第2話:俺、死にスキルばかり取りました。
「さて、ランダムはどうなってるんだ?」
どうやら外見は赤みがかった黒髪に赤目の様だ。微妙に厨二だなぁ。少し恥ずかしい。そしてスキルは………
「………は?歌唱?」
………いや、使い道ないだろこれ。え、効果は?
・歌唱
歌唱時に歌唱能力補正。
こ、これだけ?え?いや、何でもいいからってこれは…
「はぁ、まあもう決まった事だし考えても仕方ないか…。よし、気を取り直して諒貴探すか!確か噴水広場にいるって言ってたよな」
マップを確認すると町の中央にあるようだ。他にもマップには武器屋とか防具屋とかが表示されている。恐らくこの最初から表示されてる店はNPCの店なんだろう。プレイヤーの店は実際に行ってその場で登録しないと分からないようだ。
「お、居た!えーと、[Rio]ってプレイヤーネームだったよな。ん、アイツで間違いないな」
噴水前でムサい俺の幼馴染が片手剣とデカイ盾を装備して待っていた。ちなみに俺も既に長弓と短剣を装備してある。勿論初期武器だが。
「えっと、諒貴だよな?」
「ん?………優月か?」
「おう!」
「ルナってまた安易な…」
そう言うとリオは笑った。
「ところでルナ、お前どんなスキル取ったんだ?」
「ん、こんな感じだ」
そう言ってステータス画面を見せるとリオの顔はどんどん青くなっていった。え!?何!?何かヤバかった!?
「………なぁ、ルナ。お前SLOの掲示板とか見てるか?後、俺の送ったメール見たか?」
「いや、見てないけど………」
「………だよな。………マジか」
そう言うとリオはもう一度俺のスキルを見てため息をついた。
「えっと、ルナ、よく聞け。お前は………死にスキルを5個も取ってる」
………嘘でしょ?
「マジだ。メールにも書いてあったのに………マジで帰ったら速攻で始めたのな………はぁ、まず、長弓術。次に疾走。その次に超回復。そして闇魔法に歌唱………」
「………おいおい」
「えっとな、弓なんだが、当たらない。全くもって当たらない。遠距離っていうと銃系か魔法系の奴がほとんどだ。
んで、そのお前が覚えてる闇魔法なんだが、別名暗視スコープって呼ばれてる。その名の通り夜か暗い洞窟ぐらいでしか役に立たん。攻撃力は基本属性魔法最低だし、そもそも攻撃魔法自体が闇魔法は少ない。
疾走は少し走るのが早くなったか、ってぐらいで、それならLvを上げて速さを上げたほうがいい。スキル枠を一つ消費する程の物じゃない。
超回復は、大体1分でHP1回復する。強化していってもどうやら少数ぐらいしか増えてないようだし、ハッキリ言って意味はない。
歌唱は言わずもがなだ」
主人公はもう涙目ですねw