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27話 もうすぐ異世界

'なんじゃこりゃ〜!'


自分の姿を見て驚くエビル。顔をペタペタ触ったり、つねったり引っ張ったりしている。


「気づいてなかったの?」


'ひふいてなかっあ?ひふいてないよ、こんなの〜!'


口に指を突っ込み、ぎゅーっと横に引っ張りながら答えるから、何を言っているかはわからないし、ずっとジタバタしていた。

ジャッジはそれを呆れながら見ると、鏡を消失させた。


一通り暴れ終えると、エビルは突然一点を凝視し始め、急に合点がいったのか冷静になった。


'た、たしかになんとなく言語野が退化してる気がしてたし、視野も低くなったなと思ってたけど、、なるほど子供になってたのか〜、、、なぜに〜!'


「ちょっと、エビル落ち着きなよ。それよりも、話の続き聞かしてよ」


'話の続き〜?いいよ!…てか、子どものわたしこんなにも可愛かったのか!'


エビルのテンションに合わせていては埒が明かないので、スルーすることにした。


「…何から聞こうか。そうだなあ、その主って何者なの?」


'主は世界を統べるインペラトルなのだ!'


「インペラトル?」


'世界で一番偉いってこと!'


「そのインペラトルがなぜ、聖地イデアになんか」



'イデアが邪魔だったから!'


「邪魔って…」


イデアが邪魔扱いされてるのに苛立ちを覚えつつも、なんとか我慢した。


'そう。主の軍隊は帝都を陥落させ、そしてダザイン帝国の降伏をもって、戦争は終結したんだよ。けど、人民は相変わらず抵抗するし、言うこと聞かないから、奴らの拠り所である宗教の聖地イデアへの侵攻を決めたんだ!'


うんうん、そうだったそうだったと流暢に話すエビル。

僕は聞いたことのない国名とイデアの名を冠した宗教に疑問を抱いた。


「ちょっと待って。宗教ってイデアのこと?」


'うーん、違う!トンプラ教の女神がイデアだな!'


「えーっと、女神イデアが信仰の対象?」


'そりゃね!わたしも人間の社会で暮らしてたときは女神イデアに毎日お祈りを捧げていたよ!'


イデア、がっつり世界に干渉してるじゃん。

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