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ゼロとイチの大地  作者: 椎名焦茶
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第8章「自分最強って思ってる人いるよね」

 次の日、残りの作業を仕上げるためサイトに行ったケンゾーは目を疑った。タバコを吸う人間ならポロッと(くわ)えタバコが落ちるところであった。

 幸いケンゾーはタバコを吸わないので、ポロッといったタバコの灰が室内に散乱する心配はない。

「なんじゃこりゃー!」

 サイトの様子が昨日までとは明らかに違っている。違っているというより、まるで別サイトだ。アダルトな広告が点滅し、画面を閉じるとアダルトサイトに飛ばされる仕掛けまでしてある。

 復旧させるには一時的にサイトを閉鎖させるしかない。

「おいおい…俺の作業が水の泡だよ。つーか何これ?」

「アハハハハ!来たな2流エリミネータ!!どうだ気に入ったか?いい感じのサイトになっただろ!」

 タナカが数人の仲間とニヤニヤしながらアダルト看板の陰から出てきた。

「お前…反省しやすい所に送ってやったのに」

「おめーのお陰で大変だったぜ!被害届けも出ていないからな。すぐに釈放だぜ」

「これだから事件の件数が減らないんだ…事件を未然に防ぐって考えはないのかねー?事件おきちゃったよ」

「昨日は油断もあったからな!今日は確実に殺すために、悪ぃけど仲間呼んだんで!」

「油断とか仲間呼んだとか、本当に悪の組織みたいだな」

 タナカと悪の組織構成員たちは自慢気に改造箇所を話した。「クリックするとグロテスクな画像が画面いっぱいに表示される精神的ブラウザクラッシャー仕掛けたぜ!」

「バーカ。今どき引っ掛かる奴いねーよ!やっぱり表示ページ自体をウィルスに感染させとかないと」

「とにかくこんなサイト、ボロクソにしてやるよ!もう大分ボロくなったけどな!アハハハハ」

 タナカはザマアミロ!と笑いながら言った。

「ごちゃごちゃうるせぇ。で、結果お前らがサイト破壊やったんだな?」「そう言ったけど!聞こえなかった?」

 比較的適当な事でも、持ち前の『面倒くさい』で乗り切るケンゾーだが、さすがに復旧作業にかけた時間が無駄にされた事と、自分達が一番強いと思い上がった態度がムカついた。

「オーケー!お前らのしたことの責任を取らせてやるよ」

「ほざけ!2流エリミネータがっ」

「それも頭にくるんだよなー。こちとら【天然】だっつーの!あと『ほざけ!』とか言うな。時代劇じゃあるまいし。かかって来い!この悪の手先めっ」

 そう言って、ケンゾーは自分の言った言葉が正義の味方っぽいなあ、と思いニヤリとした。

 タナカたちは、ケンゾーを囲むと、思い思いに空間ロック、データ改変、完全削除を試みた。

 ケンゾーは、面倒くさそうに片手ですべての攻撃をはじくとタナカたち全員にロックをかけ、首から下をサイトの地面に埋め込んだ。

「これからサイトの復旧作業するからそこで見とけ。作業の間、うちのピータがお前らの頭をガリガリ前足で引っ掻くが、穴掘りはウサギの習性だ。我慢しろ。それで、こらえる気持ちを養え。あと、たまに俺がお前らの頭を叩いて歩くが習性だ。我慢しろ」

「ふざけろよ!そんな習性あるかよ!出しやが…!」

『スパーン!』

「指導ーっ!」

 タナカが喋り終わる前にどこから取り出したのか【根性注入!】と書かれた座禅の棒をフルスイングし、タナカのおでこをひっ叩いた。

「言葉づかいに気をつけろ。サイトの復旧が先か、お前らの頭の形が変わるのが先か」

「痛てーな!このヤロ…!」

「指導ーっ!」

『ピターン!』

 今度はフルスイングでビンタした。

「気をつけろと言ったんだが?理解できないか?」

 ケンゾーの手加減なしで叩く姿を見て、ようやくタナカたちは黙った。

アクセス数が日に日に増加しております。読者様には感謝感謝です!この場を借りて御礼申し上げます♪

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