第14話:俺、ボス討伐します!
祝!3000Pt!皆様ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
「さて、それじゃ準備はいいか?」
リオが聞く。
「勿論だよ」
「………(コクリ)」
「大丈夫よ」
「同じく~♪」
皆が答える。俺は………
「だ、大丈夫、大丈夫!」
………なんとか、頑張れそうだった。リオの方を見て頷く。
「………そう言えば、ルナの戦闘スタイル見てないな。全部レイカの魔法で近づく前に倒しちまった。一応聞くが、今まで出てきたオークとかは倒せるか?複数の時はどうだ?」
「た、倒せる。複数の時も………うん、3体までなら倒せるよ。それ以上は逃げる」
「3体!?弓使いがソロでか!?………ああ、装備がチート並なんだったか、なるほど」
「チート並?」
「ああ、先月のイベントアイテムらしいが………」
そう言って性能を見せると、皆の顔が見事に引き攣っていた。
「これは………うん、絶対こんな序盤じゃバランスブレイカーだろ………防御が革鎧並の服ってルナちゃ………ルナ、オークからどのぐらいダメージ喰らった?」
「………そう言えば一回も攻撃に当たってないような?」
そう答えると更に皆の顔が引き攣った。
「い、一回も?」
「ああ」
「り、リオの幼馴染って、なんか色々と規格外ね………」
グウェンがそう呟いたのがやけに耳に残った。規格外って………
▼△▼△▼△
『アトラ森林のFボス、ヒュージインセクトとエンカウントしました。BBFを展開します』
「キシャアアア!!!」
「来るぞッ!」
俺は再びあのボスと戦っていた。悪寒がするが、皆がいるならまだ我慢できる。俺はヒュージインセクトに目を付けられる前に樹上に移動し、隠密とダークネスを発動する。
「ちょ、ルナ君ー?なんでそんな所に?」
「え?いや、突撃されたら嫌だし【パラライズアロー】!」
ネイトに答えながらも矢を放つ。
「【フォーススラッシュ】!ん?この矢は………ってまさかルナ!?あれ、ルナ何処だ!?」
リオが4連の斬撃をボスの正面から放つ。
同時、レイカの魔法がボスを焼き、ボスの動きを止める。
「嘘、あそこからボスに当てる!?弓ってそんなに命中率高いっけ!?」
「………【フレイムランス】、どういう事?弓って死にスキルだよね?」
「うぁぁ………いっぱい練習したらスキルLvが20超えたし、だ、だからじゃないのか?【パラライズアロー】【パラライズアロー】」
「うん?麻痺?ルナかよ!?【大切断】!」
ローグは側面から回り込み、上手く捌きながら脚に攻撃を加えている。
「あれ、ルナ君にボスが気付かない?普通あれ程当たったら気が付く筈なんだけど………【エリアヒール】!」
前衛二人のHPが減るたびにネイトの回復が入り、とても安定している。突撃してきても、当然グウェンが通さない。
喋っている間もボスのHPはどんどん減っていく。もう半分を切った。うわぁ………皆驚いてるけど、皆の安定力の方が異常だよな………
ひっ!?ローグがボスの足切り落としたぁ!?グロイよ気持ち悪いよぉぉぉおおお!!!
「【シールドバッシュ】! ルナ、今何処にいるんだ?」
「【パワーショット】、き、木の上だ。ひあっ!?グチュッって脚が気持ち悪いよぉぉぉ」
叫び声こそ出さないものの、気持ち悪いものは気持ち悪いのだ。
しかし矢を放つのは止めない。なぜなら早く倒さないと気持ち悪いから。なんで皆大丈夫なんだろう………?
「いや、ゲームだから」
「………元々平気【フレイムウォール】」
「さいですか………」
そして、ボスのHPが3割を切った時だった。
「キシャア!」
―――グチュリ
「ひぅ………!?」
なんと、ボスの腹を食い破り幼虫が這い出てきたのだ。
「よし!ローグはヒュージワームを頼む!」
「了解!」
当然リオPTは皆知っていた訳だが、俺は知らない訳で………
ブチッ
―――俺の中の何かが切れた。
「………」
「ルナ!?」
樹上から幼虫目掛けて飛び降りる。
「………【踵落とし】」
「ピギー!?」
「【ツインナックル】」
二連の拳を幼虫の腹に叩き込みボスの方へと飛ばす。
「キシャアアア!?」
「ピギッ!!!」
皆は俺の変わり様にポカーンとなっている。だが今の俺にはそんな物は目に映らない。
「害虫は、駆除………!!!【パラライズアロー】!!!」
麻痺矢を放ちながらボスへと駆け寄る。
「ちょ、ルナ!?」
「………【アームドランス】」
ボスの振り向きに合わせ、テクニックを叩き込む。それはボスの頭部へと吸い寄せられる様に当たり………
ズチュッ
「【アームドランス】」
「キシャァァァァ………」
クリティカルエフェクトと共にボスの残りHPを削りきっていた。そして振り返りざまに………
「【パラライズアロー】、リオ、早くそのゴミを殺さないと、ほら早く、害虫は駆除しなきゃなんだよ?早く殺さないと、ほら、早く早く、ね?リオ」
「え………」
「ああ、そっか。諒貴は優しいからあのゴミも殺せないんだよね?ならボクが駆除してあげないと。【パワーショット】【パワーショット】【パワーショット】【パワーショット】【パワーショット】【パワーショット】【パワーショット】【パワーショット】【パワーショット】【パワーショット】あははははははははっははっはははははははははっははははははははははは!!!」
「ゆ、優月?」
幼虫に矢が絶え間なく突き刺さっていき、HPが無くなった後も光の花弁となるまでその体に刺さり続けた。
『Fボスが討伐されました。BBFが解除されます』
▼△▼△▼△
「………ハッ、あれ、皆どうしたんだ?ボスは?」
気付くと、ひと塊になって広場の隅から皆に見られていた。
「い、いや、そのな」
「ルナちゃ………ルナってキレると途轍もなくコエェェ………」
「………修羅」
「ヒッ………」
「に、人間って追い詰められると怖いねー♪………あ、あはは」
「?」
はい、人間追い詰められると何でも出来るもんです。そして何故か笑えてくるもんです顔面に張り付いてきたセミを握り潰したりとか………
い、いえ?さ、作者じゃありませんよよよ?
ちなみにルナのボクは二重人格じゃありません。素のが出ただけです。ルナ君は本当はボク、~~~だよぉ、と気が抜ける様な喋り方なのです。男らしくなるために今の喋り方に頑張って変えたようです。




