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いつだって恋する女神と一緒なら救えない世界はない  作者: おつかれ
第3章 オクシデントの世界
33/52

32話 とんでもないことをしたかもしれない

紫苑色のローブの胸元は開いており、手には大きな樫の杖。赤茶色の巻き毛、目深に被ったフードからは親しみのある目が覗いている。どこかエビルと似ていた。だが、背丈は僕よりも高く、年齢も上にみえる。要は大人の姿であった。

子供のような背格好、だったはずだけど…


「エビル…だよね?」


「しっ。…私のことを忘れたのか。ついさっきまで同じ空間で過ごしただろう」


エビルの名を出されるのが嫌なのだろう。口元に人差し指を当てると、声の主は不審そうな様子で答えた。


「いや、姿が違いすぎて」


「そう言われると、こっちに戻ったら大人の姿に戻れたようだ」


口調が大人びていてぜんぜん違う…。変化に戸惑った。


「違いすぎて気を使ってしまうよ」


「ははは、無理もないな。これがわたしの真の姿なのだ〜。なんてな」


フッと微笑ましく鼻で笑った。


「ところで、ここはどこなの?それにインペ…痛っ」


いきなり樫の杖で殴られた。

声に気づき振り向く馭者。


「すまない。今の揺れで杖があたってしまったようだ」


失敬と落ち着き払った様子で誤魔化すと、馭者はまた前を向いた。


エビルは僕の真横に座ると「今はその話はなしだ」とひそひそと話した。


「ところでここは?」


「おそらく、旧ダザインの領地内だと思う。私の知っている景色とはえらく違うが」


日が暮れ始めたので、平野に露営をすることとなった。兵士に混じって、動ける人間は手伝いをし、夕食の寝床の準備を始めた。魔法使いは使役する使い魔を多数召喚、あっという間に野営地が出来上がった。


僕とエビルは少し離れた場所で現状の確認を行った。


エビルは"ワープでワープ"で空間移動したが、突如ホールから光の突風が吹き荒れた。祭壇どころか聖地全体が神々しい光りに包まれると、空高くにまで到達、そこから半円状に広がりを見せ、闇に支配されたダザインの地を解放したそう。

現在も、聖地イデアからは、光はとどまる事を知らずに溢れ続けているそうだ。


それを聞いて僕は思ったんだ。光は多分エーテルで、この現状を生み出したのは僕が原因だってことにね。


…どうしましょ

30話こえたので、章ごとの区切りをつくってみました。

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