表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/140

縁結の姫様(3)

「志乃。少し出かける」

「あら。こんな夜更けにどちらへ」

「まぁ、すぐそこだ。帰ってきたら、酒を飲む。馳走も用意しておいてくれ」

「馳走ですか? どなたかお客人をお連れになるのですか?」


 正道の言葉足らずな説明に志乃が首を傾げながら問う。正道はそれには答えず、悪戯っぽい笑みを浮かべた。それから夜空へ少し視線を向ける。その顔はどこか嬉しそうだ。


「春陽殿、二人と赤子を頼む」


 それだけ言うと、正道は小十郎と一緒にそそくさと出かけて行った。残された面々は不思議そうに顔を見合わせながら、正道と小十郎を送り出した。


 月明かりのおかげで夜道でも苦ではない。正道は小十郎を従えながら、駆け足で河原へ向かう。正道と小十郎が河原に着くと、そこには懐かしい光が二つ寄り添うようにあった。その光に、照らされるようにして二つの陰が立っている。


 正道と小十郎は嬉しそうに目を細めた。異国の衣装なのか、見慣れない格好をしているが、それでもその姿を正道たちが見間違うわけがない。


 正道は影に向かって呼びかける。それに答えるように陰の一人が大きく手を振り、バッと正道目掛けて駆け出した。綺麗にまとめられた髪に挿された簪が、キラリと光を放つ。


 正道の腕の中に、あの時消えてしまった笑顔が戻ってきた。


「よくぞ。戻った」

「只今帰りました。お父様」





〜 完 〜

完結しました!

最後まで読んでいただきありがとうございます♪


明日からは、『推しと清く正しい逢瀬デート生活』が連載スタートです。

ピュアラブ目指して書いてみます。

よろしければ、新作も追いかけてみてくださいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ