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第十話:婚姻

「アシュリー嬢、ここが私が経営している孤児院だ。」


「ここが・・・・」


アルクエイドとアシュリーと一緒に自分が経営している孤児院に招待した。事前に身分は伏せるよう伝えている


「こんなにも子供たちが・・・・」


「ああ、全員ワケありの子たちばかりだ。」


アルクエイドは身寄りのない子供たちを集め、文字の読み書きや礼儀作法、武術や算術等を教え、独り立ちできるように支援している。勿論、自分の評判を良くするための行動であり、結果として孤児院を出た子たちはそれぞれ役人、騎士、冒険者として活躍している。外で遊んでいた孤児たちはアルクエイドの姿を見ると一斉に近寄ってきた


「「「「「先生!」」」」」


「みんな元気にしていたか♪」


「うん!」


「今日ね、みんなとおままごとしていてた!」


「僕はかくれんぼ!」


「あたしはお勉強!」


「そうかそうか♪」


子供たちに対して屈託のない笑顔で接するアルクエイドの姿にアシュリーは驚きを隠せなかった。すると一人の孤児がアシュリーの方を見て「先生、このお姉ちゃんは?」と尋ねた


「ああ、このお姉ちゃんはな、先生の恋人だ♪」


「そうなの!」


孤児がアシュリーに尋ねた。アシュリーは「ええ、そうよ」と答えると孤児は続けて「じゃあ、結婚するの!」と尋ねるとアシュリーは頬を赤く染めながら「ええ」と答えた


「先生、おめでとう♪」


「ありがとう♪」


「ほらほら、先生のお邪魔はしないの。」


やってきたのは孤児たちを養育しているシャーロット・カルメル【年齢は45歳、身長170㎝、細身、美乳、赤髪ロング、色白の肌、碧眼、彫りの深い端正な顔立ち】が出迎えた


「旦那様、わざわざのお越し、畏れ入ります。」


「うむ、そなたも子供たち相手にご苦労であったな。」


「いいえ、私が好きでやっておりますのでお構い無く。」


「そうか。」


「ほら、貴方たち。先生がこれから大事な話があるから教室に戻ってなさい。」


「「「「「は~い!」」」」」


孤児たちが教室へ戻るとシャーロットは改めてアシュリーの方へ目線を向け、礼儀正しく挨拶をした


「アシュリー・ゴルテア侯爵令嬢様、ようこそおいでくださいました。私はこの孤児院を預かるシャーロット・カルメルと申します。」


「こちらこそお出迎えいただきありがとうございます。」


「シャーロットはロザリオ伯爵家に仕える元メイド長だ。今はこの孤児院を任せている。」


「そうでしたの。」


「アシュリー様。どうぞ、中へお入りくださいませ。」


「はい、では失礼します。」


アルクエイドとアシュリーはシャーロットの案内で客室に到着し御茶と茶菓子を用意した


「何のおもてなしも出来ませんが、どうぞお召し上がりくださいませ。」


「では頂こう。」


「頂きます。」


茶と茶菓子が頂きつつ、アシュリーは孤児院を作った経緯をアルクエイドに尋ねた。アルクエイドは一言、「罪滅ぼし」と返答した


「罪滅ぼし・・・・」


「えぇ、今の地位を築くために薄汚い事を一杯してきた。孤児院を経営しているのも売名行為の部分もあるが孤児たちを救う事は【成金貴族】である自分に出来る唯一の罪滅ぼしだと思ったからです。」


孤児院を作ったアルクエイドの真意を聞いたアシュリーは・・・・


「最初は私は閣下の事を軽蔑しておりました。でも閣下の事を知っていく内に閣下は並々ならぬ御苦労を背負っている事を知りました。」


「・・・・それで?」


「今は閣下の事をお慕い申しております。」


「・・・・それは私との婚姻を受け入れるということで宜しいか?」


「はい。」


アシュリーは真っ直ぐにアルクエイドに向かってそう宣言した。アルクエイドはアシュリーの曇り無き(まなこ)を見た途端、アルクエイドは決心した


「こちらこそ宜しくお願いいたします。」


アルクエイドが頭を下げるとアシュリーも同様に頭を下げた。端から見ていたシャーロットは「あらら♪」とイチャイチャする2人を見て、茶化すように「アツアツですわね、御二方。」と告げるとアルクエイドとアシュリーはシャーロットの存在を完全に忘れていたようで互いに顔を真っ赤にさせ俯いたのである。アルクエイドとアシュリーは孤児院を後にしてそのままゴルテア侯爵邸へと向かった。勿論、婚姻を結ぶ報告である


「閣下。」


「ん、如何されました?」


「いいえ、何でもありません。」


「気になりますね♪」


「内緒です(照)」


ゴルテア侯爵邸に到着するとアルクエイドとアシュリーは執事とメイドの出迎えを受け、客間へと案内された。2人がソファーに座り、待っているとアシュリーの両親であるクリフ&エリナ侯爵夫妻が現れた


「これはロザリオ伯爵殿。」


「突然、押しかけてしまい申し訳ありません。」


「それで如何されたのですか?」


「はい。」


そう言うとアルクエイドはアシュリーの方を向いた。アシュリーもこくりと頷いた後、2人でクリフ&エリナ侯爵夫妻の方へ目線を向けた


「ゴルテア侯爵閣下、ゴルテア夫人、私とアシュリー嬢は結婚を前提にお付き合いする事にしました。」


アルクエイドの口から【結婚を前提にお付き合いする】という言葉が出た途端、侯爵夫妻は目が点となり呆気に取られたが、すぐに我に返り2人に尋ねた


「そ、それは本当か!」


「「ええ(はい)」」


「まあ~。」


「ロザリオ伯爵殿、娘と婚姻を結ぶという事で宜しいのか!」


「だからそう申しているのです。」


「アシュリー、本当なの!」


「お母様、何度も申し上げております。」


「あ、ああ。そうか、いや、私とした事が、ははは。」


「そ、そうですわ、おほほほ。」


クリフとエリナは何とか冷静になり、気を取り直してアルクエイドに向き合った


「ロザリオ伯爵殿、娘の事、宜しくお願い致します。」


「はい、こちらこそ末永く宜しくお願い致します。」


「アシュリー、ロザリオ伯爵家に嫁ぐからには恥ずかしくないようになさい。」


「はい、その事は承知しています。」


「ロザリオ伯爵閣下、娘の事を宜しくお願い致します。」


「はい、末永く宜しくお願い致します。」


両親に正式に婚姻を結んだと同時刻にアシュリーの兄であるレオンが帰宅し、婚約を結んだ事を報告するとレオンはアルクエイドに向かって「不束な妹ですが宜しくお願い致します。」と挨拶をした。アルクエイドも「こちらこそ末永く宜しくお願い致します。」と挨拶を返した。女子の結婚年齢は18歳からであり、アシュリーが18歳になったら結婚する事で合意を取り付けた後、アルクエイドとアシュリーはそのままロザリオ伯爵邸に馬車を走らせ到着した。屋敷前で掃除していたメイドがジュードに知らせに行くとジュードが足早に駆け付けた


「旦那様、お帰りなさいませ。」


「出迎えご苦労だ、ジュード。」


「ははっ。丁度良い時間に帰られました。先程、御領地より御母堂様がお越しになられたのです。」


「そうか、なら丁度良い、実はなアシュリー嬢も一緒なんだ。さあ、アシュリー嬢。」


アルクエイドが呼ぶとアシュリーは顔を出した。ジュードはアシュリーを見た途端、すぐに折り目正しく挨拶をした


「これは失礼を致しました。私はこの屋敷の家令を務める、ジュードと申します。」


「御初に御目にかかりますわ。ゴルテア侯爵家令嬢のアシュリーと申します。」


「あら、随分と騒がしいですわね。」


そこへ現れたのはアルクエイドの実母であるユリア・ロザリオ前伯爵夫人【年齢は49歳、身長168㎝、漆黒のロング、色白の肌、碧眼、細身、美乳、彫りの深い端整な顔立ちの貴婦人】が現れた


「母上、遅くなって申し訳ございません。」


「まあ、いいでしょう。せっかく息子が婚約者を連れて来たのだから良しとしましょう。」


ユリアがそう言うと、アシュリーの方へ向き直して挨拶をした


「ごきげんよう、私はユリア・ロザリオ。アルクエイドの母でございます。」


「御初に御目にかかります!ゴルテア侯爵家令嬢、アシュリー・ゴルテアと申します!」


「アシュリー嬢、貴方の事はアルクエイドとジュードから聞いていますわ。ささ、立ち話も何ですから中へ入りましょう。アルクエイド、アシュリー嬢と一緒に来なさい。」


「「はい。」」


その後、アルクエイドとアシュリーはユリアに正式に婚姻を結ぶ事を報告した。ユリアからは「アシュリー嬢、愚息の事を宜しくお願いいたします。」と頭を下げた後、アシュリーも「こちらこそ末長く宜しくお願いいたします。」と頭を下げた。頭を上げたユリアはアルクエイドに向かって「アシュリー嬢を泣かせるような事はしないでちょうだい」と念を押され、アルクエイドも「勿論、そのつもりです」と答えた。こうして両家は正式に婚姻関係を結ばれたのであった


「アシュリー嬢が18歳になったら正式に結婚しよう。」


「はい♪」







ここからは不定期更新になります

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