26話 謎めいてきたぞ
"いや、それがイデアとはもう会えないかもしれない"
「え?どういうこと?」
"イデアと連絡がつかなくなっている"
イデアと連絡がつかない?それは何を意味しているのだろう。僕はイデアに呼びかけてみることにした。本当はジャッジの攻撃を防いでからにしようと思っていたけど。
「イデア、イデア!」
しばらく待ったがなんの返事もなかった。ここからは出れないが、たしか常に見守っているとかなんとか言ってた気がするが。
「緊急です!イデア!」
やはり、反応はない。多忙だからと会えない日が続くことはよくあったが、呼びかけには返事をくれていたのに。横ではなぜか、エビルもイデア〜と叫んでいた。
「何かあったのだろうか」
"実はおまえが目覚める前に超自然的存在者の来訪があった。追い返すことはできたのだが"
「え?ここに?」
驚いて、ジャッジの方を振り向いた。
超自然的存在者は僕が倒さなければならない宿敵。言うなれば、そのために僕はここにいる。
"そうだ。そこにいるのは超自然的存在者の側近"
エビルは相変わらずイデア〜と叫んでいたが、僕たちの視線に気付くと、ん?とこちらを見た。
'どうかしたか?'
「どうかしたかも何も…。エビルは超自然的存在者の仲間なの?」
'仲間ではなく、わたしの主だ!'
そう言って胸を張るエビル。僕は今起こっている事態についていけなくなった。
「なぜここにいるんだ?」
ひょこひょこ動くエビル。背丈は僕の半分しかなく、見た目も頭脳も相応の年齢だろう。それに、想像していた敵と何か違う…
'聖地イデアの奥底に異空間の痕跡を見つけたからだ!'
「聖地イデア?」
エビルは不思議そうに僕の顔を見つめる。
'おまえ、本当に人間か?聖地イデアは聖地イデアだろ!あの、神聖不可侵の!'
話が見えてこないし、訳がわからないぞ。
「ジャッジ、これはどういうこと?」
"私にもわからない。ただ、もう一つ不可思議なことがあった。超自然的存在者が現れたとき、あなたの姿もなかった"
「僕は消えていたの?」
ジャッジは顎に指を当てた。
"なんと言えばいいか。あなたの体から強烈な闇が吹き出したかと思うと、エビルたちが目の前にいたのだ"
闇が溢れた、、?そう言われると、ジャッジとの訓練がキツくて弱音を吐いていた気がする、憂鬱に苛まれるくらいに。
それをきっかけに超自然的存在者がここに現れる。うーん、要領得ないな。だいたい時間軸も変だ。生命が現れるのはまだまだ数百万年後の話だったはず。
「エビルも超自然的存在者?」
"わたしは人間だ!ゆいつのな!"
「人間の子供がなぜ側近なんかに」
それを聞いたエビルはムッとなり、
'子供?誰が子供だって!私は38歳の大人なのだよ!'
「見た目子供じゃん」
'どっからどうみても大人でしょーが!'
僕はジャッジのほう向くと、彼女は"鏡"をエーテルで生成、エビルに見せてあげた。
すると、大きな悲鳴が響き渡った。




