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真逆な姉妹の普通の日常※挿絵追加  作者: 豚骨
~ 真逆な姉妹の普通の日常 ~
15/21

11.学校!! SIDE:優樹奈

続きです。


1/23 AM:1:17 文章追加/改訂

「お姉ちゃん急いでー!遅刻するよー!」


美紀が4歩分くらい先を走りながら催促してくるけど、生憎これが私の全力である。


「お姉ちゃんはそんな早く走れません!もうちょっと遅く!」


「遅くしたら遅刻するけどいいの!?」


「誰のせいよ誰のー!」


美紀が寝坊したせいでこのざまだというのにまったく…


「あと5分しかないよー!」


「そんだけ!?」


言われて腕時計を見てみると、今の時間は8時25分

げっ、ホントに時間ない!


「美紀…あれ?」


前を走っている美紀に速度を上げても良いように伝えようと思ったのだが、

その前に視界の端に、商店街の時計が目に入った。

あれ?8時?

立ち止まり、もう一度腕時計をじっと見る

……針動いてないじゃん……


「はぁ……美紀ストーップ!!」


「なぜに!?」


美紀がビックリしながら止まった。


「あそこの時計、見てみなよ」


そういいながら、商店街のゲート付近にある大きい時計を指差す


「時計?……え、まだ全然時間あるじゃん。なんでわたしたち走ってたの?」


「つまりは、お母さんに引っ掛けられたのよ。なんか妙に嬉しそうだと思ったら…」


いつもよりウキウキとした雰囲気ではあったけど、理由がこんなことのためとは…


「お母さんはまったく……まぁ、お蔭でゆっくり行けるし、ここからは歩きましょ」


見ればちょうど昨日里美ちゃんと待ち合わせした十字路の辺りだった。

ここからなら歩いても学校までは5分と少しだ


「あいさ!」


元気良く返事をした美紀が私のところまで戻ってきた


「どうしたの?」


「いや?ゆっくり行くなら隣で話ながらでもいいじゃん?……なんか来そうだし(・・・・・・・・・・)


「なんかって?」


「優樹奈ーー!!おはようー!」


美紀にそう聞き返した所で、後ろから亜澄の声がした


「おはよう…朝からテンション高いわね」


「朝から優樹奈に会えたからね!おろ?妹ちゃんではないか!おはよ!」


「……おはようございます。先輩」


「先輩なんて余所余所しいじゃないか!気軽にあすみんとでも呼んでくれたまえよ!」


「いえ…軽々しくそういうことしたくないので」


なんか美紀機嫌悪い?それに普段より言葉遣いが綺麗だ


「むー、よし!今日から一週間の課題は妹ちゃんの堅物キャラを破ることにした!」


「はぁ~…まだ一週間課題やってるの?」


「おうともさ!これのおかげで色々出来るようになってきたしね!」


亜澄のやっている一週間課題とは、文字のままで

一週間で自分が達成したいことをクリアするといった、内容によっては無茶苦茶な代物(しろもの)

前にやった中で一番簡単なもので言えば、【一週間でカボチャ嫌いを克服する】

これは、亜澄のお母さんの協力もあり、4日くらいであっさりクリアしてた。

一番無茶だったのは、【一週間でトラと仲良くなる】

しかも動物園のトラみたいに人に慣れてる動物ではなく、

野生の調教前のトラと仲良くなるだった。


「そういえば優樹奈聞いてくれよ~、朝レオが小便をいつもの場所でしなくてさ~」


「また躾し直せば?…まぁ、亜澄なら躾無しでも教えちゃうか」


「私とレオの友情は半端無いからね!一言言えば大丈夫さ!」


そのレオというのが、一番無茶な一週間課題で仲良くなったトラだ。

動物園で調教前のトラと謎の手段で会えるように段取り、一週間通い詰めて仲良くなってた。

一体どんな手を使えば、調教前の危険なトラと一般人が会える機会なんてあるのだろうか…


「お姉ちゃん、レオって?犬?」


そっか、美紀は亜澄と昨日会ったばっかりだから、レオも知らないのか


「いや、犬じゃなくてトラだよ」


「トラぁ!?」


「おう、妹ちゃんはレオを知らなかったか、今度うちおいでよ!いつでもレオと会えるよ!」


「い、いや、トラはちょっと…」


「え~、可愛いよ?毛がモフモフだし、人に慣れてるから普通に大人しいし」


「遠慮しておきます」


「む~、相変わらず堅物だなぁ~」


「いや、これは堅物とは違うと思うんだけど…」


そんな話を三人でしていたら、あっという間に昇降口まで来ていた


「それじゃあお姉ちゃん、一年生はこっちだから」


「あ、うん。また後でね」


「バイバイ」


下駄箱の場所が違う美紀が別れ、


「んじゃあ、私たちも行こ、優樹奈」


「うん」


私たちも自分の教室に向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おっはよー!藍佐(あいさ)ー!」


「ずっとハイテンションで疲れないのかしら…」


もう一人の友達に挨拶しながら教室に入っていく亜澄


「おはよ~亜澄ちゃん、優樹奈ちゃん」


「おはよ、藍佐」


「聞いてくれよ藍佐~、朝レオがさ~…」


登校中、私と美紀にもした話を藍佐にもするとは…


「また躾し直すんじゃ駄目なの?…あ、でも亜澄ちゃんなら、話すだけで解決させちゃいそうだね」


「う、優樹奈とまったく同じこといってる」


「それだけあんたが分かりやすいのよ。」


「そういうことだよね~」


藍佐がやんわりと同調してくれた。

亜澄が分かりづらいというのは知り合ってから一回もない。

それぐらい分かりやすい人なのだ


「二人して酷い!人を単純な人みたいに!」


「でも実際…ねぇ?」


「まぁ…うん」


「うえーん!二人の意地悪ー!」


「ほら、子供みたいに泣いた振りしてないで席着きなさい。先生来るわよ」


「おろ?もうそんな時間ですかい。んでは藍佐!また後で!」


「うん、じゃあね~」


泣いたのはやっぱり嘘泣きだったみたいね


「まったく朝から賑やかね…」


そうぼやきながら私も席に着く。

私の席は中央列の一番後ろで藍佐がその前

亜澄の席は中央列の一番前なので、朝離れるのは亜澄だけ。

一番前なのはくじ運が悪いからではなく、うるさいから先生が注意しやすいようにだそうだ


「でも、そこが亜澄ちゃんの良い所だよ」


「度を越せばうるさいだけだけどね…押さえどころを分かってるから良い子なのよね」


「そうだね~、あ、先生来たみたい。優樹奈ちゃんもまた後でね」


「うん」


藍佐が前を向いて、先生の話に備えて体制を整えた。

また少しばかり退屈な授業の時間が数時間あるのか…

私は若干憂鬱になりながら、先生の話を聞く体制を整えた。

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