ころころのおにぎりあげるね
「しょー……しょーこ!!」
「ん…むむ?」
「寝ぼけてないでご飯たべよーよ」
ん!っとでっかいお弁当箱を渡してくる小学生ぐらいの女の子。
この子は、「魦 焼愛」小さくとも私の相棒。
「よっこいしょいっと」
がたんっ
少し騒がしい昼休みの教室の中に紛れた音。
隅にある私の机の前に自分の椅子を持ってきたらしい。
「今日のご飯はねー…じゃじゃん!」
おおきなおにぎりが4つ。不器用に丸められた卵焼き。
「…?それだけなの?」
「そうなんだよー今日ご飯炊くの忘ちゃってて昨日の残りなんだ〜」
昨日の残りというのには無理のある量だが、
彼女は食べることが好きだから仕方がないのだろう
「しょーこのおべんとはー?」
「……?……あれ持ってくるの忘ちゃった…かな?」
「ええええええっ!午後から戦闘訓練あるのに!?たいへんだよぉ!?」
いちいち反応が大きいが、確かに戦闘訓練中に腹が鳴っては集中ができない。
「んもーしょうがないな私のやつ分けてあげるっ!」
はいっとおにぎりを2つ分けてくれているが
「そんなに食べられないし焼愛のが少なくなっちゃう。私1つの半分ぐらいもらえればいいよ。」
そー?という焼愛からはんぶんこされたおにぎりを受け取る。
「はぐっ…」
あ、すんげぇ力で握られているからか、米が潰れていてちゃもちゃもしている。
ん、もらった側だから文句は言わずに頂かねば…
「ん〜〜〜っまぁ」
「焼愛、米粒口に付いてるよ、急いで食べたら詰まらせちゃうから気をつけないと」
口の米粒を拭き取った焼愛が
「もー食べ終わったの?しょーこの方が急いでるんじゃ!?」
ぺろっと食べてしまうぐらい焼愛のおにぎりは美味しい。
「んはは、そんなにおいしかった?」
機嫌がとても良くなったようだ。
そんな焼愛を見ていると
ぴんぽんぱんぽーん♪
「空宿哨子さん、今すぐに空白塔に来てくださーい。くりかえしまぁす………」
…ぱんぽんぱんぽーん
「ん?しょーこ呼び出されてるよぉー?」
「うん行ってくる。」
はいよーん?と見送ってくれてる焼愛。薄茶色のそこそこに長い三つ編みを2つぴよぴよさせながら見送っている。
自分の髪の毛は短めウルフぐらいだがいつか焼愛のような長い髪の毛が欲しいと思っている。
今日は戦闘訓練出れないかもな、焼愛にご飯をもらったのに、申し訳ない。