『ナニカ』
前回の投稿からタイムスリップした並みに時間が空いてしまいましたが、今後とも時間が掛かりますが少しずつ投稿していきたいと思います。
今回はリハビリがてらの短編作品となります
誰もが寝静まる時間、突然の物音に目を醒ます。
気のせいだろう。そう思い、布団を被るが。
聞こえた、凄く、とても小さく、気のせいと感じるほどの音。
ナニカを叩く音だった。
嫌な想像をしてしまい、もう寝る気分でもなくなってしまった。
まだ覚醒し切っていない体を無理やり起こし小さな物音がする方へ向かう。
しかし、音は近づくと消えてしまい、当然だが音がしたであろうリビングにはなにもない。
また、物音がする。今度は廊下から・・・ナニカを引き摺る様な音。
物音ならば偶然で済ませられたがこれが連続となれば状況は変わってくる。
一度、高まる動機を抑え廊下へ向かう。
何もない。舌打ちを挟みつつも内心ではホッと心を撫でおろし、気が緩む、その時だった。
------------------ひた・・・。
聞こえた。確かに今、足音が聞こえた。
「ひた・・・ひた・・・。」
少しの雑音でかき消されそうな足音だが、だれもが寝静まる中、ましてや今の状況ではより一層、音は大きく聞こえた。
ゆっくりと、しかし確実に。足音はこちらに向かって近づいてくる。
「ひた・・・ひた・・・。」
確実に縮まる足音に体は金縛りにあったかのように動かない。
「ひた・・・ひた・・・。」
とうとう、自身の後ろまで近づく足音にこう思うほかなかった。
------ナニカいるんじゃないのか?
ゆっくりと首を動かす、目を限界まで後ろに向け最小限の動きで後ろを観る。
やはり、何もいなかっ------------------。
楽観的な希望から生じた絶望、身が強張り体が動かない。吐いた息に代わる空気が吸い込めない。
気が付けば自身から一番近い扉、視界の端で静かに開いた扉を凝視していた。
まるで誘われているかのような、そう感じたときには半分ほど開かれた扉。
ただしくは扉の向こうに見える室内に意識が吸い込まれるほど魅入ってしまっていた。
行ってはいけない、今からでも何事も無かったように寝室に戻れば無問題のはずだ。
しかし、それと同時に自身の足は驚くほど震えていた。その様の現状に頬は引き攣り、頬はそこから動かなくなった。
もし・・・もしなにもいなかったら?
今まで起きた少しの出来事が実はなんの他愛もない事で、少しだけ場の雰囲気に流されているだけだったとしたら?
生唾を飲み込む。心臓が早鐘の様に鳴り響き、脳は大量に送られる血液に躍動する。
ゆっくりと、一つの動きで全てが終わってしまう。そんな雰囲気の中で・・・。
扉の向こうを、覗き込む。
------------------ニャー。
猫だった。そこにはとても愛くるしい猫が此方を見つめていた。
------------------ニャー。
異常な状況から抜け出しようやく処理が追いついた脳に軽くその場で伸びをした。
「この猫はどこから入ってきたのだ?」
緊張が解け、呟いた独り言を最後に意識は飛んでいた。




