第十六話:女子会
ここはゴルテア侯爵家のテラス、アシュリーは女友達3人と御茶会という名の女子会の真っ最中である
「アシュリー様。その後、ロザリオ伯爵閣下とはどのようにお過ごしなのですか?」
「どうとは?」
「私たちは夜会でロザリオ伯爵閣下と御会いしただけでアシュリー様とその御方との馴れ初めを知りません。」
アルクエイドとの仲を尋ねてきたのはアシュリーの友人の1人、アネット・ドロテア【年齢17歳、身長158cm、オレンジ色のロング、碧眼、色白の肌、細身、美乳、彫りの深い端整な顔立ちの美少女】、ドロテア伯爵家の令嬢である
「ん、まあ、可もなく不可もなく、つつがなく過ごしていますわ。」
「できれば具体的に!」
「アネット様、それ以上聞くのは無粋ですわ。」
アネットを窘めたのはアシュリーのもう1人の友人であるメーチェ・アルセデス【年齢18歳、身長169cm、薄い金髪ロング、碧眼、色白の肌、細身、巨乳、彫りの深い端整な顔立ちの美少女】、アルセデス伯爵家の令嬢である
「気持ちは分かりますがこればかりはプライベートですわ。」
もう1人もアシュリーの友人であるルキナ・アスガルド【年齢17歳、身長164cm、銀髪ロング、赤眼、色白の肌、細身、美乳、彫りの深い端整な顔立ちの美少女】、アスガルド侯爵家の令嬢である
「そういうメーチェ様、ルキナ様だってアシュリー様とロザリオ伯爵閣下の恋バナを聞きたくてウズウズしていたではございませんか。」
「いや、私は別に・・・・」
「あ、アネット様の思い違いでは・・・・」
メーチェとルキナは反論するが目を泳いでおり、アシュリーは思わず苦笑いを浮かべつつ、「こればかりは教えられません」と返事をすると、ルキナがアルクエイドとの馴れ初めについて尋ねた
「アシュリー様、前々から聞こうと思っていたのですが確か、アシュリー様はロザリオ伯爵閣下の事を成金貴族と蔑んでおられたはずでは?」
ルキナの問いにアネットとメーチェもうんうんと頷きながらアシュリーを注視していた
「えぇ、私は成金で女遊びが激しいと評判のロザリオ伯爵閣下との婚約を拒みました。それでも父は彼の御方との婚約を勧めていました。」
アシュリーは昔を思い出した。あの時は幼馴染で初恋の相手だったシェズ・アルバートを思い続けたが身分の壁に阻まれ、一度は駆け落ちも考えていたがアルクエイド・ロザリオ伯爵の元婚約者が想い人と駆け落ちし婚約は解消となり、元婚約者の実家はロザリオ伯爵家に多額の慰謝料を支払ったが一度ついた悪評はそう簡単には拭えず、最後は孤立し没落の一途を辿り一家心中した事実が邪魔をして踏ん切りがつかなかった。そんなこんなで父が勝手に婚約を押し進めた。アシュリーが鬱屈した思いでいる一方で先方はというと、どうやらアシュリーを気遣う素振りを見せ婚約を一旦、考え直すよう父に伝えた。その時からかアシュリーはアルクエイド・ロザリオという人物に興味を抱き始めたのは・・・・
「閣下は堂々と自分が成金で女遊びが激しい放蕩者と仰いました。私は恥とは思わないのか、貴族の誇りはないのかと問い質しましたが、閣下はこう仰られました。この世の中、いつ何があるか分からない。貴族の立場にあれど明日は我が身、ふとしたきっかけで家は没落すると。」
それを聞いたアネット、メーチェ、ルキナはゴクリと生唾を飲んだ。3人もアルクエイドの元婚約者とその実家が没落した事を両親から聞いており、アシュリーが言っていたアルクエイドの発言に妙な説得力を感じざるをえなかったのである
「それからというものの、私は閣下に対して失礼な態度を取ってしまったにも関わらず、閣下は私の事を常に気遣ってくれました。その時からでした、閣下に恋心を抱くようになったのは・・・・」
頬を赤く染め、アシュリーの口から恋心という言葉にアネット、メーチェ、ルキナは内心、「よっ!待ってました」ばかりに耳を傾けた。3人の様子に気付いていないアシュリーは続けて・・・・
「閣下の醸し出す大人の男の雰囲気と包容力、キリッとした力強く鋭い眼差し、鼻筋の通った綺麗な鼻、男性的で凛々しく整った顔立ち、凛々しくも颯爽と歩く姿、初めて会った時のあのドキッと胸が高鳴りが昨日の事に思えました。」
3人は「それでそれで!」とばかりに前のめりになった
「一緒にお出掛けした時、閣下は暴漢の凶刃を防ぎ、かつ我が家に仕えていたクラリスが犯罪者の身内である事が分かりました。あの時は私だけではなく両親も兄も驚きました。」
「「「ああ~・・・・って、暴漢に襲われた!」」」
3人もクラリスの実家であるハーゲン男爵家がカバナル商会と手を組み、私腹を肥やしていた事を聞いていたが暴漢に襲われた事は初耳であった
「お怪我とはなかったのですか!」
アネットから怪我の云々を聞かれ、アシュリーはビックリしつつも、「閣下がお気付きになり、未遂に終わりましたので」と答えると3人はホッとした
「でもあの時の閣下の勇姿は今でも目に焼き付いていますわ。」
アシュリーはアルクエイドと婚約を結んで良かったとしみじみと思った。もしシェズと一緒に駆け落ちしたとなれば、きっと後悔の日々を送る羽目になる。物思いに耽るアシュリーの様子に3人は心配そうに尋ねた
「アシュリー様、どうかなさいましたか?」
「えっ?」
「先程から心ここにあらずの状態でしたので。」
「あぁ、これはごめんあそばせ。」
「失礼ながら何を考えておりましたの?」
「ふふ、改めて閣下と婚約して良かったと思っておりましたわ♪」
屈託のない笑みを浮かべるアシュリーに3人は口には出さなかったが内心、「恋バナ聞けて良かったわ」と喜んでいた。御茶会という名の女子会はこうして終わったのであった




