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最後のクエスト  作者: 水凪瀬タツヤ/AQUA
第1章 -集いし者たち-
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【1ー4】魔力測定と

 翌日。


 おれたち新入生は、また講堂に集められた。

 昨日の歓迎会である程度グループが形成されており、なんとなく同じような顔ぶれで集まっている。


 おれたちも例にもれず、昨日の歓迎会で同じ卓についた8人で集まっており、開始時間までの間、それぞれ話している。

 リオンたち女子組は、寮の部屋も同じだったらしく、もうすでに仲良くなっており、リオン、ニアとロッドは、もともと既知の仲であったかのように気楽に喋っている。


「昨日は眠れたか、スキル?」

「ん……若干寝不足だ。同室のやつがな……」


 隣に立つクラウドに問われた。見るからに寝不足そうな顔をしているのだろう。

 昨日、エリンが夕飯から帰ってくると、ものすごい勢いで話しかけられていた。

 彼が帰ってくるころには、同室のメンバーも集まっており、なんとなく関係性を構築できていたのだが、エリンはなんとなくでは物足りなかったようで、これまでの人生を教えろ、とでも言わんが如く、同室3人に質問攻めにしていた。


 結局、そのせいで、寝れたのは明るくなろうとしているぐらいの時間で、久々に瞼の重みを感じている。


「まあ、見るからにわかるよ。お疲れさん」

 クラウドに肩をポンとたたかれた。

「クラウドはどうだったんだ?」

「俺のほうは、おとなしそうなやつらだったからな。健康的な時間に寝て、健康的な時間に起きたよ。国にいたころよりまともな生活してたかもしれない」

「そいつはよかったな」

「おお。ベルはどうだった?」

「僕は、同室の子は話たがりが多かったけど、朝の鍛錬もあるからって早めに切り上げて寝ちゃったよ。多分スキルが寝たころには起きてる」


 そう、ベルは何があろうが、日が昇るかどうかぐらいの時間に起きて、日課の鍛錬を欠かしていない。彼が鍛錬を欠いたのは、旅から帰国した次の日だけぐらいだろう。


「……お前はすごいな。まじめでえらい」

「そうでもないよ。僕は朝だけだしね」


「今日は、いろいろ測定するんだよな? まずは魔力測定かららしいけど、どうだ? どこまでみられるんだろうか」 

「うーん。いまいちわかんないんだよね。前回やったのは旅に出る前で、この力を得る前だからね。リオンどう思う?」

 ベルに聞くと、いまいちわからなかったようで、リオンに話を振った。

 確かに、この中で一番わかってそうなのはリオンだ。


「へ? 私?」

「そうだよ。リオンの国だと結構一般的なんだよね?」

「んーー、そうだけど……」


 聞かれたリオンだが、リオンもあまり知らないようだ。

 この中だと、おそらくリオンしか魔力測定の経験がない。

 ゴルアリアが魔術に関しては世界で最も優れてると言え、その国出身の人に聞けばある程度の情報が得られると思ったが、彼女自身、国を4年も離れており、いまいち理解できていないのだろう。


「やり方は知っているけど、どこまでの情報がとられているのかは、あんまりわかんないんだよね」


 おれたち5人は、できることなら隠しておきたい力を持っており、この魔力測定で明らかにされるのなら、なんとかしてごまかせるように画策したいのだ。

 しかし、どのように情報を取っているのかがわからない以上、なにも打つ手はない。


 そうこうして、考えを巡らせていると、講壇には魔力測定の準備が着々と整えられており、教員が測定機器の前に立つと、順番に生徒の名前を呼び始めた。

 どうやら、呼ばれた生徒が機器に手を当てると、機器が光りだし、測定を完了すると、講壇に大きく目立つようにいろいろな項目が投影される。

 ここに集まる全生徒が確認できるような仕組みになっており、これでは隠したいことも隠せないようになっているような。


「スキル・オウル・フルネル! 講壇へ!」


 数名呼ばれた後に、ついにおれの名前が呼ばれてしまった。


「……じゃあ、いってくる」


 7人に声をかけ、静々と講壇に向かう。


 前の人たちに倣って、機器に手を当てると、魔力を少し引っ張られるような感覚があった。

 魔力を操るときとはまた違う、不思議な感覚に浸っていると、機器には結果が投影され、情報が丸裸にされる。


ーーーーーーーーーーーーーーー

属性:水、闇

特性:操作系

 量:60ー75

 質:滑らか

ーーーーーーーーーーーーーーー


 なんだ、このぐらいの測定しかしないのか、と安堵した。

 本当に基本的な、基礎的な情報のみで、評価のための測定というよりは、個々人で魔力の質を確認させるためにこれをしているだけ、といった様相だ。


「うん。平均よりはいいね。この学園でよく鍛えなさい」

 担当の教員に、決まり文句を言われ、7人のもとへ帰っていく。


「まあ、なんというか、しってた、って感じかな。あれが表示されないなら、どんとこいって感じだ」

「そうだね」


 あれ、とは、おれたち5人が共通して隠したいことだ。


「次は、リオン・クローネ!」


「行ってくるね!」

 呼ばれると、リオンはそそくさと小走りで講壇に向かい、ささっと測定を終わらせる。


ーーーーーーーーーーーーーーー

属性:風、光

特性:操作、付与

 量:60ー90

 質:滑らか

ーーーーーーーーーーーーーーー


「んー、前とそんな変わんなかったかな」

 帰ってきたリオンがそう言った。

 投影された情報を見たが、普段から感じているように、魔力量がおれのそれと比べてだいぶ高い。


「あの量ってのは、どういう風に読むの? 範囲みたいに見えるけど」

「ああ、あれはね、下限と上限だよ。人間って、やっぱりその日によって調子ってあるでしょ? それがあの数字の範囲だよ」

「ほう。なるほど」

「だからね、スキルみたいに数字の幅が小さいのはすごいんだよ。範囲が15しかないって、すごく安定して魔術が使えるってことらからね」


 そうだったのか。たしかに、もともと魔力操作自体は得意だったので、納得がいく。


「ってことは、リオンとおれは、下限はおんなじなんだな」

「あー! そういうこと言う!? そうだよ! 私はムラがあるの! だから鍛錬しなさいって前も言われて、これでもよくなったんだから!」

「い、いや、そこまでは言ってないぞ……」

「まあ、そんなイチャついてないで、ちょっと静かにしような」


 クラウドに窘められた。

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