表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつだって恋する女神と一緒なら救えない世界はない  作者: おつかれ
第3章 オクシデントの世界
40/52

37話 魔異戦争の始まり

デモーク公爵は齢800はゆうに超える魔人であった。セプテン公国を200年間統治したのち、重臣リストに譲位。人魔の和解が成立した年のことであった。


「私の役目は終わったのだ」


退位後は公国の北に位置するアブダラ山にて、平穏な隠居生活を送った。


容姿は老ぼれており、魔人の特徴である灰色がかった肌はカサカサで、尖った耳は遠くなり、長く伸びた白髪は後ろで束ねていた。服装は魔人らしく、一張羅の群青色でゆったりとしたローブ。



公国の存亡の危機と駆けつけた使者から話を聞くと、異界の軍勢達に立ち向かうために首都へと向かった。

デモーク公爵が下界に降り立つのは実に100年ぶりである。


首都。

エーテルを浴びた異界の怪物は消滅したが、インペラトルに忠誠を誓った人魔は健在だった。コンスル(元首)のエクシェ敗北後、プラエトル(法務官)のデメルングが臨時に指揮を引き継いだ。北方へと退却後に異界軍を立て直すとそのまま北進。


ダザイン支配地域を抜けると、エーテルの効力が弱まり、異法が使用できるようになった。デメルングは報告を受けると、北部ゲルマ地方にて異法を背景に強制徴収を行い、セプテン公国を強襲した。


異法とは異界のエネルギーを利用した技術であり、使用者によって威力は異なる。オクシデント世界では未知の代物であったが、最優先事項として国家主導のもと大規模な研究が行われ、異界研究者により解明されつつあった。


デモーク公爵は使者たちによる移動魔法にて首都に到着。


そこでは、リスト公の指揮のもと首都防衛戦が繰り広げられていた。


「閣下、ご覧の惨状です」


「はあ?」


使者の声が聞こえなかったのか、デモーク公爵は聞き返した。


「ですから、ご覧の惨状です!!」


「はあ」


使者たちは顔を見合わせた。本当にこの人物がデモーク公爵なのかと。明らかにヤバメな年寄りにしか見えなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ