でぇと?
制服を作るために、サイズを店員さんに測ってもらう。(誰かのお下がりでいいんだけど。いや、神様のお下がりとか、おこがましいな。)
店員さんが僕の体のサイズを読み上げていく。(やめて欲しいな。ひょろひょろで男らしくないと、再確認させられているみたいだ。)
「おっ前、細くね?!大丈夫か?」
そりゃ、筋肉がしっかりしてて、いかにもイケメンって感じのミチヒトからしたら、僕はまさにもやしの様だろう。
でもわざわざ言わなくても良くないか?
「肌も綺麗ですし、細くて、スタイルもいいから羨ましいです。」
僕を測っている人も、周りの店員さんも、目を輝かせながら言った。
いやいや、女の人に羨ましがられても、悲しくなるだけなんですけど。
制服のサイズを決めた後、時間がかかるらしく、(小さくてすみませんね。)他のものを買いに行った。
買い物中に分かったこと。それは、ミチヒトはものすごくオシャレだということ。
イケメンだからだろうか?
そして何よりも、神様用の下着は、オシャレだ。
何故、たかがパンツが、こんなにもカッコイイのだろう。
神様はパンツも違うものなのか?それとも、僕自体がおかしいのか?
まぁ、別にどちらでもいいんだけど。
次は洋服なのかな。
ミチヒトに聞いてみると、首を振った。
「実はさっきマヤから連絡があって、お前の服や小物?とかはマヤが用意したいらしくてな。サイズは制服の時のを送ったけんだけど、それでもいいか?」
僕は頷いた。
マヤからなら、僕に拒否権はないと思う。
何故って?それは、簡単さ。怖いから。
前髪切られた時、されるがままで、僕のこと全く無視だったもんね。うん。
「どっか行く?あ、ゲーセン行こーぜ!ゲーセンっ!」
神の世界にも、ゲームセンターなんてあるんだ。ちょっと意外。
「行ってみたい、かも。」
僕がそう言った瞬間、ミチヒトは僕を引っ張って走り出した。
はぁ、はぁ、はぁ。
ミチヒト、速すぎる。
足がガクガクして、今にも膝から崩れ落ちそうだ。
「ほら。ただの水だけど、いいか?あ、奢りだぞ!無理させちまったからな。」
僕が息を整えている間に、ミチヒトが水を買ってきてくれた。
イケメンか!イケメンだ!
「ありがと。...っ!」
「?どーした?」
僕は、見つけてしまった。
秘密の場所の時、薄々気づいたかもしれないが、実は僕、可愛いものが大好きなのです!(気持ち悪いですね。分ってます。すみません。)
僕の目の前にあるクレーンゲーム。
中に閉じ込められていたのは、大きなうさぎさん!かっ、可愛い...!!
抱き枕にしたいっ!あ、その隣にいる、両腕にすっぽりハマりそうなネコちゃんも可愛い!
やばい可愛い!可愛すぎる!
「あれ?もしかして、あの人形が欲しいのか?」
ミチヒトが震えている僕の視線の先を見て言った。
「あ、いや、全然!可愛いとか、ギュッてしたいなーとか、思ってないから!」
...。僕ってやつは、これだから。
ミチヒトがクッと笑った。
「取ってやろーか?俺、上手いよ。あのうさぎ?」
いくら僕でも知っている。
これは、フラグだということを。
つまり、あのうさぎさんが手に入ることはない。
なんて、期待しないでいると、僕の前にぬっと壁が現れた。
「うわぁ?!え?あ、うさぎさん!」
それに、ネコまで!嘘?!
「な?言ったろ?ってか、うさぎさんって...ブハッ!」
今度は思い切りミチヒトは笑った。
神様にフラグは関係ないのか。
なるほど。