新型コロナウィルス感染症についてつらつらと
日本国内で最初の感染者が報告されてからおよそ一年が経過した新型コロナウィルス(COVID-19)感染症(以下、新型コロナ感染症と略す)。連日のように総理始め、各省の大臣やいろいろな立場の政治家、都道府県知事、市区町村長が記者会見その他でいろいろな情報を発信している。ところが、作者のまわり――主に会社の同僚だけど――の様子を見ると、正しく伝わっていないなというのがよく見られる。
そして改めて情報を集めて整理してみると……よく知られていることだが、マスコミ……いやマスゴミと表現した方がいいだろうか、とにかくメディアの報道がおかしいことに気付かされた。
一応、「正しい、あるいは現時点では正しいと思われること」をベースに、色々と書き連ねて置こうと思って……とりあえず、書き始めてみようか。
~そもそもこの感染症について~
変異種については詳細が確認出来ているとは言い切れないので、初期の頃のウィルスの振る舞いについて言うと……
・潜伏期間が平均二週間
・発症しても症状が出ない人もいる
・無症状であってもウィルスをばら撒く
・発症の二日程前が一番ウィルスをばら撒くと言われている
・飛沫感染であると見られている
潜伏期間とか無症状は、まあ今更の話だけど、発症前に一番ウィルスをばら撒くというのは結構厄介と言える。
あとは飛沫感染。このタイプの感染はマスク着用が非常に有効で、マスクが店先から消えたり、フリマアプリで高額売買されたりというのは記憶に新しい。
なお、マスゴミは「エアロゾル感染ではないか」という推測の中の「エアロ」に着目して「空気感染だ!」と騒いだりもしていたようだが、本当に何も調べてないんだなと言うのがよくわかる一例だ。
~ダイヤモンド・プリンセス号の大きな誤解~
日本で大々的にコロナコロナ言い出したのは、このダイヤモンド・プリンセス号と言っていいだろう。その対応が「酷い」「ダメ」「何やってんだ」とマスゴミが連日叩き続けたのも記憶に新しい。
ま、そもそもの前提がおかしいんだけどね。
ダイヤモンド・プリンセス号は確かに日本で建造された船だが、船籍はイギリス。つまり、あの船の中は、たとえどこかの港に寄港していたとしてもイギリス国内であり、日本政府はあの船の中でのアレコレに口を出すことは出来ない。実際、感染者が出た、というのも横浜に寄港するまでの間であって、ますます日本政府がどうこう出来るような話では無かった。
では、港に接舷して何をしていたのかというと……検疫。入国者が変な病気を持ち込んでいないかという検査であって、言い方を変えると、入国審査に該当。だから、船内のゾーニングが徹底されていない!なんて騒いでいた人もいたようだけど、日本政府としては「こうしてみたら」というアドバイスは出来ても「こうしろ」と強制は出来ない。アドバイスを受けた船長が何をどうするかという話でしかないので、ゾーニングが不十分と言われてもねぇ……
ちなみに、船籍がイギリスという情報がきちんと伝わっていなかったのか、海外のメディアからもフルボッコにされた、日本政府及び対応された関係者の皆様には感謝の言葉以外思い浮かびません。ちなみに、欧米のきちんとした政府機関は日本の対応に一定の評価をしており、何の考えも無く乗客を解放した一部の国はその後の対応に苦慮していたのは言うまでも無い。
なお、このダイヤモンド・プリンセス号の感染状況や、患者の診断などは新型コロナ感染症研究において非常に貴重な調査結果となったと言われている。感染経路、どのくらい感染しやすいのか、どんな症状が出るのか、等々がその後の日本の対応方針を決める際の指針になったとも言われているが、詳細は不明である。
~PCR検査の嘘、ホント~
一時期――と言うか今でもそう言う風潮があるが――マスゴミは「PCR検査数が少なすぎる!検査しろ!検査しろ!」と連呼していた。ケンサーズなんて単語も生まれるくらいに。
確かに、コロナ騒ぎが始まったばかりの頃は、日本の検査数は欧米に比べると少ないという事実があったのだけれど、今となってはその検査数、つまり検査対象の絞り込みは正しかったとも言えている。
そもそも、PCR検査は精度が今ひとつで、実際に診断している医師たちの感覚で言うと、三割~七割程度という認識だそうだ。幅が広すぎてわかりづらいが……それだけ信用していいのかどうか微妙な検査とも言える。
つまり、最悪の三割で行くと、陽性なのに陰性という診断をしてしまうケース――偽陰性と言う奴だ――が七割もあると言うことになる。勿論、実際にはそうならないように色々してるんだけれど。
それに検査して陽性だ!となってもその後が続かない。
話が少しそれるが、作者は数年前にインフルエンザにかかった。朝起きたら三十九度近い熱があり、すぐにかかりつけ医に行き、「インフルエンザですね」と診断を受けて、タミフルを処方され、後述するのでわかると思うけど、家に帰らず実家に帰ってすぐ飲んで寝た。
ちなみに家と実家は車で二分の距離である。盆暮れ正月の帰省?毎週だって帰省出来ますが何か?
夕方には熱は下がり、その後上がることは無く、数日後にもう一度検査して「はい終了」となった。
タミフルすげぇと思ったんだけど、新型コロナ感染症にはそう言うレベルの特効薬が無いので、「検査すれば満足」みたいなマスゴミの物言いはかなり引っかかる。検査はあくまでも検査であって、検査結果を見て治療が始まると言えるのだから……
そして、日本はPCR検査というツールを海外と全く違う使い方をしているのだが、その辺の方針をきちんと示しているわけではない。マスゴミがこんな調子だから、余計に伝わらないのだが。
海外ではPCR検査を『陽性者を洗い出すツール』として使っている。だからとにかく検査しまくる。
一方日本ではPCR検査を『感染しているかどうかを判断する材料の一つ』として使っている。検査にかかるリソースを極力減らすための工夫であり、効果的なやり方でもある。
例えば無作為に選んだ一万人を用意し、検査をするとしよう。その中に百人の感染者がいるとする。
海外では一万人全員の検査を行う。何が何でも全員。多分百人洗い出せる……かどうかは微妙。先に書いたとおり、PCR検査の精度の問題で。何となくだけど二百人位を陽性判定しそうな気もする。しかも、偽陰性での見落としも込みで。この場合、陽性率は二百分の一万で、二%。
だが、日本はその一万人に聞き取り調査を行い、明らかにヤバいとか、怪しい、あるいはヤバい人の家族、行動圏内にいた人などを洗い出し、五百人程度を対象にPCR検査を行う。多分数字的にはそんな感じになりそうだ。海外同様に仮に二百人が陽性判定になったら……二百分の五百で何と陽性率四十%になる。陽性率って本当に意味のある数字なのかどうか、疑問になってくるのは気のせいか。
どちらのケースも擬陽性、偽陰性が発生するので、新たな感染者が生まれる可能性は勿論ある。だが、一万人の検査にかかるコストと五百人の検査にかかるコスト。そしてそれぞれの洗い出しの精度はどうだろうか?
負担を少なく、効果的に洗い出すという意味では日本のやり方は欧米のしらみつぶし方式よりも良い方法なのでは無いか、と思う。
ちなみに医者の中には「PCR検査なんてしなくてもいいだろ」とまで言う人もいる。無症状はともかくとして、症状の出ている場合は診察すればだいたいわかるんだとか。さすがに全く検査しないのはどうかと思うけどね。
~残念すぎる基準と風評被害~
一応作者も結婚していて、妻は総合病院勤務である。だが、医師でも看護師でも無い、念のため。だけど、医療従事者の一人なので、毎年インフルエンザには気をつけている――だから、作者がかかったときは自分で自分を隔離するために実家へ行ったのだ――し、新型コロナ感染症もかなり気をつけている。
今のところ新型コロナ感染症の患者は受け入れていないと言うことだが、あくまでも病床数の関係とかの話であって、いつ話が来るかはわからないと言う。実に大変な仕事だと思う。
で、教えてもらったのが「病院クラスター」の真相。
非常に極端な例だけど、という前置き付きで「こう言うのもクラスターになる」というケースを教えてもらったのだが……
例えば軽い病気やケガで数日入院していた患者が退院になったとする。そして、患者が高齢者だったりすると、退院後の受け入れ先が高齢者施設だったりすることも多いので、退院にあたって、施設側からPCR検査を要望される。で、検査してみたら陽性だった、となると大騒ぎである。
まあ、どこから感染したのかはわからないが、入院する直前に感染していて……と言うことも珍しくない。ウィルスに接触しただけではPCR検査が陽性になることはないので。
さて、入院していた病室が個室では無く四人部屋だったりすると、同室の残り三人は濃厚接触者と言うことになり、検査対象に。そして、担当していた医師、看護師だけで無く、職員全員――清掃員や事務員まで――が検査対象になったりするケースもある。で、そうすると結構出てくるんですよ、陽性者。それが、最初の患者と接触が無い、全く違うフロアの患者や職員からも。
でも、感染経路に関係なく、病院施設内で五人以上の感染者が出たら……クラスター認定です。
病院内で感染が広まっていなくても、クラスター認定です。
そんな馬鹿なと思っても、感染経路を完全に特定するなんて不可能なので、クラスター認定されちゃいます。
そして、市町村あるいは都道府県が病院名を公表しちゃいます。
極端なケースですけどね。
新型コロナ感染症はとにかく感染しやすく、気付きにくい感染症。医療機関が細心の注意を払っていても、こう言うケースは発生してしまうことがあり、発生したが最後、地元マスゴミからフルボッコに。
ついでに、風評被害もスタートです。
日夜頑張っている医療関係者もこれじゃ心が折れますね……
さて、風評被害は意外なところからも出てきます。
ごく一部の医療機関を除き、基本的に新型コロナ感染症の患者がどこに入院しているのかはあまり公表されていません。まあ、それでも入院している患者、患者の家族からそれとなく広まる物なので、何となく知っている人も多いでしょう。
で、患者を受け入れている病院にしてみれば、あまり大々的に公表するようなことでも無い――守秘義務とかありますからね――ので、「ここを新型コロナ感染症患者専用のエリアにしよう」と隔離して、一般の患者は勿論、働いている職員であっても、関係者以外立ち入り禁止にして対応しています。
でも、外から見えたりするんですよ、建物の構造によっては。防護服を着て歩いていたり、着脱して消毒して、なんてのがほんのわずかなところから見えたりするんです。
すると、患者がこう言い始める。
「アレは一体何だ?」
なんて説明すりゃいいんだと答えに窮したりしたらもう大変です。
「あの病院はクラスターが発生している。公表されてないぞ」
ここまで酷いのは無いと思いますが、そう言われかねないので大変だと、他の受け入れをしている病院の職員が言ってた、と妻が教えてくれました。
こう言う時期だからこそ、憶測だけで言われていることをきちんと嗅ぎ分け、「憶測で物を言うな!」と遮断出来るようにしたい物ですね。