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VS勇者

「そうでしたか……実は、俺達はある人物を探していましてね?」


「はい。その人物とは」


「それが……トラックに乗った人物としか解らなくて」


「もしかして俺ですか?」


「いや、実はこの世界には既に何台かのトラックが転移して来ていますので確実とは言えないのですが」


「ああ、それで俺に確認を」


「はい」


 勇者は頷いた。


「俺達はここより西のイロハニ帝国に召還された者達で、実を言うと、昨日の戦争にも参加をしていたんですよね」


(あ~、これヤベーやつだ)


「そこでちょっ……と、やっちゃいけないことをやっちゃったトラックがいまして」


「はあ」


「それで俺達はわざわざ東のホヘト王国まで潜入して来た訳ですが」


「はあ」


「もう、お解かりなんじゃないですか?」


「俺を始末に来たと?」


「いや~そりゃそうでしょう。今や貴方は大量虐殺者だ」


「それは俺だって仕方無く……」


「ですがここエヒモセスでは死刑確実な結果です。確かに貴方個人のステータス画面を見た限り同情はしますが、戦場でのあんな脅威を見せられてしまった以上はここで処分させていただく他はありませんね」


「そんな。何とか見逃して貰えませんか」


「いや、俺達にも後ろ盾になってくれるイロハニ帝国での立場がありますから……とは言え俺も勇者、無抵抗の相手を殺すことは好ましくありません。そこでどうでしょう? 俺と一騎打ちと言う形を取らせて頂けませんか?」


「い、一騎打ち……ですか?」


「おっと、逃げられませんよ?」


 後ずさる運の背後に一瞬にしてアサシンが回り込んだ。


「でも勇者さん……お強いんですよね?」


「これでもまあ、魔王討伐直前の勇者パーティと言った感じですかね?」


「……どちらかが死ぬまで、ってやつですかね?」


「ははっ。そうですね、どちらかが、です」


 運は肩を落とした。


「……どう言うルールなんですか?」


「何でもありです。トラックに乗った状態からでも良いですよ。ただし、動いた瞬間からスタートとさせていただきますが」


「スピード乗ったら厄介だしね~」


 横から魔法使いが言った。


「解りました。じゃあ、始めましょうか」


 運は数メートル、勇者から距離を取った。


「話が早くて助かります。あれ? トラックは出さなくて良いんですか?」


「別に構いません、エンジンは始動しますが。イグニッション」


「いや、まあ。諦めたい気持ちは解りますが……失礼ですが貴方の生身のステータスでは」


「ったく、ごちゃごちゃうるせーな。どっちにしろ殺るつもりなんだろ?」


 豹変した運に勇者の顔つきが変わった。


「良いでしょう。ではせめて初撃は貴方に譲りましょう。お好きなタイミングでどうぞ」


「解ったよ。じゃ、行くぞ?」


「はい」


 そして二人は構えた。のは一瞬だった。


 瞬きを挟んだような一瞬の後、勇者の姿は消え、運の体は遥か数十メートル先にあった。


「は? 何が起きたの? 瞬間移動?」


 魔法使いが言った。


「そんな馬鹿な……ありえねーだろこんなん」


 アサシンは膝を落とした。


「塁、一体何が起こったの? 春斗はどうなったの?」


「春斗は……死んだ」


「えっ?」


「アイツ……化け物だ。トラックが出現したと思った瞬間、野球ボールみたいな速度でトラックが吹っ飛んで行ったんだよ……。春斗は、粉々だ」


「えっ? 嘘でしょ?」


 そこへ運が戻って来る。


「スキルロケットスタート。初速から最高速度で突っ込めるスキルだ。俺様にはG耐性もあるからな。遠慮なくやらせてもらった」


 アサシンはダガーを逆手に持って臨戦態勢を取った。


「コイツは危険だ、ここで殺すしかない」


「あ~。勇者とかアサシンとか、俺様にはちっとも理解できねぇし、そっちが勝手に挑んで来るのは構わねぇけどよ、俺様からも一つ質問いいか?」


 運は不敵に笑った。


「轢かれる側の人間が、どうしてトラックに勝てると思うんだ?」

次はVSアサシン、VS魔法使いと進みます。

が、ストックが無いのでここから先は需要があれば……です。

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運と久遠……そしてトラック


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hyoushi
備前正義と笹石加奈子のイメージ


― 新着の感想 ―
[良い点] とても斬新な設定で戦いの描写は真面目なシーンのはずなのに、 そのシュールさでついつい笑ってしまいました。 めちゃくちゃ面白いし、めちゃくちゃ続ききになるので是非更新してくださると嬉しいです…
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