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真逆な姉妹の普通の日常※挿絵追加  作者: 豚骨
~ 真逆な姉妹の普通の日常 ~
17/21

13.美紀vs亜澄

vsをつけるにはかなり弱い対決ですが、一応vsで

「はぁ~…授業つまんない…」


時刻は昼休み

午前の授業が終わって一言めが怠惰の台詞とは、私も中々駄目になってきたな


「優樹奈ちゃんは頭良いもんね、わたしなんか覚えるので精一杯だよ~」


苦笑いしながら、正面の藍佐が答えてくれる


「予習したらしたでこれだもんね。もう止めちゃおうかな予習」


「優樹奈ちゃんは予習なんか要らなそうだけど…」


「何を言いますか藍佐さん。私が予習復習抜いたらそれはもう酷い事になりますよ」


過去に一度それでやらかしてるから二度と抜きたくは無いんだけど、

退屈なのもなぁ


「優樹奈ちゃんが酷い有様とかは想像できないなぁ~」


「あら、疑ってる?それでは、こちらをどうぞ」


未だ疑ってる藍佐ちゃんに、己の戒めとしてとっておいた成績表

カバンから出して見せる。

正直これを人に見せるのはかなり嫌なんだけどね


「……これのどこか酷いとこあるの?全部80点以上だし、評価もほとんど5だし。」


「そのほとんどが駄目なのよ!あぁ~…あの日ドラマに負けて勉強時間10分減らさなきゃ

単純なミスなんてしなかったのに…私のALL5が…」


「とはいってもこれ1年の最初の成績だよね?一番最初でコレだけ出来たなら、

わたしは十分だと思うけど…」


「そうかなぁ~、覚えてることが発揮出来なかったんだからその結果に意味はないと思うんだけど…」


う~ん、やっぱり私は少しズレてるのだろうか?

いやいや、多分大丈夫だろう。多分


「藍佐何見てるの~?」


と、そこに亜澄も加わった


「優樹奈ちゃんの一年の頃の成績。酷い有様見せてやる~って見せてくれてたんだけど…」


説明しながら亜澄に成績表を渡す藍佐


「優樹奈はわたしに喧嘩を売ってるのかな?」


「え、なんで?亜澄怖いよ?」


「亜澄ちゃん、これ一年の時だから、ね?落ち着こ?」


「止めるなー!藍佐ー!あたしは優樹奈にお灸を据えねばならぬのだー!」


「なんで!?」


え、何か私悪いことしましたか!?


「どー!どー!亜澄ちゃん落ち着いてー!?」


「うが-!!」


なんなんだろう、この変な状況


「お姉ちゃん、一緒にご飯良いかな?」


そこに、今の状況で言えば救世主

この後の事を私が知っていたのなら、元凶とでも言うべき人物がやってきた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「うーあー、さとっち~、何にもまったく分からなかったんですけど~?」


午前の授業を終えたわたしは、早速さとっちに愚痴っていた


「あなた自身の勉強不足が原因でしょうに…」


少しというか、かなり呆れた目で見られた

酷い、結構頑張ってこれなのに


「そもそも、まだ一年になって3ヶ月よ?まだ復習のレベルなのによく入学できたわね」


「そこは…ほら…特別なノートというか、家庭教師というか…そう!家庭教師を雇ったんだよ」


「その家庭教師さんは優樹奈さんじゃないの?」


「なんでバレてるの!?」


「あなたに勉強教えてくれそうな人って言ったら優樹奈さんくらいじゃない…他の子は一緒に遊んじゃうし…」


「う゛…確かに」


最初は皆に勉強を教えてと声を掛けたんだけど、気づいたら外で遊んでた。

なんでだろう?


「それで?今日はこっちでお昼一緒に食べるの?お姉さんの所行くの?」


「えーっと、今日はちょっと気になることがあるから、お姉ちゃんのとこに行こうかなって」


「そう、なら早く行きなさい。お昼休み終わっちゃうわよ」


なんか寂しそうに見えるのは気のせいだろうか?

ん~…そうだ!


「さとっち、一緒に2年生の教室行かない?ご飯一緒に食べようよ!」


「え、私はいいわよ、別に。」


「いいから!ほらほら~」


「え、ちょっと、美紀!?」


「あははー!」


さとっちの慌てた声が中々新鮮で、私は笑いながらお姉ちゃんの教室まで走った


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ーーー何見てるの?」


「ー樹奈ちゃんのーーのころの成績」


「優樹奈はあたしにーーーるのかな?」


教室の入り口近くで、トイレに寄ってるさとっちを待っていたら、

中からお姉ちゃんたちの会話が聞こえた


「え、--で?---怖いよ?」


お姉ちゃんの声も聞こえる。

良かった、教室で食べる予定だったんだ


「美紀、お待たせ。どうしたの?」


「ん~?いや、わたし一人で入るのもなんかな~って。」


「そう、ごめんなさいね、待たせちゃって」


「いやいや、大丈夫だって…」


「止めるなー!藍佐ー!あたしは優樹奈にお灸を据えねばならぬのだー!」


な、なに?ムカツク声が聞こえる


「何か騒いでる人がいるわね、あの人も優樹奈さんの友達かしら?」


「まぁ…うん……認めたくないけど…」


最後はさすがに小声にしたけど、答えたから良いよね


「美紀?顔が怖いわよ?」


「え!?そ、そうかな!?」


顔に出るくらいにムカツいたとは思ってなかったんだけどなぁ


「えぇ、まるで獲物を盗られた飢えた狼ね。見たことないけれど」


「結局わからないじゃん!?…はぁ…まぁ、とにかくはいろ」


「ええ」


「どー!どー!亜澄ちゃん落ち着いてー!?」


「うが-!!」


なんなんだろう、この状況

ともかく、用件を伝えないと


「お姉ちゃん、一緒にご飯良いかな?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ほうれ~妹ちゃん、卵焼きだぞ~旨いぞ~?」


「結構です」


「む、なら、こっちのアスパラガスは?」


「遠慮します」


「じゃ、じゃあこっちのベーコンのアスパラ…」


「間に合ってます」


「う~、藍佐~妹ちゃんがいじめる~」


「はいはい~、ちゃんと段階を踏みましょうね~亜澄ちゃん」


なんなのこの人。凄い構ってきて


「美紀、そのハンバーグ、このエビフライとトレードしないかしら?」


「おぉ!!さとっちありがとー!!…はい、ハンバーグ!」


「ありがと、じゃあこれね」


やった!さとっち自作のエビフライ卵とじのゲットだ!


「ん~~!!!美味しい!」


「ありがと…」


「い、妹ちゃん!ぜひあたしのおかずともトレードを…」


「…何と何をですか?」


「そ、そのハンバーグとアスパラガスを…」


「さっきからアスパラガスを押しますが、苦手なんですか?一押しなんですか?どっちですか?」


「苦…一押しなんだよ!うん!」


「では結構です。苦手なら手伝おうかとも思ったんですが」


「に、苦手!うん、凄く苦手なの!」


「では遠慮します。わたしもアスパラガスは苦手なので」


「うあああ!!藍佐ーーー!!」


「はいは~い」


「美紀…亜澄をあんまりいじめないの」


お姉ちゃんに怒られてしまった…


「ごめんなさい…」


「美紀はなぜか亜澄さんに喧嘩腰よね。何かあったの?」


さとっちがホントに不思議といった表情をしながら聞いてくる

いやでも、さすがにこればっかりは…

そう考えてたら、さっきまで藍佐さんに泣きついてたはずの亜澄さんが耳元まで来て


「言わないの?お姉ちゃん盗られそうだから焦ってますって」


そう、わたし以外には聞こえないような音量で囁いてきた


「っ!?」


カチンときた。何、相手を舐め腐った態度とっちゃって!!


「美紀?どうしたの?」


「…なんでもない、ごめんね。お姉ちゃん」


でも、お姉ちゃんの前でわたしが何かを出来るわけもない…

そうやって、自分を静めているのに背後の囁きは止まらない


「ありゃ、言わないんだ。早くしないと、お姉ちゃんが二度と振り向かなくなっちゃうかもよ~?」


「っ……!」


ギリギリと歯軋りが起きるくらいに、歯を噛み締めてしまう。

駄目だ、落ち着け


「美紀ちゃんが言わないんなら~……あたしが言っちゃうね。優樹奈はあたしのものだよ。妹如きなんかには渡さない」


「駄目!!!」


そう叫んで席を立ち上がる。

あまりの大声だったからか、お姉ちゃん達が目を丸くするのは当然だけど、クラスの人達の視線も集めてしまった。


「な…何でもないです…あはは…」


秘儀・愛想笑い

なんとか笑いながら席に着く


「美紀、ホントどうしたの?ここ最近変だよ。何か不安なことでもあるの?」


お姉ちゃんは本当に心配なだけで、親身になって聞いてくれてる。

わたし自身、こんなに気分が荒れてるのは初めてだ。

どう取り繕っていいかも分からない…どうしよう…


「あ~、優樹奈?あたし妹ちゃんとトイレ行ってくるね。」


「え?まぁ、トイレは構わないけど、どうして美紀と?」


「一週間課題!!良いこと思いついたからね~。」


ニマニマとしながら、さっきの怖い亜澄さんはなりを潜めて普段の亜澄さんに戻っている


「あぁ~、それホントにやってたのね…はいはい、いってらっしゃい。…美紀もごめんね、この子に付き合わせちゃって」


「い、いや別に大丈夫だよ!」


なんとか取り繕う余裕は出てきたかな?


「さぁ!妹ちゃん!一緒にトイレ行こう!」


「は、はい」


今この人と二人っきりは嫌だな…でも断ったらなんか変だよね


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ぷっ……あはは!!はぁ~あ……ふぅ」


今度はわたしが目を丸くする番だった。

トイレに着いて、わたしたち以外誰も居ないのを亜澄さんが確認した途端笑い出したのだ。


「いや~、ちょっと言っただけなんだけど、美紀ちゃんにまさかあんなに効くとはね~」


「…分かってて言ったんですか」


「そうだよ?それと、あれもホントの事。もたもたしてたら、あたしが美紀ちゃんからお姉ちゃん奪っちゃうからね?」


異性が見たらそのまま惚れてしまいそうな笑みを浮かべて、面白くないことを言う亜澄さん


「奪うも何も…お姉ちゃんはお姉ちゃんで…」


「ホントにそう思ってる人が、まさか家族…しかも姉に恋愛感情抱かないよねぇ~」


「れ、恋愛感情なんて…」


「無いわけないよね?でなきゃ、あんなこと言われても冗談って思うはずだもん。そこを真剣に捉えた時点で、美紀ちゃんは認めちゃってるわけだ」


「…なんなんですかあなたは…!ふらっと出てきて!やたらめったらわたしを遊んで!」


「遊びなんかじゃない、これは前哨戦だよ。そうだね、言うなれば宣戦布告」


「…宣戦布告?」


「さっきも言ったでしょ?」


そこで、亜澄さんは一旦言葉を区切り、さっきまでの笑顔を一転させ


「優樹奈はあたしのものだよ。妹如きなんかには渡さない。ガキがのこのこしゃしゃり出てくるなよ」


射殺さんばかりの視線で、こっちを見つめてきた。

段々と書き方が単調になってきちゃってる。

む~、どうにかせねば。

勉強してきます

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