3. お風呂場にてエマージェンシー。SIDE:美紀
1話の美紀視点になります。
最初の導入部分にベッド内での優樹奈と美紀の会話有
風呂場での会話描写はあえて削ってあります。
いつか番外編みたいなので投稿するかも。
※9/1 AM6:19 文章追加
9/8 PM14:12 矛盾点解決
10/11 AM5:28 文章一部改訂
2/13 AM1:33 設定を基準にした改訂 及び 大幅な文章訂正
ベッドに入り、体感15分。
眠気も中々来ないので美紀と他愛もない話をしていた時、
美紀が唐突に変な事を言い始めた
「にしてもお姉ちゃん?」
「なに?」
「お姉ちゃんの胸ってさ、なんで大きいの?神様の差別?お姉ちゃんがわたしの胸にいく栄養も取ってるの?」
「は?」
「いやだってさ、理不尽なくらいに差があるでしょ?わたしはAカップ。お姉ちゃんは触診でDカップ」
え、なんで当たってるの
「お、ズバリ?やったね、わたしのお姉ちゃん探査アームの調子は良好なようだ」
「なにそのお姉ちゃん探査アームって」
「お姉ちゃん専用の触診特化の腕の事だよ~~、にへへ、とりゃぁ!」
「きゃぁ!?」
美紀がお風呂場の時とは違い真正面から胸を触ってくる
「くそ!この胸か!この胸がわたしの栄養をもっていくのか!このっ!このっ!」
「ちょ、美紀!?やめ、んっ、やめなさいって!、んぁ、こら、やめ」
「くぬっ!くぬっ!………ん?お姉ちゃん?」
「……」
「もしも~し?あ、顔真っ赤、お姉ちゃん可愛い」
「美紀?」
「はいなんでげしょ」
「正座しなさい」
「ふっ、だが断る!!」
「……」
「……」
「美紀、正座しなさい」
「ふっ、だが「正座しろ」はい!」
美紀が元気よく正座したので私も起き上がって美紀を見る
「さて、美紀?」
「はい」
「あなたにこんな事を仕込んだのは誰かしら?」
「仕込んだって?」
「だっていきなりじゃない。その…胸触ってきたり、も…揉んできたり…
ってみ、美紀!?大丈夫!?」
「いや、別に。続けてください」
ちょっと言ってて恥ずかしくて顔を伏せて、次に顔を上げたら美紀が鼻血を出してた。
いきなり鼻血なんて本当に大丈夫なのかな…
でも、ティッシュで鼻を押さえながら続きを促す美紀は
少しだけ面白いな
「大丈夫なの?」
「うん」
「ならいいんだけど…で、えーっと…も…揉んできたりとかしたじゃない?」
「しましたね。良い感触でした」
何か言ってるけどシカトしよう
「それで、いきなりだけどあの美紀がいきなりそんな事してくるなんて思えないし」
美紀はやんちゃで元気が一杯だけど、優しいのだ。私が嫌がりそうなことを率先してやってくるとは思えない。
「そんな美紀だし、誰かにこうしたらいいかもよみたいに言われたんじゃないかって」
「さすがお姉ちゃん。察しがいいね」
「あれ、隠したりしないの?」
「うん、だって相談しただけだし、相手はお姉ちゃんの知ってる人だし」
「襲えって言われたんでしょ?里美ちゃんに」
「そそ。うーん、どこから話したもんかなぁ~~」
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わたしが姉にセクハラを行うなどという奇行に走った理由を説明するには、
その日の学校の昼休みに戻る。
「ねぇねぇさとっち」
わたしは学友の一人である内原里美、
通称さとっちに相談があり、話しかけた。
もちろん、一緒にお弁当を食べようと思ったので、弁当片手にだ
「ん?なに、美紀」
読んでいた本から顔をあげ、こっちに顔を向けるさとっち。
いつも気になるのだが、なんの本を読んでいるんだろう?
本屋さんで無料でしてくれるようなブックカバーがしてあって
表紙が見えない。
むむむ……
「な、なに?」
「うーん……見えない。さとっちいつも何読んでるの?」
もう少し透けても良いようなものだが、まったくもって見えない。
一応視力は両目A・Aなんだけどなぁ
「内緒。女性はミステリアスな方がいいのよ」
「たかが本でミステリアスって言うのもなぁ~?」
もっと秘密が一杯、不思議が一杯、みたいなのをミステリアスっていうんじゃないのかな?
「本は読む人の人格が現れるものだと私は考えるわ」
「そういうもの?」
「そういうものかもしれないわね、だから見せてあげない。
それで?美紀はどうしたの?」
おっと、用事を忘れていた
「んっとね、最近お姉ちゃんに触れてなくて不満です。どうにかしてください。あと一緒にご飯食べよう」
「このシスコン。ご飯は食べましょう。」
「うっ!…いいもん、シスコンだって。」
「それを大っぴらと口にするものではないわ。あまり好かれないわよ」
「わかってるも~ん」
「ホントに分かってるのかしら…でもなんであなたそこまでお姉さん好きなの?確かに綺麗な人ではあるけど」
「妹がお姉さんを好きで何か変なの?」
「いえ、別に変ではないけれど…」
「それに同性愛ってわけじゃないんだしさ~。ただのシスコンならまだ良くない?」
「何度聞いてもあなたのは…まぁ、いいわ。
でも同性愛もそこまで軽蔑されるようなものではないと思うけれどね」
「そうかな?」
「少なくとも、私は特に偏見とかはないわね」
「え~、初耳」
「だって同性愛って、世間の風潮に捉われず、自らの愛する人を追いかける人達でしょ?それって素敵じゃない」
「素敵なの?」
「素敵よ。世間の風潮を気にして恋をするっていうのは『その人を愛してる』んじゃなくて相手の『性別を愛してる』んでしょ?
それなら自らの愛する人を追っかける人の方が尊敬するし、輝いてるわ」
「ん~?」
時々さとっちの言うことはよくわからない。
「簡単に言えば、恋愛に周りの人がどうこうっていうのを含めてる間は、つまらない恋愛しか出来ないし、実ってもすぐ腐るってことね」
「さすがに偏見が入ってると思うけどなぁ~」
苦笑いですませよう、うん。
まったく分からない。
「個人の考えなんて偏見がない方がおかしいわ。個人で捉え方が違うんだから。100%の理解は不可能よ」
「さとっちって時々思うけど、本当に高1?同じ年齢なのかわたし不安になってきたよ」
「ふふっ、言ったでしょう?ミステリアスなのが良いって」
笑い方も高1にはあまり似合わない感じだけど、さとっちがやると上品に見えるから不思議だ。
「そうね、あなたの相談にはご飯を食べながらでも答えましょうか」
「ありがとう~!!さとっちに頼んでよかったよ!!」
反射的にさとっちに抱きつく
もちろん弁当は机に置いてからだ
「力になれるのなら幸いだわ」
「なれるなれる!さとっちがいれば百人力だよ!!もう大好き!!」
「っ!」
ん?さとっちの顔が真っ赤だ
「さとっちどしたのん?大丈夫?」
「だ、大丈夫よ。ご、ご飯食べましょう?あ、あと顔が近いわ」
おっと抱きついたままだった
さとっちの身長もお姉ちゃんより少し低いくらいだから、抱きつきやすいんだよね
「おっと、ごめんね」
「あ……」
「?」
「い、いや、大丈夫よ。さ、食べましょう」
ん?普段のさとっちに戻ったぽいけど、顔が赤いままだ。
まぁ、本人が大丈夫って言うから大丈夫なんだろう。
そうして、私の相談事は食べながらということになった。
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「それにしても、あなたの抱きつき癖はどうにかならないの?」
「むあ?」
おっと、口に箸を入れたまま喋ったせいか変な声になってしまった
「んぐっ!?」
っ!喉にご飯がぁ!?!?
「はぁ~、はいお茶」
さとっちが出してくれたお茶を目もくれず取り、一気飲みする
「あ…渡すほう間違えた…それ…私の……」
「はぁ~、助かったぁ~。ありがとねさとっち。ん?どしたの?」
「い、いえ、何でもないわ。それで?癖は直らないの?」
若干不機嫌そう。わたしなにかしたかな?
いつもの柔らかな雰囲気の顔が憮然としたものになってる
「う、うーん。これは癖っていうか、わたしより身長が大きくて手頃な位置に手がいきそうな人が居たら、取りあえず抱きついてるだけだしなぁ」
「それを人は『癖』と呼ぶんじゃないかしら」
「これは癖なのかな?」
「はぁ~………それより、お姉さんと遊びたいんだったわね」
「遊びたいんじゃなくて、触れたいの!」
「……そうですね、美紀さんはお姉さんに触れたいんでしたね」
「え、なんで知人行儀?」
「知人行儀ってなんですか?他人行儀じゃないんですか?他人行儀なら分かりますが知人行儀ってなんですか?
私聞いたことありません。美紀さん凄いお言葉をお知りなんですね?無知な私に教えていただいて結構でしょうか?」
「いや、その」
「あぁ、天才(笑)の美紀さんの語る言葉は私のような情弱畜生如きには理解できませんね。お時間をいただいてしまって申し訳ありません。
どうぞお食事をお続けになってください。」
「いや、その、さとっち?」
「なんでしょうか美紀さん」
「なんか怒ってる?」
「怒ってる?それは憤慨という意味でしょうか?まさか、情弱畜生の私が、貴方様に怒りを覚えるなど」
「畜生って…」
「くすっ、冗断よ。本気にしちゃって可愛いわね」
「え?冗談?ホント?さとっち怒ってない?」
「"もう"怒ってないわよ」
やっぱり怒ってたんだ…!
怒ったさとっち怖かった……
「な、ならよかった。」
「それで、お姉さんに触れる方法だけど」
「!!うんうん!」
「お風呂に入ってるときにでも襲っちゃいなさいよ。」
「お、襲う!?!?」
予想だにしない発言で思わず席を思いっきり立ちつつ大声を上げてしまう
「ちょっ!声が大きいわよ!」
「ご、ごめん」
さとっちがさすがに注意してくる。
そ、そりゃ襲うなんて聞こえたら皆こっち見ますよねぇ~…
振り返ればクラスの大半がこっちを訝しげな眼で見ていた。
「あ、あはは…」
愛想笑いをしながら再び着席
それから少し黙ってたら、クラスの面々は興味を失くしたのか各々の時間に戻っていった
「もう、面倒事起こさないでよね」
「ご、ごめん」
「それで、続き。いいのかしら?」
「う、うん」
これ以上聞くのはなんか恥ずかしい気がするけど聞こう。
自分から聞いたんだし聞かなきゃ
「襲うっていっても、そんなヴァージン捨ててきなさいって言ってるわけじゃないのよ?」
「ヴァージンって?」
「ヴァージンって言うのはまぁ、あれよ。」
「ん?」
「お母さんに聞きなさい」
「ん?わかった」
「まぁ、普通にお姉ちゃん一緒に入ろうくらいでいいのよ。」
「この年になって一緒にお風呂?」
「あら、お姉さんの裸に興味はないのかしら?」
「さとっちって普段ミステリアスなのに、たまにおじさんっぽくなるよね」
「良く言われるわ」
「はぁ」
「んで、理由つけて身体の洗いっこなんてすれば一応願いは叶うでしょ?」
「なんか違う気が……」
「そんな恋人とかじゃあるまいし、直接なことはできないでしょ」
「そうだよねぇ~。ありがとねさとっち」
「いえ、力になれてればいいのだけれど」
「十分力になってるよ!!ありがとね~!」
そういってまた抱きつく。
「っ!…それなら良かったわ。じゃあ、ご飯片づけちゃいましょう。」
「そうだね。話してばっかりで今日はまだあんまり食べれてないしね!」
そう言いあった直後昼休み終了のチャイムと同時に5時間目の教師が教室に入ってきて、
これにはもう二人して苦笑いだった。
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「よ、よし……いくぞ」
場所は自宅のお風呂場前
学校でさとっちに教わったやつを実践しようかという時なのだ
「一緒に入るって言うだけ一緒に入るっていうだけ……」
まるで念仏のように唱えながらお風呂の扉まで進んでいく
「あれ?お姉ちゃん、もう洗い終わっちゃったかな?」
シャワーの音とか、身体洗ってる時の癖の鼻歌も聞こえない
もしそうだったら作戦は開始前から頓挫したも同然だ
いや、もしかしたらいまから洗うのかもしれない。
いや、でもお姉ちゃん入ってから10分は経ってるし、
あんま長く入るとお姉ちゃん身体壊すし……
「ええい!!いちかバチか!」
ゴー!!
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入ったはいいが、そこで見たお姉ちゃんの裸体を前にしたわたしは少し意識が飛んでいた。
記憶がハッキリしてるのは後頭部をお母さんに叩かれてからだ。
その後何を喋ったかはあやふやだが。
お風呂場をお姉ちゃんが去り、一人になったわたしは
徐々にその場であった事を思い出し、赤面し、やっぱり、
わたしはお姉ちゃんに本気なんだって自覚した
わたしはお姉ちゃんが大好きだ
さとっちにはただのシスコンだって言ったけど、そういうのじゃない
一人の女の人として、瀬川優樹奈さんが大好きなんだ。
ここで、主人公の二人【優樹奈】と【美紀】の苗字登場です。
あと、一話の美紀視点とかいってお風呂描写カットすみません。
その前の里美とも絡みを濃く書きたかったもので…
それでは、これからも本小説をお願いします。