16.買い物と先生と妹と
タイトル思いつかなくなってきた
「んで、優樹奈、この人誰?」
「亜澄…自分の高校の教職員くらい覚えてようよ」
園枝さんは、小さいころの小学校の校長先生で
私達が中学、高校と進学するのと同時期くらいに
中学、高校と一緒の形で転勤してきた人だ。
そういえば藍佐と亜澄は会うの初めてだっけ?
でも生徒総会とかで…あ、亜澄は寝てるか
「教役員?居たっけ?」
「亜澄ちゃんはいつも生徒総会寝てるから…」
藍佐のいう通りなのよねぇ~
「確かに亜澄はいつも寝てるよね。檀上からよく見えるし」
「だって眠いもん。それでえーっと…園枝先生?園枝さん?」
「学校に在籍してるわけじゃないから園枝さんでいいわよ」
「じゃあ園枝さんで。園枝さんはどうしてここに?優樹奈の家だと思うんですが」
「ん~、暇で散歩してたら近くを通って、それじゃちょっと優樹奈ちゃんにあいさつしていこうかと
思ったんだけどね、そしたら美紀ちゃんに会って、一緒に優樹奈ちゃん家に来たら
優樹奈ちゃんに誘われてナウ。な感じかしらね」
「「長いですよ」」
「いや、まぁ、藍佐と亜澄がそういいたいのもわかるけど…こういう人だから」
まぁ、
「急だったけど、皆で独占して食べようっていうんじゃなかったし、構わないよね?」
「そりゃまぁ構わないけど、買い物も全員で行くの?多くない?」
そういえば、美紀と園枝さんも入れて5人か
「二人買い出しで、3人此処で待機っていうのは?買い物はメモで十分でしょう」
「賛成!」
「わたしもそれで構わないよ~」
「お姉ちゃんが言うならそれで」
「急に押し掛けちゃったし、優樹奈ちゃんに任せるわ」
よし、皆の了解も得たところで
「組み分けジャンケンをします!」
いつになくハイテンションで私はそう告げた
絶対園枝さんと買い出しに行くんだ!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんで…
「あ…いや…その、お姉ちゃん?どうしたの?」
なんで私はこのジャンケンでグーを出したんだろう
「ごめんなさいね、優樹奈ちゃん」
チョキを出していれば相子でもう一回だったのに…
「ちょっと藍佐、優樹奈どうしたの?」
「さ、さすがにわたしも分からないかな…」
どうして…
「美紀の馬鹿ぁ…」
「なんで!?」
すっとんきょんな顔をしても駄目だ
私の楽しみを奪った罪は重い
「パンケーキ一枚少なくなります」
「酷くない!?というかパンケーキだったんだ、おやつ」
「うん、藍佐と決めたの」
「あたしは除け者ですかそうですか~」
「亜澄寝てたじゃない」
「だよね~」
「気絶してただけ!」
「ねぇ、美紀ちゃん、亜澄ちゃんっていつも気絶してる子なの?」
「え、知らないですけど、そうなんじゃないですか?」
「優樹奈!変な勘違いされた!パンケーキ一枚増量!」
亜澄結局はそれが狙いか…
「まぁ、美紀の一枚減るしいいわよ」
「よし!」
「ちょ、お姉ちゃん!?」
「優樹奈ちゃん、もうそろそろ15時になるけど、買い出しはいいの?」
「もうそんな時間ですか!?それじゃあ、申し訳ないですけど
園枝さん、美紀と買い出しお願いします」
「任せときなさい、パンケーキならメモもいらないし大丈夫でしょう」
「お姉ちゃんはイチゴ味買っとけば取りあえず大丈夫ですから」
「美紀もう一枚減らされたい?」
「人数的にわたしの分無くなりませんかね!?」
「珍しく計算早いね美紀。食べ物だから?」
「お姉ちゃん返しが珍辣すぎるよ…」
「辛辣ね、褒めると間違える。何かの法則?」
「もう!行ってきます!」
ありゃ、弄りすぎたか
「美紀ちゃん見失っちゃうといけないし、私も行ってくるわね」
「すいません、妹がお世話掛けます。」
「可愛い優樹奈ちゃんの為だもの、このくらい」
「か、可愛いだなんてそんな…」
「事実を否定することは時によってとても失礼よ?」
「すいません…ありがとうございます」
「ん、それじゃ」
その言葉と共に園枝さんも玄関の向こうに消えていった
「ふぅ…ん?どうしたの二人とも」
「優樹奈が乙女に見えた…」
「ホントに優樹奈ちゃん?」
二人して酷いな
「そんなに人が変わったみたいだった?」
「「そりゃあもう」」
「酷い」
「なんであんな態度コロっと変わるの?」
「だよね~、わたし達の前でもああだったら可愛…
もうちょっと皆から親しまれやすいと思うよ?」
「そんな変えてるわけじゃないんだけど…まぁ、気分がちょっと楽しくなりながら
話してるのは関係あるのかな?」
「楽しい?」
「うん、憧れっていえばいいのかな。あんな感じの大人になりたいっていうか…
うーん、なんだろう」
「優樹奈で分からないならあたしにはわからないよ?」
「優樹奈ちゃん本人の事はわたしには…」
「まぁ、乙女とかそういう感じではないから、それにそういうのよくわかんないし」
「ほう、今まで恋愛の経験は?」
ホントコイバナの食いつき早いな…
「特に気になった人とかは居なかったけど…」
「告白してきた人とかは?」
「いや、なんか、これから好きになってくださいとかわけわかんないでしょ?
殆どごめんなさいしたわよ」
「優樹奈らしいっちゃらしい理由だけど…」
「中々常人にはない理由だよねぇ」
「そういう亜澄と藍佐とは?」
「わたしはそういうのは全然」
「あたしはまず手紙の前に直接行ってごめんなさいして以来無い!」
「手紙の前にって?」
「ん~とね、なんか手紙が机に入ってて、なんかあいつかなぁ~
みたいなのあったから机まで行ってごめんなさい!って」
「それはそれですごいね」
「でも間違ってなかったらしいから、亜澄ちゃん助かったよね」
「え、なんで?」
「間違ってたら相手も亜澄ちゃんも大恥だったんだよ?」
「ん~?なんで?」
「まぁ、それは追々として、そろそろ料理の準備しよ。園枝さんと美紀帰ってきちゃうし」
「そだね、パンケーキならボウルと混ぜるやつくらい?」
「それだけ出して何でパンケーキ焼くのよ…」
「あ、フライパンね。覚えてた覚えてた」
「亜澄ちゃん嘘はいけないよ~?」
「嘘じゃないもん!」
変にはしゃぐなぁ亜澄
と、亜澄の相手してたら台所過ぎるところだった
「はいはい、嘘じゃない嘘じゃない…藍佐、そこの棚からボウル出してもらっていい?」
「ん~、これ?」
「そ、ありがと」
「優樹奈さん、あたしヒマデス」
「腹筋」
「嫌だ」
「背筋」
「やだ!」
「長座体前屈」
「やだ!」
「倒立」
「分かった!」
「なんで!?」
なんで倒立だけ!?
「優樹奈ちゃん危ない!」
「へ?」
そう切羽詰まった声で掛けられた声に振り替えれば、
まな板から落ちた包丁がわたしの足に向かってるところで…
…ってなんで包丁なんて出てるの!!
「優樹奈ちゃん!!」
「…っ!」
…
あれ、痛くない?
「ゆ、優樹奈ちゃん大丈夫?」
「あ、ありがと藍佐」
なんで痛くないんだろうと思ったら藍佐か
多分思いっきり引っ張ってくれたのかな
「藍佐!優樹奈!怪我してない?」
「ん、私は藍佐が引っ張ってくれたから」
「わたしも特に怪我はないよ」
「良かった…ところで、いつまで二人は抱き合ってるおつもりなのかな?」
「ん、あ、藍佐ごめんね、ありがとう」
引っ張ってもらった姿勢のままだったから、
ずっと抱き着いた状態だったか
「ううん、大丈夫だったなら良かった」
助けてくれた藍佐にも怪我がなくてよかった
「まったく、お母さんだな。包丁出しっぱなしで出かけたの」
そう呟きながら、包丁の片づけを始めたところで、
後ろの二人が何かを小声で話してるのが聞こえた。
小声ってことは何か大事なことなのかな
聞き耳は立てないでおこうかな、えっとこの包丁は…
「亜澄ちゃんの馬鹿…」
「抜け駆けは禁止だよ、藍佐」
「でも!」
「駄目、それにあたしの方が先だったんだから、藍佐は後手だよ」
「…亜澄ちゃんの馬鹿」
「褒め言葉をありがとう」
包丁はここでいいっと…
「二人とも、話は終わった?」
「ん?あぁ、終わった終わった~ね、藍佐」
「う、うん」
「それじゃ、居間で適当にゆっくりしてますか、二人が帰ってくるまで
することないし」
「ラジャ!」
「そうだね~」
二人はもうじき帰ってくるかな
小学校、中学校、高校と確か資格違いますよね
その辺の補足は次話でします
※9/19 こっそり
PTA役員→教職員
に書き換え