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21話 頑張ってね
それから、僕の防衛力を鍛える訓練が日夜続いた。実戦だけでなく、想念をより強固にするために集中力を高める座禅であったり、知識や技術面の伝授もあり、エーテルを扱う能力は向上しつつあった。
審判者は教えるのが上手で、僕の動きを観察し、欠点を鋭く見抜くと的確なアドバイスをくれた。
しかしながら、ある程度のところで、僕のエーテル力は頭打ちとなった。
僕の上達に伴い、日に日に訓練の厳しさが過酷になり、身体的にも精神的にも限界がきたのだった。
身体はボロボロとなり、集中力も追いつかず、審判者からの攻撃に耐えられなくなり、僕はもう無理ですと弱音を吐いた。
確かに強くならなければ、かの存在を打ち倒さなければ僕の存在理由はないのは理解しているが、たかが人間に目の前にいる神と同等の力を持つ存在に勝てる気がしなかった。
"エーテルを扱う上で大切なことは自由精神を持つことだ。固定概念や束縛から解放された環境にいるお前には容易く会得できるだろう。己の存在を信じ、より高い強さを求めることが上質なエーテルの存在へと繋がるのだよ。さあ、私を超えて、神の存在を否定してくれ"




