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第二話
「あっつー、なんか怖い話しよ!名塚なんかない?実体験で」
名塚というのはあたしの苗字だ。下の名前みたいだからみんなこれで呼ぶ。
ちなみにあたしの下の名前は真千子。
気に入ってるけど、名塚の存在感に負けてるみたいだ。
「ないない。やめてよーあたしの家の窓から墓地見えるんだよー」
とは言ったけれど、あたしの頭の中はあの日の死神のお兄さんの事でいっぱいになっている。
もう一生会えないのかな。
多分会えないだろうな。
あのことはもう何年も前のことだ。あたしもいつのまにか高2になってしまった。
でもあの思い出は鮮やかに思い出せる。あの人に比べたらクラスの男子はなんとも思わない。
幼稚園から一緒の拓馬がもててるらしいが、興味ゼロ。
それにしても暑いなあ。死神さんに会った日みたいだ、、、。
帰り道、帰宅部だからいつものようにまっすぐ家に帰る。
墓地にさしかかった。
太陽が雲に隠れて、薄暗くなった。