いじめ
はぁ。迷惑な厨二病だったな。
ドンッ!
「うわっ!……っ!!!」
「いってーな!って、何だ、佐野じゃねーかよ。俺は優しいからな、千円で許してやるよ。」
こいつは、同じクラスの杉野。僕をいじめてるグループのリーダーだ。
周りの奴らがギャハハと笑う。
「ッチ!早くしろよ!」
びくっ!う……。絶対今日は厄日だ。
「は、はい...。」
「ふんっ。また、ガッコーで、な!」
「ギャハハ!」
また取られてしまった。
前は、ここまでじゃなかったのに……。
初めは、ただのいじめだった。
荷物持ちや、買い出し等のパシリだった。
いじめには慣れてるから、高校入学した3ヶ月前は「高校ではこの人達か。」程度だった。
クラスの人たちも「あーあ、かわいそ。」「でも地味だし納得。」程度だった。
1ヶ月前。ゲーセンに連れていかれた時のことだ。杉野の小銭が足りなくて、100円貸した。後で返すと言っていたけど、返されることはなかった。それから、パシリの時も、僕が払うことになった。今まで「貸した」お金が返されたことは1度もない。
いじめ慣れしてる僕でも流石に落ち込む。
でもそろそろやばい。お金がない。
家は母子家庭で、しかも3人兄妹のため、裕福な方ではない。ましてや、家では僕は邪魔な存在だ。
兄は出来が良く、名門大学に通い、おまけにイケメンで運動だってできる。
双子の妹は、エリートお嬢様学校に特待生として入学(もちろん学費免除だ)。そして、小さい頃から兄に似て、なんでも出来るし、顔立ちも整っていた。
はぁ、なんで兄妹でこんな違うんだろ。
僕自身思ってる事だし、母さんが僕と顔を合わせる度に言う言葉だ。
だから、お小遣いは一番少ないし、家事は僕がやってるからバイトする暇もない。
そろそろほんとにやばい。