表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/110

異世界勇者パーティ

 戦場を抜け街を見つけた運は街道から離れた位置にトラックを停車させた。どうやれば街に入れるのか等を考えた結果、その日はトラックの中で寝ることにした。長距離トラックには運転席の後ろに人がゆったり足を伸ばして寝られるだけのスペースがある。


 そして翌朝。


「うわ、エグいなこのレベル。一体俺は何千、いや何万人やっちまったんだ……とは言え、殺らなきゃ俺が殺られていたはずだし……」


 そこでナビ画面に表示された自分のステータスを確認していた。


「トラックは武器兼防具みたいなモンか。とにかく昨日みたいに命の危険は避けたい。俺こう言うの良く解らないから、とりあえずトラックに全振りしとくか。いざと言う時シェルターにもなるだろうし……一応スキルも把握しておいた方が良さそうだ」


 しばらくナビ画面を操作するうちにその手が止まった。


「……ん? このスキルは?」


運転手トラックの固有スキル運ぶもの。このスキルは撥ねた対象を異世界に飛ばすスキルです。西軍兵も何処か無数に存在する異世界に転移または転生したものと想定されます」


「殺した訳じゃないってこと?」


「定義によります。エヒモセスからの消滅を意味するなら……」


「説明は良い。きっと皆幸せなはずだ」


「かしこまりました」


「さて、ステータスの確認も済んだし、あとはどうやって街に入るかだが……」


 エヒモセスでは長距離トラックを想定した街の作りになっていないことが門の大きさだけを見ても容易に判断できた。


「トラックを収納可能なスキルでも取得しておくか」


 コンコン、そこへトラックをノックする者があった。運は窓を開けた。


「はい、何でしょう」


 呼び掛けた者達は四人組の男女であり、見た目から冒険者と解る格好だった。


「お聞きしたいことがあるのですが、少しお話をよろしいですか?」


 鎧を纏い剣を背に納めた男が言った。


「はい、解りました」


 運はトラックを一瞬にして収納し地に降り立った。


「やはり、その格好は転移者ですよね?」


「あ、解りますか? と言うことは」


「はい。俺達も転移者または転生者です。俺は結城ゆうき春斗(はると)、勇者です」


「俺は毒島ぶすじま(るい)、アサシン」


「アタシは市川いちかわあいり、魔法使いです」


「わ、私は……クオン、ヒーラーです」

挿絵(By みてみん)


「これはこれは。俺は……運転手? の日野と言います」


「運転手、そのままですね」


 勇者は苦笑いをした。


「本当ですよ。ほら、この通り」


 運はナビ画面のみを出現させ、ステータスを表示させて勇者に見せた。


「うわ凄い。自分のステータス画面なんて普通は簡単に確認できないんですよ?」


「あ、これトラックのナビ画面なんです」


「トラックにこんな利点が」


 勇者は更に笑った。


「しかしまだステータスはそんなに高くないですね、日野さんはエヒモセスに来たばかりなんですか?」


「はい。実は昨日、気付けば転移してまして」


 答えた瞬間、勇者パーティに緊張が走ったのが運にも解った。


(あれ、もしかして迂闊に喋り過ぎたか……?)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ▲▲高評価もお願いします!!▲▲
 ▼▼ついでにポチっと投票も!▼▼
小説家になろう 勝手にランキング




■■■■■■ 書籍化のお知らせ ■■■■■■
読みやすく地文も整え、新たにシナリオも追加しました!
アンリミテッドならタダで読めますので、よかったら読んでください!
hyoushi
▲▲画像タップで【異世界トラック(kindle版)】へジャンプ▲▲


■■■■■■ 書籍化のお知らせ(ここまで) ■■■■■■




 ▼▼なろうサイト内のリンク▼▼
超リアリティから超ファンタジーまで!
幅広いジャンルに挑戦しています!
よろしくお願いします! ↓↓

▼▼画像タップで【異世界トラック】へジャンプ▼▼
hyoushi
運と久遠……そしてトラック


▼▼画像タップで【リビングデッド】へジャンプ▼▼
hyoushi
備前正義と笹石加奈子のイメージ


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ