表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/46

第三十四話

今日でやっと、グリムとは最後だ。

今は、グリムのことが死ぬほど嫌いというわけでもない。

あれ以来普通に接してくれたし。

でもやっぱり死神さんのほうがいい。

長い一週間だった。

死神さんが帰ってきたら、謝らなきゃ…。


「これでおーわりっ。お疲れ様ー」

グリムが伸びをしながら言う。ちょうど四件目が終わったところだ。

「今日で最後になるんだよなぁ…」

「うん~」

「なんか嬉しそうだし…酷いな〜、オレ、もっとなつかチャンと一緒にやりたかったよ」

う、またこんなこと言ってる。

まあいいか。これで最後なんだし…。

こいつは誰にでもこんなことをポンポン言ってるんだろう。

特に気にしなかった。

「あのさぁ~、、。」

グリムの声の調子が、一段だけ低くなった。

どしたんだろ…?

「これ、口先だけじゃないんだけど」

うわ、何言ってんの??

焦った。

グリムはあたしのほうをまっすぐ向いている。

なんでこんな、真剣な空気になってんの…

なんかまずいことが起こりそうだ。

「なつかチャンってさ、真面目に助手やってくれるよね。一日も休まないしさ」

「そんなの、当たり前だよ…もう帰ろうよ」

できる限り明るい口調で言った。

この空気を払拭するために。

でもグリムは変わらない。

そして、案の定とんでもないことを言ってきた。

「オレの助手になってくんない?」

「は…はあっ!?それは、できないよ!」

「できるんだよね~、それが」

ぞくっとした。

グリムの目が、死神特有の妖しさを帯びている。

チャラチャラしたかんじの目しか知らなかった。

こいつもれっきとした死神なんだ。

今日は月がない。弱々しい街灯だけが唯一の灯りだ。

闇より暗い、死神のローブがはためく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ