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エルフ(長耳)

 夜、運は金属がぶつかり合う音や強風の音で目が覚めた。


 それはどうやら森の奥から聞こえてくるようだった。


「久遠、すまないが起きてくれ。少し外の様子が変だ」


「何? お兄ちゃん」


「何かが森の中で争っているようなんだが」


「ん? ちょっと待って……私も少しは補助系魔法使えるから。ナイトサイト、ファーサイト」


「おお! 凄いな。視界が明るいし遠くも見える」


「どうやら誰かが戦っているみたい……片方はエルフ、かな?」


「エルフッ!?」


「ど、どうしたのお兄ちゃん?」


「い、いやあ。エルフと言ったらトラックだよなあと思って。そうだよな、ここは異世界なんだし、エルフと言ったら長耳のエルフだよな」


「変なお兄ちゃん……それよりあのエルフの人、何かと戦ってるみたい、見えないけど」


「相手が見えない?」


「うん。もしかしたら不可視のスキルか何かかも」


「厄介そうだな」


「でも、それと戦っているあのエルフの人も相当の実力みたい」


「しかも良く見れば女のエルフじゃないか」


「女だと何が違うの?」


「フフフじゃないか」


「……お兄ちゃん」


「……スマン」


「まあ、男の人のロマンなんでしょ?」


「解ってくれるか!?」


「仕方なくね」


 久遠はため息をついた。


「でも、だいぶ追い詰められてるみたいだけど。どうしよう、エルフ狩りとかなのかな?」


「なんか何処に行っても物騒だよな、異世界って」


「どうする? 助ける?」


「トラックで森の中じゃ戦えないだろ」


「助けたら何かが始まるかも知れないのに?」


「……名残惜しいが命も惜しい」


「わ! 待って! こっちに向かって来る!」


「ちょ! 待て待て待て!」


 運が運転席に飛び込んでトラックを動かそうとするよりも早く、吹き飛ばされて来たエルフはトラックの荷台に衝突して地に伏した。


「どうしようお兄ちゃん。勝手に巻き込まれちゃったみたいだけど」


「まあトラックの中にいれば安全だと思うが……暫く様子を見るか。ナヴィ、死角を画面表示してくれ。音声も拾って」


「かしこまりました」


 ナビ画面に必死に起き上がろうとするエルフの姿が表示された。


 見れば絶世の美女である。そこへ三人の男が下卑た笑みを浮かべて歩み寄る。


 そしてエルフはあの台詞を言った。


「くっ! 殺せ……」

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