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もしかして、拉致?

この話には、拉致、拘束、1部暴力的な表現が含まれています。

苦手な方は御遠慮ください。

 ミチヒトに会いたい。

ひたすら、僕はそう願った。

 どうして僕が、こんな目にあわなきゃいけないの?

 僕は今、監禁状態だ。いや、軟禁かもしれない。

とりあえず、拘束されていることは確かだ。

 首と両手足に枷をつけらた。両腕と、両足の間は、短い鎖で繋がれている。

そして、左足には、もう1つ金具が付けられ、長い鎖が付けられている。

長い鎖の先は、壁に埋め込まれた金具にある。

 部屋には、僕が元の世界で使っていたくらいの大きさのベッドと、その横に、申し訳程度に取り付けられた小さな棚。鎖がギリギリ届く距離に、トイレと風呂がある。

入口の扉は、中に鍵がなく、外にしかない。

窓もあるが、取っ手がなく、開けられない。

牢屋ではないと言っていた。

が、まるで、拘束するために作られた部屋のようだ。






 大きな重い扉が開き、僕は心の準備の途中で、あの部屋へ押し入れられた。

 部屋の中は、前と違い、薄暗く、僕はそのままコケてしまった。

「っ...!」

いったぁ〜...。

「...お前が、佐野陽太か?」

え?誰?!

 大神様とは、あの日にしか話してないけど、こんな声はしていなかった。

もっと、優しく、暖かい声をしていた。

 でも、今聞こえた声は、冷たく、蔑むような声だった。

 怖い...。大神様と話した時の恐怖とは、また違う。

 まるで、兄さんが僕に暴言吐いたり、愚痴を言い放ったりする時のような恐怖だ。

 「そう、です...。あの、大神様、は?」

僕の発した音は震えていた。

 「今日、呼んだのは大神様ではなく、私だ。お前、自分の置かれてい状況に気づいてないだろう。大神様は、大変心の優しい方で在られるからな。」

 自分、状況...?

 「ふん、おめでたいな。大神様がお前に何と仰ったかは知らないが、お前は、我ら神に捧げられた、言わば、贄だ。我らのためにその身を捧げ、我らの代わりに命を差し出す、それがお前の役目だ。拒否権などない。その身が果てるまで、盾となり、矛となるのだ。これは、決定であり、絶対だ。今日、ここに呼んだのは、お前の行動を監視するためだ。あのことは、他の者たちに知られてはならぬ。しばらく監視していたが、所詮、人間だ。信用出来ん。今日から、お前は、この塔の一室で過ごしてもらう。もちろん、行動も制限する。」

 え、ちょ、ちょっと待って!

長すぎてよくわかんない!

え?え?何、僕、拉致られたってこと?

監視?制限?

に、贄って、生贄って事だよね?

この身が果てるまで?

 「何を、驚いた顔をしている。聞いたのだろう?昔の話を。元は、人間のまいた種だ。人間が後始末をするのは当たり前であろう。...おい、連れて行け。」

 男がそう言うと、暗闇で控えていたのか、2人の男が急に現れ、僕に枷をつけた。

 「流石、人間だ。枷が良く似合う。」

そう言って、皮肉な笑みを見せた男は、暗闇に消え、僕は首に繋がれた鎖を引っ張らた。

 「あっ...!うぅ...。」

く、苦しい!痛い!

息が出来ないよ!離して!

引きずらないで!引っ張らないで!

 僕の瞳に、涙が滲んだ。

 そうして僕は、意識を手放した。

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