45話 outエーテル in異法
僕は倒れ込む少女をなんとか抱え込むと、ゆっくりと地面に横たえた。
体は傷だらけで血や泥で濡れており、ローブは穴だらけ。腹部に致命傷を負っているのか、血が溢れ続けており、見えてはいけない臓器が目に入った。だが、脈は触れていて、首元の動きから呼吸はまだ止まっていないのがわかる。
僕は急いで、治癒エーテル"トランスフュージョン"を詠唱し、少女の傷を癒そうとするも傷口が塞がったと思うとすぐに裂け、出血。それを繰り返した。
「僕ではダメだ。エビル、なんとかできない?」
「私が?なぜ?それにここでは使えな、、」
「いいから、早く!」
エビルは頭を掻きながら、うーん、仕方ないなと
というと異法"第108番!やすらぎ"を造形させた。
それは黄色く眩い光で、少女全体を覆うと傷口の出血は緩やかになっていく。
「エビル!すごいよ!」
僕は嬉しくなってエビルの方を見たが、
「異法が使える、、??」
エビルは不思議そうにその様子を眺めていた。
僕はやったね!と呆けてるエビルの肩を叩くと、彼女はハッとなってこっちを見た。
「、、、いや、まあいいか。それより、こんな偽善的な施しをして何の意味があるんだ?」
「偽善的だって?偽善って言葉は善意を手段で使う人から生まれたんだよ」
エビルはフッと鼻で笑った。
「何を言ってる、、。この先、死にゆくものを見る度に同じことをするつもりか?」
「当たり前だよ。自分たちの能力が及ぶのなら、誰だって同じことをするさ」
「頭の中がお花畑なのか?」
「それが人間だろう、、ところでこの少女は?」
少女の身体が回復するにつれて光は弱まり、腹部の傷口が塞がると消失した。
だが、少女の意識はまだ戻らなかった。
エビルは彼女の首飾りを手に取る。髪をかき分けると、先の尖った耳。
「見ろ、耳の形状が違うだろ。魔人だな、しかも高位階級だ」
エビルは、これは魔法具でかなりの年季物。人間が装飾するには強力すぎる代物だと。
「魔人?あの方角から吹き飛ばされたってこと、、?」
僕は薙ぎ倒された木々の先を見た。
「ああ、多分あっちにセプテン公国があるのだろうな。あの国はたしか魔領国家だ」
「ということは、この少女は異界軍に、、」
「あなた達は一体」
いつのまにか治癒された少女は目を覚まし、こちらの方を向いていた。
すんません、1000文字でした。
108...善悪の彼岸より




