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ーシルヴィアの思い出ー

シルヴィアとメルの出会い編シルヴィア目線です。そのうちメル目線書きますん。


わたしは、シルヴィア=グランベール12才。


優しくて頼もしいお父様と優しくて美しいお母様と優しくて格好いいお兄様の四人家族。

わたしとお兄様は生まれつき銀髪で、ライトグレーのお父様の髪色を継いだんだと思う。他の人は珍しそうに見てくるけど、わたしはこの髪色が大好き。だって特別な感じがするし、お兄様とお揃いだもん。




8才の時、家族で出掛けた先で可愛い猫ちゃんを見つけた。

触りたくて近づいたら逃げられて、思わず追いかけたら路地裏で迷子になってしまった。


わたしは、薄暗くてなんか臭くて怖くてどう帰っていいか分からなくて道の隅で震えてた。

そんな時、

「どうしたの?迷子?」

急に頭の上から声がして、バッと顔を上げると女の子が心配そうに私を見下ろしていた。


「あ、あ、うわぁぁぁぁぁん!」


知らない子だったけど、人に会えた事に安心して泣いちゃった。


「え!?え!?ごめんね!大丈夫!何もしないよ!!」

怖くて泣いたんだと勘違いしたのか、女の子は慌ててわたしの頭を撫で、大丈夫大丈夫と繰り返し声をかけてくれた。

それがすごく安心して心地よかったのを今でも覚えてる。

「ありがとう。。」

わたしはなんだか恥ずかしくなってギュッと抱きついた。

すると女の子は

「駄目っ!汚れちゃう!」

と、バッとわたしから離れた。

わたしよりも年上の女の子は片方の目を怪我してるみたいで包帯をしていて、服も髪もボロボロでボサボサだった。

でも、わたしはそんなの気にならなかった。

「だいじょうぶ!」

もう一回抱きついた。一瞬ビクッてなったけど、今度は離れないでまた頭を撫でてくれた。温かくて優しい手。

「あなた、迷子?」


「うん。」


「ぢゃあ私も一緒に探してあげる。私はメル。あなたは?」


「シルヴィア!」


「宜しく、シルヴィア。最初、暗闇でキラキラ輝いていたから妖精かと思った!本当に綺麗な銀髪ね、お顔も可愛いから妖精だって言ってもきっとバレないよ!」


褒められたことが嬉しくて恥ずかしくて、ギュッと手を握るとメルはニコッと笑ってくれた。もう、メルがいるから寂しくないし怖くなかった。


その後は簡単に家族のところまで戻ってこれた。わたしは全然道を覚えてなかったし、メルには馬車で来たとしか言ってなかったのに不思議だった。そんなに離れてなかったのかな?


メルを見た家族は最初ギョッとしてたけど、わたしがメルに助けて貰った事を言ったらお礼を言ってた。

わたしはその間もずっとメルの手を離さなかった。

離したら、もう会えなくなっちゃうと思ったから。

「さぁシルヴィア、家へ帰ろう。」

お父様がメルとお話した後わたしを呼んだけど、わたしはまだメルの手を離したくなかった。


「メルはお父様とお母様がお家で待ってるの?」

わたしはメルの手を握ったまま、メルに聞いた。お家で待ってるなら帰らなくちゃいけないと思ったから。

でも、メルは

「私には、家族はいないよ。私は一人ぼっちなんだ。」

って言った。


一人ぼっちの意味は分かった。だってわたしはさっき一人ぼっちだったから。一人ぼっちは寂しいって知ってる。


そんなわたしをメルは助けてくれた。

すごく安心した。

だからわたしはその時に思ったんだ。

今度はわたしがメルを助けてあげようって。



「わたしがメルの家族になってあげる!」



その日からメルはわたしの家族になった。

お姉様としてではなくメイドとしてだったけど、

メルはいつも側にいてくれた。

メルがいるから嫌いな習い事も勉強もがんばれた。




メルが苛められてもわたしが助けてあげる。

強くなってメルを守ってあげる。

お兄様が剣術を習うのは大事なもの守る為だって言ってた。

だからわたしもメルを守る為に剣術を習いたい。

メルはダメって言ったけどこっそりお兄様に教わるならいいよね。


だからずっと側にいて。

メルがこの髪を誉めてくれたからもっとわたしはこの髪が好きになれた。

メル、大好きだよ。わたしの大切な大切なお姉様。





「メル~今日のシフォンケーキも最高に美味しいよ!次はパンケーキにしてね!」


「………はい、お嬢様。」



わたし、シフォンケーキとかパンケーキはメルが作ったやつしか食べないんだからこれからもたくさん作ってね!


「ニヤニヤしないでください。」


「ふひひひ」


わたしと出会ってくれてありがとう、

今は恥ずかしくて言えないけど、いつかちゃんと言うからね。

まっててね、メル。



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