番外編 過去ゆえの現在(いま) 中編
2500PVと500ユニーク突破大変ありがたいです!
初期目標が100PV10ユニークだったので、ちょっとビックリです。
少なからずお目に止めていただいてる事がとてもありがたいです。
完結まで頑張ります!!
そして遅れましたが中編です!!
前後編の予定がまた覆りました
だってなんか長くなるんですよ。
なにこれ呪いですか。
ということで前中後編となります
※ 10/13 PM 21:48 文章追加
PPP!!!PPP!!!
「う~ん……うるさい……」
PPP!!!PPP!!!
「んがああ!!やかましい!!」
PPP!!!PP…
「…んあ?」
なんだろう
わたしの愛用の目覚ましが机から落下して壊れてる
「ん?なんで落ちてるの?…まさか幽霊!?」
それだったら会ってみたい。
霊体っていうのはどういう気分か聞いてみたいな
「んなわけないか、あ~あ、また新しいの買わなきゃ。…ちょっと気に入ってたヤツなのに」
朝からお気に入りが壊れるとは、縁起が悪い
『美紀~?起きてるの~?』
と、そんな事を考えていたら、
扉ごしでお姉ちゃんが声を掛けてきた
「起きてるよ~!」
『おお、起きてた。時間大丈夫~?』
「時間?…げっ…」
壊れた時計が示していたのは8時20分
わたしが壊してしまう直前までは時を刻んでたはずなので、正確なはず
『入るよ~?』
硬直していたわたしを余所にお姉ちゃんが部屋に入ってきた
「その顔はやっぱり時間駄目だったか」
「い…いや…走れば…なんとか?」
「美紀が足速いのは知ってるけど、さすがに10分じゃ学校行けないでしょ」
「うぅ…ですよね…」
こうやって話してるうちにも刻一刻と時間が経っていく
どうしよう、今日はテストだ。
今日と明日のテストでお姉ちゃんの鼻を明かしてやるつもりだったのにどうしよう、
絶対間に合わない
他が良くても一つだけ0点とか示しがつかない
どうしよう
「仕方ないなぁ。ちょっと待ってて」
そういい残してお姉ちゃんが下に下りて行った
「う~ん…と…取りあえず着替えよう…」
着替えないことには、どうにもならないし
「あれ?制服どこしまったっけ…あれ?」
昨日しまったはずなんだけど…
「あ、あった。なぜ制服がカバンに?」
取りあえず制服はゲット
「さて、さっさと着替えちゃおう」
制服への着替えなんて簡単だ
寝巻きを脱いでTシャツを着てスカートはいておしまい。
これが冬だったらちょっと面倒だけど、夏だからね
「美紀~?お、着替え終わってるね」
なにやら楽しそうなお姉ちゃんがホクホク顔で戻ってきた
「あ、お姉ちゃん。なにしてたの?」
「いやいやちょっとね。さ、テスト頑張ってきなさい。あ、ゆっくり行っても大丈夫だからね?」
「え、なんで?もう遅刻確実の時間だよ?」
「いいから、いいから。」
そういいわたしの背中を押してくるお姉ちゃん
「え?……え?」
「は~い、行ってらっしゃ~い」
いつの間にか玄関に
「え?…あ、カバン」
「はい、どうぞ」
お姉ちゃんがわたしのカバンを差し出してくる。
「え、あ、ありがとう」
「どういたしまして」
「じゃ、じゃあ行ってきます」
「はい、行ってらっしゃい。」
お姉ちゃんに見送られながら登校。
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そういえばお姉ちゃんに見送られるなんて久しぶりだな。
これだけは遅刻に感謝
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「す…すいませ~ん。5-3の瀬川ですけど~」
遅刻カードなるものを取りにちょっと常連になりつつある職員室に入る
「ああ、瀬川さん。校長先生からお話は伺っています」
「え?話?校長?」
「取りあえずこちらへ」
「え?…え?」
なに?この展開。今日は混乱続きだ
「校長先生。入ります」
先導してくれた事務の先生に続いて校長室に入る
「し、失礼します」
わたし校長に呼ばれるような事何かしたっけ?
「ああ、瀬川さんですか…わかりました。旭川先生は下がって大丈夫ですよ」
「失礼します」
そういい残し、旭川先生というらしい人は退室した
「………え、えーっと…それで、校長先生?」
「はい?」
「わたしはなぜここにいるのでしょう?」
「あら、お姉さんから説明は受けてないかしら?」
首を傾げつつ尋ねてくる校長先生
言葉遣いはキレイだけど、なんか子供っぽい
見た目は結構綺麗な女性なのに
「特には…」
「あらら…優樹奈さんってば、そういうところは抜けてるのね」
「抜けてるというか、秘密にされたというか」
「つまりは驚かせたかったのね、優樹奈さんは」
「た、多分」
「やっぱり可愛いわね、優樹奈さん」
なんでか、校長先生はお姉ちゃんを良く知ってるようだ
……なんか気に食わない
なんでだろう
「あら、妬いちゃった?」
「べ、別に。」
「ふふ、拗ねないの。取りあえず、一時間目が終わるまではこの部屋に居て貰っていいかしら?」
「なんでですか?」
「一時間目はあなたがわたしに呼ばれたって事にして、0点だけは回避させてあげる」
「え、校長先生が一生徒にそんな配慮しちゃっていいんですか?」
「優樹奈ちゃんには借りがあるのよ。その返しの一つね」
「借り?」
「なーいしょ♪」
ウインクしながら人差し指を口元に当て笑い掛けてくる。
……なんか気に入らない
「内緒…ですか」
「そ、内緒。美紀ちゃんだって、お姉ちゃんに内緒にしてて、友達には教えてることとか、あるでしょ?」
「そりゃまぁ…」
「それを第三者が勝手に秘密にしてる相手に教えちゃったら嫌でしょ?」
「それはそうですよ」
「つまりはそういうこと。だから内緒ね?」
「はぁ…」
「まぁ、一時間目の終わりまではあと20分くらいあるし…ココアでも飲む?」
「い、頂きます」
校長室にココア…
「そんな緊張しなくてもいいわよ。年上のお姉さんと話すくらいの気ぐらいで」
「は、はぁ…」
いや、校長先生って立場はそんなものじゃないでしょう…
「はい、どうぞ。砂糖とかはテーブルの使っちゃっていいから」
「どうも…」
「それじゃあ暇だし、校長先生と生徒の楽しい個人面談でも始めますか」
「は?」
「ふふ」
そういって校長先生は不適に笑った
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「個人面談?」
「そ、書類とかも終わらせちゃってるしホントに暇なのよね」
「いや、暇は分かりますけど、なんで個人面談なんですか?」
「私の知らない優樹奈さんを教えて欲しいから…かしら?」
む…まただ。またこの嫌な感じ
なんなんだろう
「別に、特別な事なんて無いと思いますけど」
「どうかしらね。じゃあ、変わりにあなたの知らない優樹奈さんを提供しましょう」
わたしの…知らない
「あら、乗り気になった?」
「ちょっと話そうかなって思っただけです」
「まぁ、それでもいいわ。そうねぇ…優樹奈さんって家じゃどんな風なの?学校での優樹奈さんしか知らなくて」
「逆にわたしは学校でのお姉ちゃんを知らないんで、比べられないです」
「一年しか違わないのに、学校で会ったりしないの?」
「会いません。なぜか」
「ふーん…じゃあ簡単に学校での優樹奈さんを教えてあげる」
なんか上から目線でムカつくな
上の人だけど
「成績優秀で先生達からの信頼もかなり厚い。その上校長先生に借りも作ってる。」
「……」
「クラスでは委員長を務めて、クラスの揉め事面倒事の時もまとめ役」
「頼み事をされても嫌な顔せず二つ返事でやっちゃう」
「人当たりも良くて、面倒見も良い」
「……」
「…さて、あなたがテストを頑張って驚かせようとした相手のレベルだけど、どう?」
「な、なんでそれを」
「普段遅刻の多いあなたが今回のテストだけは、直前で遅刻0なんて珍しすぎるでしょう」
「それは…そうですけど」
「それで?家での優樹奈さんってどんな感じなのかしら?」
「え、えーっと、その、面倒見が良いっていうのは…同じだと思いますけど…」
「けど?」
「それ以外は、特に家では…」
「でしょうね、家でもこんなんだったら堅苦しすぎるでしょうし」
「…分かってたんならどうして聞いたんですか」
「憶測じゃなにもわからないままじゃない?だから丁度良いし妹のあなたの口から直接聞きたくて」
「そ、そうですか」
「ええ、そうよ。それじゃ、あなたの番。なにか聞きたい事はある?」
「え。うーん…」
聞きたい事……あ
「その、なんで校長先生はお姉ちゃんにそんなに親しげなんですか?」
「私は誰にでもこんな感じよ?」
「なんとなくそういうのは分かりますが…なんていうか…他の人への態度とは何か違うんじゃないかなって」
「以外と鋭いのね。そうね…これは一方的だけど、優樹奈さんを私が"気に入ってる"から。それが理由かな」
「"気に入ってる"?」
「そう。"気に入ってる"の」
「それってどういう…」
何か大事な部分に触れようとしたとき
『一時間目のテストを終了します。休み時間は15分です。』
放送が入り、わたしの声がかき消されてしまった
「あら、もうそんなに時間経っちゃったのね。楽しかったわ、美紀ちゃん」
「待ってください!まだ聞いてない事が!」
「時間切れよ。またの機会にね」
「でも!」
「それ以上聞いたらお姉ちゃんのお願い、取り消しちゃうわよ?お姉ちゃんの善意を無下にしちゃっていいのかな?」
「っ………」
「ふふ、意地悪しすぎたかしら。そう遠くないうちにまた話せる機会がくるわよ。」
「なんでそんな事がわかるんですか」
「ただの勘よ。当たりやすいとは言われるけどね」
「………」
「ほら、もう休み時間10分しかないわよ」
「わ、分かりました」
結局大事な事は聞けずに、もやもやとしたものを抱えたままテストに赴くことになってしまった。
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「終わったーー!!!」
今日の6時間分のテストが終わった
一時間目はやってないけど、明日一時間余分に取ってわたしだけやらせてもらえるらしい
補修という名目で
「考えたら、特別扱いというか、周りからしたら落ちこぼれだよね」
「何が落ちこぼれなのかしら?」
「ん?…うわ!さとっち!?」
いきなり真横にいるからビックリした…
「そんなに驚かれると心外なのだけれど」
「ご、ごめん。考え事しててさ」
「そ。テストはどうだった」
「大丈V!!昨日遅くまで勉強してたからね!今回は期待出来るよ!」
「美紀がそこまで勉強で自信満々なのも珍しいわね。ともかく、心配ないなら良かったわ。帰りましょう?」
「おうよ!帰りやしょうぜ姉御!」
山賊の下っ端っぽくさとっちに声を掛ける
「誰が姉御よ誰が」
「え?さとっちだよ?」
何を当たり前の事を
「そんな当たり前みたいに返されると何も言い返せないわね」
「ドヤ!!」
「さようなら」
「あー!!待ってよ~~」
しまった、やりすぎた。
置いてかれた
「ふふ、冗談よ。さ、帰りましょう」
「うん!」
差し出されたさとっちの手を取り、一緒に帰る。
さぁ!帰ってお姉ちゃんにテストの報告だ!!
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さて、美紀は無事にテスト受けられたかな?
「なんか頑張ってたし、良い結果が出ると良いね」
そう一人呟く
ん~、何か忘れてる気がするんだけどなぁ
「あ、私自分のテスト……」
これはまた先生に働いてもらわねばいけなさそうだ。
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前書きでも言いましたが、
2500PV500ユニーク突破本当にありがとうございました!!
なるべく早く後編も上げたいと思います。
あと僕の「近日中」って言葉と「なるべく早く」って言葉程信用ならないものはないですね