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「彼女の名前はS その2」

とにかくまずは、治ったこの足であの女に近づく!


梨花はこちらに気づき、ステッキを翳して魔法を撃ってくる。


梨花「まだ生きてたの?いきなり魔力が湧いてくるなんて、、、なるほど。使い魔だったのね。でも魔法少女に置いていかれるなんて使い魔失格じゃない?」


「見える!オラァッ!!!」


人間の身体では見えなかった魔法が、野球ボール程の速度で見える。これなら避けられる。

さらに近づき、拳で突く。しかしビスケットの壁でガードされた。


梨花「脳みそにピーナッツバター詰まってんの?マヌケ。魔法少女の戦いは基本魔法がベースなの。魔力で強化した拳ぐらい、この距離じゃ動きが読めるわよ。」


飴玉の弾丸が飛んでくる。この距離では防御するしかない!

クソッ、痛い。後ろに下がったが、防いだ腕に幾つか穴が空く。


梨花「魔法少女は強いの。だから人を支配できるの。私たちを虐げた大人を、今度は虐げてやるのよ」


S「お兄様、馬鹿ですか?」


「そうか!変身か!」


S「さっきも言いましたよね。ほら。やりますよ。」


Sが俺の身体に潜り込む



突如、背中から"2本目の背骨"が皮膚を突き破って出てくる。

その背骨に魔力が集まり、血が流れ、花が咲くように肉が生えてくる


S「変身」


先程まで血まみれの背骨だったそれは、俺より20cmも高い体躯をした黒い魔法少女になっていた


「痛ってぇ!俺が魔法少女になる訳じゃないのかよ!」


梨花「あんた...魔法少女?!いつの間に!?」


S「ようやく...ようやく身体を手に入れられました。なのでこれから...」


梨花「ハァ?!!いきなり現れてベラベラと喋ってんじゃねえよブス!」


S「これから貴方をぶん殴るッ!!!」


梨花「目ん玉から生クリーム吐かせてぶっ殺してやるわ!!」


梨花がロリポップの丸鋸を5~6枚発射する


S「フン!!!」


ロリポップがまるでガラス細工のようにSの拳で一瞬にして砕かれる


梨花「なんて膂力?!こいつ...馬鹿みたいに強い!!!」


「テメエの快・不快なんか知るか!お前が殺したあのホトケさんが、どんだけ苦しんで死んでいったかわからねぇやつが人を支配しようとしてんじゃねぇ!お前も人の苦しみがわからない大人になりてぇのか!嫌だろう!嫌悪するだろう!なぁ!」


梨花の目に動揺が見えた。今なら拳を当てられるかもしれない。

魔力で足を強化し、梨花の目前まで跳躍する。梨花はこちらに気づき片手で、ビスケットの盾によって防御する


梨花「また近づいてくるなんて、この膂力が能力?しかしガードするわ!」


クソっ、またか...


しかし拳に触れた盾がパックリと十字形に切断される


S「お兄様に、私の魔法をお教えしましょう」


S「私の能力は...十字架を操る能力。こうやって、お兄様の殴った力をそのまま十字架型の細く鋭い斥力に変えることもできます。」


梨花「なっ!」


盾のガードを通過した拳は彼女の腕をへし折る。


梨花「くっ...でもまだよ!」


梨花は反撃の魔法を準備し、自らの腕ごと啓介を吹き飛ばそうとする。

しかし啓介の後ろから、死角を移動してきたSが表れる


梨花「いつの間に?!」


梨花は咄嗟に魔法でガードを試みるが遅く、彼女のステッキはSの一撃で破壊され、そのまま止まらない拳により彼女の顔面が抉られる。

梨花は遥か後方まで飛ばされ、道路まで吹き飛んだ。


梨花「ああっ...あああああっ...!!私の...魔法少女ステッキが...!!」


梨花の腕が灰燼になっていく


梨花「嫌っ.....嫌よ...!嫌ぁ!!!」


プーーーーッ!!

梨花に走っていた車が接近する。

ドンッ!!!!

梨花が轢かれた音が響くが、彼女の死体はない


S「魔法少女はステッキを壊されると、制御を失った魔力が身体を破壊し、こうやって死にます。」


「なるほど...だから魔法少女の死体はこれまで発見されなかったのか。」


なぜか背後から鴉の群れが飛び立つ

もうSは姿を消していた


七「動かないで」


「七さん?!」


七さんが携帯を取り出す


七「悪いけど啓介君はこれから魔法少女案件105番の重要参考人として連行する。」


何か言おうとしたが、声が出ない

鼻から生暖かい血が吹き出し、倒れてしまった

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