sideミチヒト
部活から帰ってくると、部屋の電気はついているにも関わらず、物音ひとつしていなかった。
「あれ?よーた?...っ?!」
部屋を探していると、思いもしなかった場所にいた。
「間違えたのか?...よーたならありえる。」
なんと、よーたは俺のベットで寝ていた。
俺はベットの端に座って陽太の髪をすいた。
熟睡だな。
無防備にも程があるだろう。(なんか、こいつの学校生活、不安になってきたな。)
よーたがあまりにも気持ちよさそうに寝ているから、つい、笑みが零れてしまった。
今度はよーたの頬を人差し指で刺した。
「...柔らかっ!やば、止まらねぇ。」
何だこの弾力は。
肌もすべすべで、マシュマロみたいだ。
ずっと触っていたい。
(って俺、きも!)
いやいや、これはもう、よーたが悪い。
こんなマシュマロほっぺ、罪すぎる。
陽太の頬を撫でていた指が、唇へ近づいていく。
「...ん、んー。」
はっ。今何しようとした?俺。
唇に、手をもっていって、それから...?
顔が一気に燃え上がる。
ああ、そうか。そうだったのか。
俺、陽太が好きだ。
この寝顔を、他の誰かに見られたくない。
ずっと独り占めしていたい。
どうしようもなく、愛おしい。
幸せな、暖かい感情と、独占欲のような黒い感情が混ざり合う。
俺が、俺だけが、こいつの笑顔を、守っていきたい。