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いつだって恋する女神と一緒なら救えない世界はない  作者: おつかれ
第3章 オクシデントの世界
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34話 オティデンスの将官

将軍オドアの後ろには参謀と思わしき人物たち。

彼らからは圧倒的な強者のオーラを感じる。


「あのひとたちは?」


本当に言っているのかと、知らないことに驚きながらエビルは教えてくれた。


「あのでかいのは将軍オドア。オティデンス帝国王党派の将軍だ。皇帝への忠誠心は高く、今回の武勲は帝国の体制をより盤石とするだろうな」


「強いの?」


「かなり強い。マーズ系譜だ。大剣ロムルスを扱えるのはあいつしかいない。その横は参謀のフラン。力こそないがミネルヴァ系譜なだけあって、魔法の知識は帝国一だ」


フランはオドアの背丈の半分しかなく、折れ曲がったとんがり帽子にエビルに似た紫苑色のローブを着ている。


「なんか服装がエビルと似てるね」


「同郷だからな。私の下の代だから関わりはないが」ま、私の方が才能があったけどなと涼しい顔。


「エビルもオティデンス帝国出身なの?」


「ああ。高位階級で第二帝国魔法軍の下士官だった。帝国内での栄光は軍部に所属し功績をあげること、ただそれだけ。それが嫌で出奔した」

昔の話だ、とのこと。


「もう一人いるが、あいつは宿将テオドリー。平時は皇帝直属軍。マーズ系譜で剛腕さは怪物級だ」


オドアと似た体格だが、少し背は低かった。褐色肌とは対照的な銀色の髪は短く刈り上げられている。


「へえ。なんか強そう」


「お前は小国の出身なのか?」


「うーん、まあそうかな」


いや、どの国でも名前くらいは聞いたことがあるだろうと、僕の世間知らずさに戸惑っていた。


「なんなら、マーズとかなんとかの系譜もわからない」


「おまえも異界から来たのか?」


「うん」


はは、って笑うエビル。でも、イデアの空間にいたことを思い出したのか、満更でもない表情に変わった。だが僕のことを凝視し、主人とは全く似ていないと言うと、一人納得した。


エビルはオドアとは面識があるらしく、離れたい、と言いテントへと歩き出したので、僕も一緒に着いていった。


「はあ、これからどうしよう」


中は狭く、ランタンの灯りをつけると簡易なベッドに腰を掛け、フードを外しながら、うーん、そうだなあとエビル。


「主人の行方がわからない今はどうしようもない。かといって帝国に戻って正体がバレでもしたら、死罪じゃすまないからな」


少しの間があり、もう少し難民に紛れて情報収集してから考えることにするとのこと。


もう疲れたから寝るとのことで、明かりを消しエビルは横になった。


「···なんだ、おまえも一緒に寝たいのか」

ベッドは一つしかないんだぞとエビル。


「いや、どこのテントもいっぱいだから。床で寝るよ」


エビルはにやっと笑うと体を端に寄せ、パンパンと横の空いたスペースを叩く。


「横で寝さしてやってもいいんだぞ」


右腕を枕にし、指で開いた胸元を引っ張りながら、嬉しそうな表情でじっとみてくる。

よくみると年齢の割には肌は若々しく、胸も大きかった。癖っ毛のある前髪。トロンとした眼。

普通に美人だ。


けど、、、


「おばさんの横で寝るわけにはいかないから」


と言ったら、めっちゃ怒り出したので、ランタンの明かりをそっ消しした。

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