あの世とこの世とカーネーション
「私はあの子の元へ帰らないと!」
彼女はあの世の奥底でそう願い紫陽花を助けに行くのであった
目次
・あの子がいなくなった2週間前
・あの世への切符
・私のやるべきこと
・この世
・天落
・ 〜序章〜
あの子がいなくなってから2週間前
私は自ら身を投じてから二週間がたった今となってはどうでもいいことでもあるのだが私にとって
はやはり痛みはすごかった。
「神様、どうか私をあの子の元へ返して」
私は必死に願った、意味もないことだろうと思ったりもしたのだが私としてはいち早くあの子の元
へと帰りたい、ただそれだけだった
「何もなく暗いこの空間、お願い」
私はただただ願った願う以外もない
「仕方ない、助けてやろうか」
謎の声とともに目の前が一面がきれいな草原へと変わり遂げた。
「誰!?」
私は謎の声の主を捜索するべくあたり一面を探し回った、しかしこのあたりには私以外の人はい
ないのである
「私を探しているの?」
謎の声は私の言いたいことが分かっているかのように私の前へと姿を表した
「はじめまして、私は”カルミア”」
私はこの名前を聞いた瞬間に驚きが隠せなかった、あの夢に見も見るカルミアが目の前にいる
のだ。
「カルミアってあの研究所の周りを花に変えたあのカルミア?」
私はカルミアにそう解いた、その後彼女からの回答が予想外だったのである
「あれかぁ、あれはね私の”仮”の姿よ」
「そうだ、枯散化はご存知かしら?」
彼女から枯散化についての質問が飛んできたことに対して私は真っ先に質問を変えるように言っ
た、しかし彼女は断固として変えるつもりはなかったらしい
「そう、どうしてもしらを斬るつもりなのね、じゃあこうしましょう、今の紫陽花の状況を教えてあげ
るから枯散化について教えなさい」
私はこの交渉に渋々乗ることにした。
「枯散化って今のところだと持った人の自我の消失の代わりに一定時間身体強化が図れるとい
うものです」
私は知っていることを簡潔にまとめた
「完結にまとめすぎよ、まあいいわ、とりあえず一つ教えてあげる彼女は今牢屋の中に閉じ込め
られているわ」
私は身震いが止まらなかった、軍にでも捕まってしまったのだろうか
「私的にこの”アネモネ”って子ちょっと危ないかもね
「そうだ、私の代わりに紫陽花助けてきなさいよ」
彼女の意味のわからない発言から私は首をかしげたがすぐに答えが分かった、彼女を助けに行
かないと
「このままあの世に返してもいいんだけど、せっかくだし私の力引き継いでいってよ」
私はすべてが謎だった、カルミア様の力を引き継ぐ?
「私にできますか?」
私の質問に彼女は出来る!と一言だけ言って目の前から姿を消した
「私の力を継承する前にどうにかしてあの世にいるハイビスカスをどうにかしなさい」
彼女は総一括して私を一時的にあの世へ送った
これが冥府への片道切符であることを私は理解していなかった
「待っててね紫陽花、かならず助けに行くから」
あの世への切符
私はまたこんなところを行ったり来たりしていているのである
「一体どこまで進めば気が済むのよ」
彼女はそうつぶやきながら穴を落ちていっている
「私は一体どこまで落ちていくの」
彼女はそう言いながら終わりのない穴に落ちていく私はこのままなにもないどこかに落ちていくの
ではないのか考え詰めていく
「考えていたところであなたは気づかないよこの負のループから抜けれないことをね」
カルミアはそう言いながら私を落としていく。まるでこの世界と別の世界へと繋がっていくような感
じがした。
目覚めるとここは辺り一帯が燃え盛っているまるで地獄にでも落とされたような感覚だった
「ここはどこ」
私はそう小声で呟いた
「ここは紫陽花の心の中だよ」
カルミアはそう呟いた、私は信じられないような感覚に陥っており前も後ろもわからなくなってきた
「この世界から出るにはどうすればいいの」
私はカルミアに呟いたすると彼女が私に助言してきた
ここはあの世だと思いなさい、帰れる方法は自分で探すそれが冥府での掟なので
カルミアはそういい私の耳元から消えていった
「ここからは消耗戦ってことね」
私はそういいあたり一面を歩くことにした
歩いていると光っているものが一つ見えた
「これは、本?」
私は本を一冊取ってみせ表紙を読んだ
”How to love someone” (人を愛する方法)
私はこの本をポケットの中に入れこれからの戦いに備えるように努力していくことにした
「必ずここから出て彼女のもとに帰る」
〜あの世への切符 完 〜
私のやる出来事
この地に降りてきてかれこれ2週間ほど経過しているのだがこの地から出る方法がわからなく
なってきている、どうやって逃げればいいのかもうわからないそんな時間が繰り返していき気づけ
ば半年が過ぎていた。
「いつになったらここから出られるの!」
私は必死に聞いた、しかし上から帰ってくる一言も決して同じではなかった
「いつかは出てこれるよ」
そう私は自分に言い聞かせ自分という存在に肯定感と生きるべき理由をつける
かなりの月日が流れた。私の体感だと3年位はいた感じがする
「汝はだれじゃ」
奥の和風な家から声がした。しかし見たところ誰もいない
(無視しよう絶対気の所為だ)
私はその家には近づかないそう思っていたのだが気がつくとその家の前に立っていた
(なんでここに?)
「恐ろしいだろ?これが君の世界で言う悪魔の力だよ」
私はそこでソロモンたちの存在を思い出した
「三年間以上彼らの存在をわすれていたのね」
そんなことを思いつつ私はロノウェを召喚することにいした
「思い出してくれたか、それにしてもこの世界で呼ぶのか」
ロノウェはこの世界について詳しく知っているようだった。
「この世界について知っている悪魔がまだいたとは」
奥の家から更に声がした
「まあ、名乗らないことには始まらないな、私の名前は琴音」
彼女はなにか懐かしい気分になりつつも私はその環状を捨てながらロノウェとの会話に集中する
ことにした
「それで、ここはどこなのさ」
「あのクソ野郎から聞かなかったのか、忘れたとは言わせねえぞ。ここは紫陽花の心の中だ」
彼は私にそう言い一つ提案した
「この世界に俺がいるのはタイムリミットがある、その時間内にやってほしいことがある」
私は、問いただした
「なにをすればいいの」
ロノウェが咄嗟に答える
「ここが仮に紫陽花の心であったら、内部からカルミアの野郎の力を使って好き勝手できるように
なるはうだ」
私には彼が何を言いたいのか全くわからなかった。
「あー、すなわちな、彼女の気持ちの一部が今のお前なんだよ」
私はようやく今ずべきことを理解した
「彼女にやる気と根性、そして生きる気力をあたえるのね」
「そうだ、”カーネーション”今のお前にしかできないことだ」
そういって目の前からロノウェが消えていった。
「今の私にできることか」
そう言って彼女は琴音に聞く
「少し、ほしい力があるの」
そういい私は家の中に入っていった。
〜私のすべきこと・この世〜
この家に入るのは少し抵抗感がある。だが私はやらないといけない
「あーあ、この家に入る世界を選んだのかぁ」
彼女が行っていることが私には理解できなかった
「どういうこと?」
私はい琴音にそう尋ねると彼女はこう返してきた
・私は世界の秩序を守る使命がある
・少し先の未来が見える
・世界線の選択ができる
私は彼女の行っている意味がわからなった、しかし一番気になるものがあった
「世界線が選択できるってどういうこと?」
その問いに対し彼女は答える
「あなたは、自分の目を使って壁越しにいる相手が何をしているのかわかる?」
「すなわち、見えていないところで自分が知らないことをしているかもしれない、その選択を私でき
るってこと」
彼女はそう言い私に言った
「だからさっき、家に入る世界を選んだのかって言っちゃったんだよね」
そういい彼女は続けて告げた
「あなた、この能力がほしいんでしょ?」
私は何も言えない
「あー、図星かそれは残念」
彼女は続けて告げた
「今、彼女が大変なことになってるよ」
「て、そんなことより自分が誰かわかる?」
私は自分が誰か覚えていない、しかしざっくりとしか覚えてない
「私の言うことに従うなら、すべてを話してあげる」
私は心のなかに葛藤がありながらも彼女の命令に従うことにした
「あなたの素性から教えてあげるね、ケチなカルミアのことだから何も教えてくれないで、自分自
身を探せとか言われたでしょ」
「あなたの名前は”カーネーション”そして今紫陽花に最も近づいている魔の手がアネモネ」
私はカーネーションと言われてもさっぱりだった
「記憶がないのか、じゃあこれをあげる」
そういい琴音は彼女に道具を渡した
「これは、彼女の心にある”優しさ”を液状にして飲めるようにしたもの、これを飲めば最低限の記
憶は還ってくる」
私は優しさを飲み、彼女に告げた
「あなたの力、確かに頂いたわ」
そういい私は琴音の家を後にした
(急に頭が!)
家を出てすぐ私はその場に倒れてしまった
「あんなに飲んだら副作用すごいよ、彼女現世に戻って生きていけるのかな」
「さて、私は”果て”にでも行って結末を眺めますか」
この世に帰還できる条件
・能力を1つ以上保持または他人から奪う
・3年以上の滞在
・どれだけ母体に愛し愛されているか
・記憶の干渉が可能
・出てきて3時間以内に死ぬ覚悟ができている
〜天落〜
気がつくと見覚えのある場所にいた
「ここは、六花の実験施設?」
あたりを見渡すとここには何も無い苔の生え、廃棄施設となっている場所に私は横になって倒れ
ていた。
「死んで、私は転生を経験したのか」
そのまま私は1つ思い出した場所があり、その場所へ向かう
「やはり、ここは綺麗なままなんだね」
そこには一面にきれいなカルミアが咲き誇っていた
「力、お借りします」
私はそういいカルミアを1輪摘んでその場を後にした
「彼女のもとにいかないと!」
私は急いで彼女を探しに行くのであった
(なにかポッケに違和感?)
そう思いポッケを開くとそこには一冊の本があった
”押し花の作り方”
私はこの本を持って紫陽花を探しに行くことにした
「そうだ、練習も込めて」
私はそうして次元の穴を開いて彼女の下へ向かうのである
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〜
「いつまで逃げるの!紫陽花!早く私のものになって!」
そうアネモネが紫陽花に告げる
「大丈夫!紫陽花!」
カーネーションが紫陽花に告げる
「なんで、あなたが生きているの」
アネモネはカーネーションに告げ彼女は答える
これが”愛”の力、あなたにはなくて私にはあるモノ
あの世とこの世とカーネーション 完
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