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19話 力量確認

"剣術にはセンスが必要だが、ここまでダメダメな存在は初めてみた"

と僕の振るうエーテルの剣をみながら、嘆息していた審判者。


たしかに、振り下ろした剣は孤をグニャグニャと曲げながら地面をかすめるし、エーテルを纏い、高速移動なるものをするも、体幹がブレブレで糸人形のような歪に操られたような動きだった。


そんなこと言われたって、僕は引き籠もり歴なら他者の追随を許さないくらいなんだぞと、情けない言い訳だと理解していたが、少しムっとなった。


腰に手を当てて、空を仰ぐ審判者。だけど、そんな僕の遠距離系のエーテル術を見たら、審判者の反応は一変した。


イデアに倣い、エーテルボールを存在させると、審判者に向けて解き放った。


僕の戦闘技術を甘くみていた審判者はエーテルボールの威力を推し量るのに、一瞬の隙があり、身体をかすめる直前でなんとかかわした。僕はお構いなしに次々と放つと、審判者は機敏な動きで避けつつも、最後の一撃は直撃。空高く吹き飛んでいった。


ムキになっていた分、冷静になって少しやりすぎたかなと頭を冷やしたところで、トボトボと歩きながら、審判者が戻ってきた。


白衣には穴が空いており、少し汚れていた。


"今のはなかなかよかった"


審判者は頭巾を脱ぎ捨て、藍色の短い髪を左右に振りながら、切れ長の目をキッとこちらに向けると、同様にエーテルボールを存在させる。一つの球体が分裂を始め、十を超えると、僕に向かって弾丸の速度で射出した。


僕は"偉大なる盾"を前面に、そして"パサカリアスの守備隊"を5人ほど存在させた。彼らは青色のエーテルを纏った鋼鉄の鎧で武装しており、背丈より大きな頑強な盾で僕を守るような陣形をつくった。


そしてエーテルボールが到達。威力はイデアと比較するとやや劣るも、"偉大なる盾"は数個防ぎ切ると破損し、屈強な"パサカリアスの守備隊"の守りでなんとか相殺させることができた。僕に届くことはなかったが、彼らの装備も亀裂が入っており、役目を終えると、片膝を曲げ、しずかに消失した。

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