緊急事態宣言を発出します!!
「つづいてのニュー…はっ!そ、速報です。現在東京で謎の感染症が発見されたとのことです。現在感染者は2名見つかっており、どちらも20代の若者であるということです。」
なんだ、感染症?また風邪とかインフルエンザの類だろ?医療先進国の我が国で心配するようなことではなかろう。
俺風間谷隼也は自室のソファに寝転びながらニュースを見ていた。このあと起こる災厄のことなどつゆしらず…。
〜翌日午後8時〜
「えー、現在確認されている症状は微熱と中度の咳だそうです。これにより、感染経路は飛沫という見方がされており――」
ピッ。テレビの画面は消されてしまった。こんなつまらんニュースみてても仕方がない。どうせ手洗い消毒マスクの着用ぐらいしかとれる対策はないのだ。潔癖症気味な隼也はその性情ゆえに生まれてこの方感染症などの病気にかかったことがない。この調子で今回の感染症もかかることはないだろうと思った。そして、いつものようにシャワーを浴びてソファで寝てしまった。
「続いてのニュースです。昨夜から秋葉原などでメイドカフェの利用者数が急増しているようです。一体なぜ急増したのでしょうか。」
画面はアナウンサーから資料映像へ切り替わる。
「凄まじい数の人が並んでいるのは――こちら秋葉原で1番人気のメイドカフェです。」
「専門家によると、」
メイドカフェの専門家ってなんだよ。それより原因不明って…。
なにやら嫌な予感がしたが、すぐに明日のプレゼンのことを思い出し、せっせと資料作りを再開する。
「続いてのニュースです。先日から感染者が発見されている謎の感染症ですが、今日は都内で20人の感染者が発見されました。保健所によりますと、感染経路は飛沫で、20人のうち15人は秋葉原のメイド喫茶でのクラスター感染とのことです。これについて専門家は――。」
今日は20人も感染したのか。感染力はそこそこあるようだな。それに、メイド喫茶ばかり
「さらに、街では不可解な現象が起こっているようです。現場の須藤さん。」
不可解な現象?一体なにが起こっているというのだ――