5. 朝ごはんには白米。パンなんて邪道
「うー…ん……ん?朝?」
普段はやたらうるさい目覚ましで起きるのだが、今日は気分良く起きれそうだ。
「ふぁ……うーん、眠い…やっぱりいつもより、30分も早いじゃないか…」
いつも叩きのめす目覚ましを今日は優しく手に取り、そう呟く。
「まぁ、早起きは三文の徳って言うし……よいしょ!」
自分にそう言い聞かせながらベッドから立ち上がる
「そういや今日は水曜日だっけか」
水曜日は私が料理当番なので、早起きして正解だった
「うんうん、三文の徳三文の徳」
何か得した気分だ
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「といっても何か手の掛かるもの作るわけじゃないんだけどね」
朝食からガッツリいくと昼食が入らない。
絶対入らない……美紀は知らないけど。
「いつもどおりで良いか」
ベーコンエッグに白米。
あと味噌汁で終わり
「簡単だし美味しいし、卵料理は最高ね」
ちなみに私は朝ごはんには白米だ、パンなんて邪道。
喉つっかえるし、いちいち焼かないとだし面倒くさい。
「完成!」
と、考えてるうちに完成
卵料理なんてそんなもの。
味噌汁も、昨日の夜のやつ温めただけだし。
「美紀は……やっぱり起きてこないか」
普段美紀は大体7時頃に起きてくる
私が普段6時30起きで今日は6時に起きたから
「早く作りすぎたな」
今の時間は6時30分、さすがに早すぎる
「美紀を無理に起こすか、私だけ先に食べるか…」
一緒に朝ごはんを食べないと美紀は拗ねる。
可愛いけど、ちょっと面倒くさい
「ラップして後で一緒に食べるのもいいけど、再加熱がなぁ」
レンジにするとせっかく半熟で作ったベーコンエッグの黄身が硬くなって、
パサパサしてしまう。
「仕方ない、美紀起こしに行くか…」
申し訳ないけど、美紀には起きてもらう。
美味しいベーコンエッグの為に
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「美紀~?朝だよー起きてー」
ドアをノックしながら中に居るであろう美紀に呼びかける
「美紀ー?開けるよー?」
返事が無いので、直接起こそうと部屋に入るが
「あれ?」
何処行ったんだろう?
トイレかな?
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「居ない」
トイレにも居ない
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「あれ~?」
お風呂にも居ない
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「もしも~し」
当然、青い猫型ロボットじゃないし、押入れになんて居ない
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「う~ん、どこ行ったんだろう?」
思い当たる節は捜し終えて、居間に戻ってきた
「まさか、こんな早くに登校した?いやいやまさか」
家中回るのに結構時間を使ったけど、まだ7時
学校には8時30分に着けばいいし、まだ早い
「ん?」
なんか焦げ臭い
「え、何?火事?」
いや、火事だったら家中回ってるときに気づいてる
「台所…は違うな。」
台所だったらもう私がおしまいだ。
目の前なわけだし、消火器は家に常備してない
「庭?」
庭に何か黒い煙が舞っている
「庭で何か燃えてる?」
庭には普段、何か必要無い物が出た時に燃やす用で、
ドラム缶が置いてある。
燃えてるとしたら、それかな?
「はぁ、面倒くさい」
そう呟きながら、窓を開けて庭に入った私が見たのは、
「美紀?」
何かを燃やして、その目の前でブツブツと何かを言い続けてる美紀の姿だった。
「…?あぁ…お姉ちゃん…お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」
こっちに気づいた美紀は私を呼び続けその場に留まってる
「み、美紀?どうしたの?」
声を掛けつつ近寄る。
「お姉ちゃん…わたしのお姉ちゃん…わたしだけのお姉ちゃん…」
何か、美紀が怖い
「美紀!」
大声を上げ、美紀の肩に手を置く
「っ!…お姉…ちゃん…?」
そう言って、美紀は倒れた。
ちなみに、作者は普段7時50分起きです。
いつも時間ギリギリです。何やってんでしょうね
※ 学校到着時間9時表記→8時30分に変更