第七話
二件目も難なく終了した。
これで今日は終わり。
もう終わりなのか、と思った。
昼間あれだけ期待していたのに、三十分ほどで終わってしまった。
「真千子ちゃんお疲れ。これで終わりだから。明日も大丈夫?」
「うん」
何があっても行きたい。
死神さんに会いたいから。
そういえば、熱が出たりしたらどうするんだろ。
「あの、休むことってできるの?あ、いや休むわけじゃないんだけど、例えば体調不良とか‥‥‥」
「ああ、どうせ一日2、3件だから後でたまった分を片付ければいいから心配ないよ」
「そうなんだ」
死神さんの顔が一瞬固くなった‥‥気がしたけど気のせいかな。
「じゃあ帰ろう」
「は‥‥うぇぁああっ!?」
ぐいっと腕を取られたと思ったら、あたしは背負われて浮かんでいた。
「一言いってよーーっ!!!」
「ごめんごめん」
そういえばあたしいつのまにか死神さんにタメ口きいてた!あわわ‥‥いつからだろ。
でも、いいかな。疲れないし。
今は何も考えないでおこう。
今はただ、この短い帰り道を味わっておきたかった。
また青だ。
今日は本当に一回も信号に引っかからない。
本当に運が良くなってる。
学校に着くと、同じクラスの優子ちゃんが自販の前にいた。
「ねえ、炭酸飲めないのに間違えて買っちゃったー。名塚ちゃんもらって!」
差し出されたのは、一番好きなやつだ。
これも死神助手の効果!?
ありがたくもらっておいた。
「ミサキ、あたし人生絶好調かも」
「は??いつも以上に意味不明‥‥」