初登校
──翌日。
今日から神様の学校に通う。
昨日のこともあったし、正直、不安しかない。
不安すぎてあまり眠れなかったくらいには。
神学校でも、いじめられたりするのかな。
そんなことを考えつつ、ミチヒトとは違う制服を着る。
部屋を出ようと、扉を押すと、向こう側から扉が引かれた。
「うわっ、っと、と」
「うわぁ!ごめん!」
扉の向こうにいたのは、マヤだった。
昨日の、大神様を思い出す。
「こ、ここ、男子寮だけど。」
「知ってるわよ!私はいいの!それより、あなたその格好で学校に行くの?!」
あ、いいんだ。そっか、大神様の娘だもんね。そりゃ、何でも許されるよ。
「制服のことは聞いた。けど!その前髪!長い!暗い!ってことで、はい座って?」
マヤに逆らえる人っているのかな?
今までは、あまり、周りの視線とかが見えないように、前髪を伸ばすようにしていた。そうすることで、自分を守っていたんだ。
「出来た!あら、美少年〜!!さすがね!やっぱり、前髪は短い方がいいわ!....そろそろミチヒトが来ると思うから、私は戻るわ。じゃあね!」
そう言って、マヤは部屋を出ていった。
嵐のようだったな。
ミチヒトが戻ってきた。
「ただいま〜....?!ど、どどどうしたんだ?!」
ミチヒトが驚いた。
マヤが美少年だと言っていたが、やっぱり嘘に決まってる。
ほら、ミチヒトでさえ、この反応だ。
前髪を切って見えるのは、美しい顔ではなく、醜い顔だ。
「....マヤか。あいつ、美少年好きだからな〜。髪、嫌か?」
美少年....。え?!僕?!ま、まさか....。
僕は、色んな意味で首を振った。
「はぁ。お前、自分が可愛い顔してるって自覚ないだろ。気をつけろよ?!まぁいい、学校行くぞ。」
自覚も何も、可愛くないし。嬉しくない。
でも、髪を切って、世界が明るくなった。
まるで僕まで、明るくなれたみたいだ。
「クラスも同じだから。お前は、ここ。俺はクラス行くけど、陽太は職員室から、先生と一緒に教室行くんだ。自己紹介とかあるけど、がんばれよ!じゃあな!」
...自己紹介?!ど、どうしよう?
僕の苦手分野だ。
「お前がヨータだな?俺は担任であり、お前専属の教師だ。」
僕専属か。
なんか僕、偉い人になった気分だ。
「ご迷惑お掛けしますが、よろしくお願いします。」
僕が先生にお辞儀をすると、笑われた。
失礼だな。おかしかったのかな。
「ハハッ。悪いな、驚いた。良かったよ、礼儀のなってるやつで。ここの奴らは、神だからな。人間のお前を下に見たり、トラブルを起こすかもしれないからな。」
昨日の、誰だっけ?あの大男のことを思い出した。
まぁ、いいか。誰でも。
それよりも!今重要なことは自己紹介だ。
僕にとって自己紹介は、いかに普通で目立たないようにするかが大切なのに、僕一人だけが前に出てするなんて、死活問題だ。
嫌でも目立ってしまう。
「んな緊張しなくても大丈夫だ。ほれ、教室行くぞ。」
き、教室....。
僕は顎まで垂れてきた冷や汗を拭った。
あけましておめでとうございます。
ゆっくり更新になりますが、今年もよろしくお願い致します。
諸事情により、更新のスピードが遅くなります。
すみません。