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第二十話:崩壊

「たった500しか集められなかったとは、どういう事だ!」


新国王アラマキがいつでもガルグマク王国に攻める事ができるように兵を集めたが、思うように兵は集まらず500人しかいなかった


「何故、兵が集まらぬ!」


「ははっ、募集をかけてはいるのですが思うように兵が集まらず・・・・」


「だったら無理矢理でも徴兵しろ!女子供であろうが老人だろうが罪人だろうが、かき集めるだけ集めろ!」


「陛下、それはなりませぬ!それでは反乱が起きます!それにガルグマク王国からの返事も待たずに攻めれば我が国は孤立無援となります!」


「くっ!」


「まずは各国に事情を説明し理解を求め、味方を集める方が先にございます。」


「・・・・分かった。」


流石のアラマキも孤立無援という言葉には冷静になった。まずは各国に理解を求め、此度の婚姻の正当性ともしもガルグマク王国が辞退した場合の事も親書に認め、各国に送る事で決まった。アラマキは家臣に親書を書くよう命じた


「畏れながら陛下、親書というものは陛下の直筆でないと・・・・」


「面倒だから、お前が書け。」


「いや、しかし。」


「書き終わったらそのまま各国に送れ。余はこれより後宮へ参って世嗣ぎ作りをせねばならぬのでな。」


本来であれば親書というものは国王が書くものなのだが面倒を理由に家臣に押し付けた事に益々、不安を覚えた周囲の家臣たちは「もう駄目だ」と判断した


「こうなれば、ありのままを伝え、他国へ亡命するしかないな。」


「そうだな。」


「もうこの国は駄目だな。」


家臣たちはアラマキとその一族の悪行を偽の親書に認め、各国に送った。家臣たちは予め国を出る準備を済ませておりいつでも行けるようにしていた


「さらば、我が故郷。」


一方、離宮にて隠居(軟禁)生活をしていた先王ソビエットは王妃の実家であるオーストビア王国へ亡命する準備をしていた


「クロニエ、色々とすまん。」


「それは言わない約束ですわよ。」


王妃クロニエ・サルマン【年齢48歳、身長168㎝、色白の肌、碧眼、栗毛のロング、細身、美乳、彫りの深い端整な顔立ちの美熟女、オーストビア王国の王女】の実家であるオーストビア王国に亡命する計画を立てており、他の側妃や召使たちも賛同した


「クロニエ、せめてアランが生きていればこんな事には・・・・」


アランとはソビエットとクロニエとの間には生まれた息子でありアラマキにとっては腹違いの兄である。本来だったが王太子、次期国王と目されていたが僅か9歳の若さで急死したのである


「それは言わない約束と申したはずですわ。」


「全てはワシの至らぬ故に起きた事だ。あの(アルトリア・サルマン)を側妃にした時点で失敗だったんだ。」


「陛下、過ぎた事を悔いても仕方がありません。今はこの国を出る事が先決ですわ。」


「すまん。」


その頃、ガルグマク王国ではサルマン王国の家臣たちが偽の親書が届いていた。親書には現国王アラマキとその一族の悪行が書かれており、グレゴリーは腹を決めた


「サルマン王国に告げよ、貴国の要求には従わぬ。本日をもって国交を断絶するとな。」


グレゴリーは各国にもサルマン王国との国交断絶する旨を親書に認め、早馬にて各国に送った。サルマン王国内では密かに先王グレゴリーは王妃クロニエの母国であるオーストビア王国へ向かうため、隠し通路を通り離宮を脱出し、そのままオーストビア王国へ向かった


「追手は来ていないようだな。」


「えぇ、今の国王は後宮に入り浸りだから私たちの国外脱出等は問題視していないのではありませんか。それに国王の生母と姫は豪奢な生活に夢中で私たちの事なんかどうでも良いのでは?」


「我ながら何故、あの(アルトリア・サルマン)を側妃に迎えたのが我が生涯の不覚であった。」


「陛下、後悔するなら私の母国に到着してからにしてください。」


「すまん。」


サルマン王国の元家臣たちも家族と召使等を連れて親戚のいる他国へと落ち延びていた


「追手は来ていないようだな。」


「心配は御無用、今の国王とその一族は我が世の春に夢中でござる。我等に構う余裕などはありません。」


「・・・・彼の御方にとって我等など石ころのような存在か。」


「放っておきましょう、今更バカ王の心配をしても仕方がない。」


「もうちょっとオブラートを包んだらどうだ。」


「バカはバカでしょう。あんなバカ王に仕える事自体がアホらしい!」


「んだな。」


その頃、バカ王ことアラマキ王は後宮に入り浸りであったが先王と先妃、主だった家臣たちが逃亡した事を知り、激怒した


「命だけは助けてやったというのにあの糞親父(怒)」


「して如何なさいますか?」


「決まってるだろ、力付くでも連れ戻せ!」


「は、ははっ!」


後宮から去った家臣たちと入れ替わるように母のアルトリアと妹のアーシアが押しかけて来た


「アラマキ、執事と侍女たちが一斉にいなくなったわよ!」


「兄上、私に仕えた侍女の大半がいなくなったわ!」


アルトリアとアーシアの方でも召使がいなくなったと喚いていた。何故、いなくなったのかと聞くと「御遣い」を命じたきり戻って来ないとの事である


「一体全体、どうなっているのよ!」


「それは私が聞きたいくらいです!」


「欲しかったアクセサリーはどうなるのよ!」


3人がギャアギャア喚いていると、1人の家臣が慌てふためいた様子で駆け込んできた


「陛下、一大事にございます!」


「何だ!」


「各国が一斉に国交断絶を通達してきました!」


国交断絶という言葉に3人はわけも分からず「はぁ?」と返事をした。続けて別の家臣が「ガルグマク王国、オーストビア王国を始めとした各国の連合軍が攻めて参りました!」と報告した瞬間、3人の顔は一気に真っ青となり問い詰めた


「攻めて来たって本当か!」


「嘘なら承知しないわよ!」


「そうよそうよ!嘘を言うなら処刑物よ!」


「本当です!国境は既に制圧され、連合軍は王都に向けて進軍しております!」


家臣は冷や汗をかき表情は真っ青を通り越して真っ白になったのを見た3人は・・・・


「逃げるぞ!」


「アラマキ、どこへ逃げるっていうのよ!」


「そうよそうよ!」


「・・・・逃がすとお思いか(小声)」


一人の家臣が指パッチンすると一斉に兵士たちがなだれ込んできた。3人は突然の大勢の兵士がなだれ込んできた事に呆気に取られたが、すぐに我に返り「何の真似だ!」と怒声をあげた


「罪もない民たちを救うには貴様等3人を生贄にするしかない、覚悟して貰おうか。」


「ち、血迷うたか!」


「これは謀反よ!」


「この裏切り者!」


「貴様等だって先王を隠居に追い込んだ謀反人だ。者ども、この謀反人を捕らえよ!」


家臣の号令で兵士たちは3人を取り囲むと、3人は抵抗する間もなく捕縛されたが3人は・・・・


「離せ!私はサルマン王国国王だぞ!」


「無礼者!私は先王の妃よ!」


「先王の娘よ!汚い手で触るな!」


「ふん!」


「「「ぐえ!」」」


3人は喚き散らしながら暴れたが最後は気絶されられ、牢獄へと送られた。一方、各国が結成した連合軍は抵抗らしき抵抗はない状態で王都に辿り着いた。王都に住む国民は既に逃亡しており、もぬけの殻であった。ガルグマク王国騎士団を率いていたモンテネグロ伯爵家当主のウルスラ・モンテネグロはゴーストタウン化していた王都を呆れながら見ていた


「アルクエイド殿の言った通り、サルマン王国の終焉だな。」


連合軍は王宮に入ると白旗を持ったサルマン王国元家臣たちが出迎えた


「我等は降伏致します。その証に国を滅亡へ追い込んだアラマキ・アルトリア・アーシアの3人を捕縛致しました。」


「そうか、御苦労であった。」


「「「「「ははっ!」」」」」


王都は連合軍によって制圧され、サルマン王国は事実上崩壊したのであった




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