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加熱した猫

作者: 植崎健太郎

猫を拾った。

洗濯機に入れて脱水をかけてみた。

猫は首や手足が変な方向に曲がり、動かなくなっていた。


また猫を拾った。

熱した油をかけてみた。

数秒間たつと猫は動かなくなっていた。


また猫を拾った。

冷凍庫に入れた。

一晩たって開けてみると凍って動かなくなっていた。


また猫を拾った。

電子レンジに入れて三分間加熱した。

猫はいなくなっていた。


不思議に思ったがどこにもいない。

諦めて眠ることにした。

猫の夢にうなされたような気がした。

もう猫を虐待するのはやめようと思った。


仕事に出かけた。

朝からやたら猫が飛びつきひっかいてくる。

もう虐待しないからと思いながら必死で逃げ、なんとか会社についた。


自分のデスクのパソコンを立ち上げると壁紙が無数の猫だった。

誰かのいたずらか?

普通の風景の壁紙に戻した。

OLがお茶を持ってきた。

お茶の中に毛が入っていた。

人間の髪の毛では無かった。

もっと細く短い毛だった。


昼休み、社員食堂に行きチキンカレーを頼んだ。

鶏肉に混ざってすごく固い肉があった。

ラム肉か何かか?


昼休みが終わり仕事場まで戻った。

パソコンの壁紙が無数の猫になっていた。

また普通の風景に戻した。

外を見ると猫が爪で窓をひっかいていた。

ここは7階だ。

どうやって登ってきたんだ?

仕事が終わり会社を出た。


帰りにレンタルビデオ屋によった。

今話題のコメディ映画を借りた。


家に帰ってさっそくビデオを再生した。

内容はコメディ映画とは全く関係ない。

近所の風景だ。

猫がたくさんいる。

気味が悪くなりビデオを停止した。

お腹が空いたのでコンビニまで出かけた。


コンビニ弁当とお茶を買った。

「こちらのお弁当温めますか?」

「はい」

「640円になります」

「10000円で」

「9360円のお返しです。少々お待ち下さいませ」

ピー、ピー、ピー。

ガチャ。

店員が悲鳴をあげた。

レンジの中には3匹の猫の死体と1匹の猫がこちらを見ていた。

こちらを見ていた猫は家の電子レンジから消えた猫だった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ひぃ、怖い! でもこれで呪いから解き放たれるのでしょうか。
[一言] 怖かったです… 猫 怖いですね… 怨まれたくないですよね… スルスル読めるのに だんだんゾクゾク感が増していくカンジでした… また楽しみにしています。ありがとうございました。
2007/07/04 05:30 宮薗 きりと
[一言] 読みやすいのに、印象に残る文章でした。 このサイトのホラー小説はあまり怖さ自体に拘っている作品は少ないと思っていましたが、この作品には怖かったです。
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