてたけど、初心者の俺と違ってリオは熟練プレイヤーだった・・・


「リオ、凄いなお前」


「いやぁ、俺からしたらお前の成長速度が異常に感じるぞ?お前、戦闘の恐怖ってのが全くないからなぁ・・・かなりのアドバンテージだろ、それは」


「そうかな?確かに戦闘は楽しいけど・・・」


 そう言うとリオは苦笑しながらいった。


「そもそも、1週間ちょいで第2の街のフィールドって、かなり早いぞ?」


「そうなのか」


「ああ、この調子ならいつか追いつかれそうだなぁ」


「あはは・・・」


 たわいない事を話ながら進んで行ると休憩地点についた。


「もう出てきていいぞ、リーラル」


「クィー♪」


リーラルが俺の執事服の胸元から顔をだす。危険だから今まで隠れて貰っていたんだ。


「クィックィッ♪」


「わっ、くすぐったいな」


「クィ~♪」


「ひゃっ!?何処舐めっ!?やめっ」


ぶばァっ!!!


突然休憩地にいたプレイヤーが血まみれになって倒れた。


「ど、どうしたんだっ!?」


「クィー!?」


「ル、ルナ………」


 声がする方を見ると、リオまで倒れていた。


「リオ!?大丈夫か!?」


「ルナ………グッジョブバァッ!!」


「リオーーーっ!?」


 何故か幸せな顔をして倒れていた男性プレイヤーを女性プレイヤーが汚い物を見る目で見ていた。一体何なんだ!?


▼△▼△▼△


「さて、それじゃどうする?このままFボス行くか?」


 復活したリオはそう聞いてきた。うーん………


「なあ、一回ソロで行ってもいいか?水晶人形の時みたいに何か貰えるかもしれないだろ?」


「ソロか………ここのボスはかなり強いぞ?マウンテンゴーレム。とても高い防御力と体力を併せ持つ奴だ。当然攻撃力もそれなりにあるしな」


「まあ、一回だけやってみたいんだ。それにZRC/KもLv6になって新しいテクニックも増えたしな」


「まあ、いいか。そしたら俺ももう一回倒してみるか。ソロで」


「ああ、そうしてみようぜ。なんか悪いな。せっかくのPTなのに」


「気にするなよ。さて、それじゃ行こうぜ」


「ああ、リーラル、また隠れていてくれ」


「クィー!」



▼△▼△▼△



 山頂には、いかにも、といったような巨大な石像があった。恐らくあれがマウンテンゴーレムだろう。とんでもなくデカい。


「………?石碑?」


 マウンテンゴーレムの前には石碑があった。手形のくぼみから察するに、これがボス戦の合図だろう。くぼみの下には謎の文字が書かれている。恐らく演出だろうな。


「うーん、少し周り探してみるか。他にも何かあるかも」


「クィ、クィ」


「ん?なんだリーラル。駄目じゃないか隠れてないと」


「クィー」


「あ、リーラル!?」


 リーラルは俺の胸元から飛び出して石碑を嗅ぎ始めた。


「?どうしたんだ?」


「クィー?」


 リーラルは石碑の謎の文字をじっと見ている。演出じゃ、ないのか?


「リーラル?読めるのか?」


「………クィッ」


 リーラルは頷くと俺の胸元に戻ってきた。


「何なんだ一体」


「クィー♪」


 ………何言ってるかサッパリ分からないな。


「はあ、とりあえず、ボス戦行きますか!」


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