第四十話:女子会(元女含む)
「閣下、今日は私の友人をお連れ致しました。」
「夜会以来ですわね、ロザリオ侯爵閣下。」
「「お久しゅうございます。」」
ロザリオ侯爵邸にてアシュリーと共に3人の令嬢【アネット・ドロテア伯爵令嬢&メーチェ・アルセデス伯爵令嬢&ルキナ・アスガルド侯爵令嬢】が訪れた。今日はロザリオ侯爵邸のテラスにて御茶会があり、本来はアシュリーのみを招待する予定だったが急遽、3人の令嬢が飛び入り参加【アルクエイド&アシュリーのプライベート等を観察】する事になったのである
「閣下。突然、申し明けありません。」
「構いませんよ。」
「ロザリオ侯爵閣下。」
3人を代表してルキナが話し掛けた
「何でしょうか、ルキナ嬢。」
「本日はお招きいただきありがとうございます。アシュリー様の友人代表として御礼を申し上げます。」
ルキナがそう言うと深々と頭を下げた。それに倣ってアネットとメーチェも礼儀正しく頭を下げた
「アシュリー嬢、ルキナ嬢、アネット嬢、メーチェ嬢。ようこそ、ロザリオ侯爵邸へ。」
アルクエイドがそう告げると屋敷のテラスに案内した。テラスにはジュードたちが準備を済ませており、マリアンヌ等の侍女たちが椅子を引くとアルクエイドたちは決められた席に座った。座るのと同時にジュードが鈴を慣らすと菓子と紅茶の入ったポットがテーブルに置かれた。ティーカップに紅茶が注がれるとベルガモット(柑橘系)の香りが鼻を漂わせた
「閣下、この香り、【カサンドラ】の出た紅茶【ベルガモット(柑橘系)の香りが漂うアールグレイ】と同じ・・・・」
「ええ、【カサンドラ】から取り寄せたのですよ。アシュリー嬢が気に入っていたようなので。」
「ありがとうございます、閣下。」
「本当にいい香り。」
「私、この紅茶が大好きなのです♪」
「閣下、お取り寄せいただき、ありがとうございます。」
「どういたしまして。」
御茶会は和やかな雰囲気に包まれながらアルクエイドは令嬢たちと談笑をした。するとアネットはある質問をぶつけた
「あの、閣下。質問しても構いませんか?」
「何でしょうか、アネット嬢。」
「はい、アシュリー様のどこか良くて婚約者に選んだのでしょうか?」
「あ、アネット様!」
アネットの質問にアシュリーは驚き、アネットを凝視した。メーチェとルキナも前々から聞きたかったようでウキウキしながらアルクエイドが答えるのを待っていた
「アシュリー嬢の事ですか・・・・」
「閣下、答える必要はございませんよ!」
「メーチェ様もルキナ様も聞きたいですわよね♪」
「「ええ♪」」
アシュリーは顔を真っ赤にしながら止めようとしたが、アネットと同調するようにメーチェとルキナも煽りまくった
「令嬢方、こればかりはプライベートの事ですのでお話はできませんね。」
「「「えええええ!」」」
アルクエイドからプライベートという理由で答えようとしなかった
「せ、せめて○っちょ、○っちょだけでいいですから!」
「アネット嬢、令嬢がそのような下品極まりない言葉を使うものじゃありません!」
「少し、少しだけでも!」
アネットから放たれた発言にアルクエイドは流石にマズイと思ったのか強めの口調で注意をした。それでも懲りずに聞いてくるアネットにアルクエイドは根負けしたのである
「はぁ~、分かりました。少しだけなら教えますよ。」
「「「待ってましたああああ♪」」」
「か、閣下!」
「アシュリー嬢、流石に令嬢たちを抑えるには肉を切らせて骨を断つくらいは覚悟せねばなりませぬよ。」
「「「早く、早く♪」」」
早く早くとせがむ令嬢たちにアルクエイドは「強いていうなら純粋さですかね」と答えた。アルクエイドの口から純粋という言葉にアシュリーを含め4人の令嬢は「えっ」となった
「純粋・・・・にございますか?」
「えぇ。」
側で聞いていたアシュリーも呆気に取られたが我に返りアルクエイドに尋ねた
「閣下、私のどこが純粋なのですか?」
「嘘偽りのなく私を慕ってくれる事ですよ。その純粋さは私には眩しすぎます。」
「そ、そうですか(照)」
「「「うひょおおおお♪アシュリー様の照れ顔、キタアアアアア!!!」」」
アシュリーな照れ顔に過剰に反応する3人の野次馬令嬢(アネット&メーチェ&ルキナ)。そんな3人の様子に気付いたアシュリーは「ちゃ、茶化さないでください」と3人を叱った。側で見ていたアルクエイドは苦笑いを浮かべた
「(この娘たち私がいた現代日本と変わらないわね。)」
「ちょっと聞いてますか!」
「「「怒ったアシュリー様もいけますな(・∀・)ニヤニヤ」」」
「(この娘たちの思考、完全におっさんだわ。)」
「「「閣下!」」」
アシュリーから今度はアルクエイドに矛先を向けた。何故かは知らないが3人は頬を赤く染めながら尋ねた
「閣下はアシュリー嬢と・・・・その・・・・」
「何でしょうか、アネット嬢?」
「き、キスとかしたのですか?」
アネットの口からキスという言葉が出た途端、アシュリーは「な、何を言っているのですか」と顔を真っ赤にしてアネットに食って掛かった
「・・・・何故、そのような事を?」
「こ、後学のために・・・・」
アネットだけではなくメーチェやルキナもウキウキしながらアルクエイドを注視していた
「閣下、喋ってはなりません!これは2人だけの思い出なのですから!」
「アシュリー嬢!」
アシュリーの口から完全に暴露したも同然の発言に思わずアルクエイドはギョッとした顔でアシュリーを凝視した。アシュリーの発言に3人は「キタアアアアア」と興奮したのは言うまでもなかった。アシュリーは秘密にするどころか自分で暴露してしまった事に顔から湯気が出るほど顔を真っ赤に俯いた
「具体的にどのような!」
「アシュリー様!」
「閣下!」
「取り敢えず落ち着きなされ!」
アルクエイドは興奮しきった3人を落ち着かせる事に骨を折った。ジュードたちも駆け付け、これ以上はプライベートの事なのでと3人を落ち着かせ、その後の御茶会は何とか帰らせる事ができたのである。残ったアルクエイドとアシュリーはアルクエイドの部屋へ入った。邪魔が入らないようにアルクエイドは部屋に鍵をかけてから数分後、アシュリーはアルクエイドの謝罪した
「申し訳ございません。このような事に巻き込んでしまって・・・・」
「いや、アシュリー嬢が謝る事ではありませんよ。どうかお気になされずに。」
「閣下は本当にお優しいのですね・・・・私ったら閣下の優しさに甘えっぱなし・・・・」
「アシュリー嬢だからですよ。貴方の事が私にとって大事な存在だから。」
「・・・・閣下。」
アルクエイドとアシュリーの周りにはキスをするに十分なほどの甘くロマンティックな雰囲気が醸し出していた。アルクエイドは意を決して尋ねた
「・・・・アシュリー、キスしても構わないか?」
「・・・・はい、アルクエイド様♡」
互いに近付いた後、愛する者の名を呼び合い、そのままキスをした。2人だけの時間、誰にも邪魔されずアルクエイドとアシュリーは誰にも邪魔されず互いに気が済むまでキスをしあうのであった




